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第44回:保健医療計画からみる京都府の姿

京都府の医師転職事情と未来~保健医療計画と地域医療から読む

 

■ 記事作成日 2018/3/1 ■ 最終更新日 2018/3/1

 

保健医療計画からみる京都府の医師転職事情

 

元看護師のライター紅花子です。

 

「保健医療計画からみる都道府県の姿」というこのコラム、「保健医療計画からみる都道府県の姿」というこのコラム、今回は、かつて日本の首都であった京都府の医療情勢を、平成25年度に策定された京都府保健医療計画を基に見ていきます。

 

京都府の現状を分析

 

京都府は日本列島のほぼ中央に位置し、北は日本海と福井県、南は大阪府と奈良県、東は三重県、滋賀県、西は兵庫県と接しています。
総面積は4,613.21㎢で、全国では31番目の土地の広さです。

 

南北に細長い地形となっており、京都府のほぼ中央に位置する丹波山地を境にして、気候が日本海型と内陸型に分かれていることが特徴です。

 

京都府は、江戸幕府が設立されるまでは日本の首都だったこともあって、歴史的な建造物が豊富で、神社仏閣など17もの世界遺産が登録されています。

 

また、古都として日本文化の中心であったことから、数百年の歴史を持つ老舗がひしめき合い、西陣織や文具、漆器、数多くの茶舗や和菓子店など、日本の伝統文化を支える名店は数えきれないほどあります。

 

また、京野菜や丹波の黒豆などの農産物、手長エビや舞鶴カニといった海産物も京都の特産品として有名です。

 

京都府の平成27年の総人口は約2,610,000人で、全国で13番目に人口の多い地域となっています。

 

図1 京都府 人口の推移

 

平成14年までは緩やかに人口増加が見られていましたが、以後徐々に減少しています。

 

さらに年齢別に人口を見てみると、平成23年の結果では年少人口は12.7%、生産年齢人口は63.6%といずれも減少傾向であるのに対して、老年人口は23.7%で増加傾向となっています。

 

図2 京都府の高齢化率と人口増加率の推移

 

また、高齢化率を見ていくと、平成26年の高齢化率は26.9%と全国で33番目。全国的に見れば、高齢化率はまだまだ低い県と言えます。

 

平成52年の高齢化率は36.4%となる予測で、全国では29番目と比較的高齢化率は低い京都ですが、それでも確実に少子高齢化社会へと向かっていることが分かります。

 

京都府の人口動態は

 

引き続き、京都府の人口動態に関するデータをいくつか見ていきたいと思います。

 

平成27年の出生率は人口1000人当たり7.6と全国平均の8.0を下回り、全国で18番目に低い地域となりました。また合計特殊出生率は1.26であり、全国平均である1.46を大幅に下回って、東京都に次いで全国で2番目に低くなっています。

 

出生率も合計特殊出生率も、共に全国平均よりも低いという結果から、確実に少子化が進行している京都府の現状が読み取れます。

 

続いて死亡に関するデータを見ていきましょう。

 

平成26年の死亡者数は25,471人で、人口1000人当たり9.9となります。全国平均である10.3を下回っており、京都府は死亡者数において、高齢化の影響をまだあまり受けていない印象です。

 

また、死因を見ていくと悪性新生物が最も多く、続いて心疾患、肺炎、脳血管疾患となっており、悪性新生物と心疾患は年々上昇傾向にあります。

 

京都府の医療状況はどうなっているのか

 

次に京都府の受療率を見ていきます。

 

図3 入院受療率と外来受療率

 

平成26年度の受療率をみると、入院では、全国平均が人口10万人当たり1,038に対して京都府は1,095と全国平均をわずかに上回っています。また、外来受療率は全国平均が人口10万人当たり5,696に対して4,980と全国平均を下回っており、全国で6番目に外来受療率が低くなっています。

 

こうした結果から見ると、京都府は医療需要度が他県と比べてあまり高くない県であると言えるでしょう。

 

また、外来受療者数が全国平均と比べてかなり少ない上に、入院受療者数も年々減少しているという点も、京都府の医療状況の特徴となります。ちなみに入院受療者の内訳を見てみると、65歳以上がそれ以下の年齢のおよそ2.5倍を占めており、高齢者の受療が圧倒的に多いことが分かります。

 

疾病分類別にみると、入院の受療率が高いのは、順に「循環器系の疾患」、「精神及び行動の傷害」、「悪性新生物」となっています。

 

精神医療分野を見ると、京都府の精神科分野における入院受療率は全国平均よりも低いものの、外来受療は全国平均よりも高くなっています。外来受療の内訳はうつ病が多く、入院受療に関しては統合失調症、認知症が多くなっています。

 

今後、高齢化の進行にともなって認知症による入院受療率はさらに高まるのかもしれません。このため、今後は精神科医療分野の充実が課題となってくるのではないでしょうか。

 

京都府の保健医療圏はどうなっているか

 

京都府の保健医療圏は、他の都道府県同様に一次医療圏、二次医療圏、三次医療圏にそれぞれ分かれています。

 

図4 京都府の二次保健医療圏

 

京都府の二次医療圏は、県庁所在地を含み人口が最も多い京都・乙訓医療圏と、以下人口の多い順に山城北医療圏、中丹医療圏、南丹医療圏、山城南医療圏、丹後医療圏の6医療圏で成り立っています。

 

医療圏別にそれぞれ入院受療状況を見てみると、医療環境が整っており、府の中心地である京都・乙訓医療圏では90%以上自医療圏で医療を完結できています。

 

続いて中丹医療圏が高く、丹後医療圏、南丹医療圏、山城北医療圏も60%を超えています。
しかし、山城南地域は他医療圏や他府県への患者流出率が高く、自医療圏での医療完結率は40%程度にとどまっています。

 

図5 自医療圏での医療完結率

 

京都府では、府内の地形を生かして医療圏を上から下に向かって分断しています。そのため、自分の府の医療圏よりも他県の医療圏の方が近いという患者もいます。京都府の交通状況は年々発達してきているものの、特に丹後、南丹、山城南医療圏については、地理的に京都府内よりも府外の医療圏に頼った方が近いという状況が出てきているようです。

 

また、府平均より高齢化率の高い、丹後医療圏、中丹医療圏および南丹医療圏においては、高齢化医療、在宅医療の整備が重要視されてくると考えられます。

 

これらを踏まえて京都府内の医療状況を引き続き見ていきましょう。


京都府の病床数とこれから

伏見稲荷神社

 

京都府内の各保健医療圏における既存病床数と基準病床数について見ていきます。

 

図6 京都府 既存病床と基準病床

 

京都府では、全体で既存病床数が基準病床数を4,010床上回っています。しかし、京都・乙訓医療圏を除いたすべての医療圏では、既存病床数が基準病床数を下回っており、病床数が足りていないのが現状です。

 

人口10万人当たりの病院数で見ても、京都・乙訓圏域が7.2、中丹圏域は8.6と全国平均の6.7を上回っていますが、他圏域は平均よりも少なく、山城南圏域にいたっては2.7と非常に低い水準になっています。

 

京都府内の医療施設は、地域によってかなり偏りのあることが分かります。大多数の圏域で、病床数が基準病床数を満たしていないにもかかわらず、病床の増加が全国平均よりも鈍く、1医療圏に医療施設が集中している感のある京都府。こうした傾向が、各医療圏の受療動向にも影響しているのかもしれません。

図7 京都府 病床数の推移

 

次に病床別に推移を見ると、平成24年現在において、人口10万人当たりの病院病床数の年次推移を見ると、昭和45年から平成23年にかけて全国では平均して20.9%増加しているのに対して、京都府では19.8%と、全国平均よりも増加の伸びが、ややゆるやかになっています。

 

また、精神病床は既存病床数が基準病床数を648床上回っていますが、その病床数は年々減少傾向にあります。尚、丹後医療圏、丹南医療圏、山城南医療圏には精神病床がなく、精神医療においても地域ごとの偏りが見られます。

 

京都府内にはどのような機能を持つ医療機関があるか

 

図8 特定の医療機能を有する病院数

 

京都府では6か所の三次救急医療機関を置き、京都府全域の高度で特殊な医療を担っています。

 

京都・乙訓医療圏に置かれている三次救急医療機関の充実度評価は100%となっており、府民へ適切な医療を提供できることが分かります。なお、他医療圏の充実度評価は、平成24年度段階で設置間もなかったため未評価となっています。この辺り、次の第7次保健医療計画でどう変わってくるのでしょうか。

 

二次救急の状況を見ると、府内91病院のうち、京都市内に54病院が集中しています。

 

また、精神科救急で常時対応できる体制を整えている医療機関は、北部と南部に計2施設ありますが、救急の輪番施設は南部地域が11施設あるのに対して北部地域は2施設のみとなっています。

 

地域医療支援病院について見ていくと、保健医療計画策定当時は山城南医療圏、南丹医療圏には地域医療支援病院がありませんでした。その後、山城南医療圏では平成29年に京都山城総合医療センターが新たに承認されました。

 

南丹医療圏の方は、地域医療支援病院はないものの、三次救急を担う京都中部総合医療センターが、地域の中核病院としての役割を担っています。

 

京都府内の医師数と今後の確保対策

 

次は京都府の医師数を見ていきましょう。人口10万人当たりの医師数を全国と比較すると、平成22年は全国平均の219人を大きく上回る286.2人となり、全国で最も多いレベルを維持し続けています。

 

図9 京都府 医師数の推移

 

しかしその地域偏在は顕著で、京都・乙訓圏域のみが、医師数が全国平均を大きく超えています。一方、他の地域は全国平均以下となっており、南部地域では増加傾向にあるものの、北部地域では逆に医師数が減少傾向となっています。

 

また医師の年齢を見てみると、病院勤務医は30歳代が多く、診療所の医師では高齢化が目立っています。今後、医師の高齢化によって診療所の閉鎖が多くなると、外来受療率に影響が出ることが予測されます。

 

診療科別に見ると、全国的に不足傾向である小児科医は全国平均を上回る人数を確保して、さらに微増傾向ではあるものの、やはり北部地域では不足傾向にあり、医療施設のみならず医師の偏在も課題となっています。

 

これを受けて京都府では、医学部の定員増加、推薦入試の実施などで医師の育成に努めるほか、北部など医師確保地域の医療を担う医師のスキル・キャリアアップ支援策や、女性医師の働きやすい環境の整備に重点を置いています。

 

特に地域医療を担う若手医師のキャリアアップについては、退職医師を活用した教育の充実、地域医療を担う医師への研究・研修支援などを行っています。

 

まとめ

夕暮れの古都

 

府全体としては、他都道府県に比べて医療施設、医師数共に充実しており、不足しがちな診療科の医師数も、それなりに潤っている京都府。しかし、病院数・医師数の地域による偏りが大きいことから、こうした医療偏在の是正が大きな課題となっています。

 

また、現在受療者数が少ない診療科も、高齢化に伴い増加することが考えられます。特に地域医療へ従事することを考えている若手医師や、精神分野に従事している医師は需要が高く、就職・転職は歓迎されることでしょう。

 

 

参考資料

 

京都府保健医療計画
http://www.pref.kyoto.jp/hofukuki/documents/hokeniryoukeikaku.pdf

 

京都府保健医療計画資料編
http://www.pref.kyoto.jp/hofukuki/documents/shiryou.pdf

 

京都府ホームページ 京都府紹介
http://www.pref.kyoto.jp/intro/index.html

 

京都府 世界遺産古都京都の文化財
http://www.pref.kyoto.jp/isan/index.html

 

総務省統計局 平成27年国勢調査
http://www.stat.go.jp/data/kokusei/2015/kekka/pdf/gaiyou.pdf

 

第1節 高齢化の状況 内閣府
http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2016/html/gaiyou/s1_1.html

 

平成 27 年 人口動態統計月報年計(概数)の概況  
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai15/dl/gaikyou27.pdf

 

厚生労働省 平成26年患者調査の状況 受療率
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/14/dl/02.pdf

 

京都府第6次保健医療計画
http://www.pref.kyoto.jp/hofukuki/documents/hokeniryoukeikaku.pdf

 

京都府第6次保健医療計画 資料編
http://www.pref.kyoto.jp/hofukuki/documents/shiryou.pdf

 

この記事をかいた人


紅 花子

正看護師歴10年、IT技術者歴10年という少し変わった経歴をもつ。現在は当研究所所属ライターとして、保健医療福祉分野におけるライティング業を生業としている。この分野であれば、ニュース記事の執筆・疾患啓発・取材・書籍執筆・コンテンツ企画など、とりあえずは何でも受ける。東京都在住の40代、2児の母でもある。好きなマンガは「ブラック・ジャック」。

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