【医療経営士】3級のテキストより 医療経営史

第2回:【医療経営士】3級のテキストより 医療経営史

【医療経営士】3級のテキストより 医療経営史

■ 記事作成日 2016/6/28 ■ 最終更新日 2016/6/28


筆者プロフィール

名前:紅 花子(べに はなこ) 
性別:女
PR:正看護師歴10年、IT技術者歴10年という少し変わった経歴をもつ。現在はフリーライターとして、保健医療福祉分野におけるライティング業を生業としている。この分野であれば、ニュース記事の執筆・疾患啓発・取材・書籍執筆・コンテンツ企画など、とりあえずは何でも受ける。東京都在住の40代、2児の母でもある。好きなマンガは「ブラック・ジャック」。

医療経営士3級のテキスト内容

【医療経営士】3級のテキストより 医療経営史

 

元看護師のフリーライター、紅花子です。
前回から、【医療経営士】という資格についてお伝えしている当コラム。第2回目の今回より、医療経営士3級用のテキストを実際に見ながら、その概要をお伝えします。

 

医療経営士3級のテキストとは?

 

これは、8冊に分かれています。DVD付きとDVD無しがあるようです。
では、8冊分のタイトルを書き出してみます。

 

●初級テキスト第1巻【第2版】 - 医療経営史
医療経営士初級テキスト第1巻【第2版】
「医療経営史」 -医療の起源から巨大病院の出現まで-
編著者代表:酒井シヅ
(順天堂大学名誉教授・特任教授、日本医史学会理事長)

 

●初級テキスト第2巻【第2版】 - 日本の医療政策と地域医療システム
医療経営士初級テキスト第2巻【第2版】
日本の医療政策と地域医療システム ―医療制度の基礎知識と最近の動向
編著者代表: 村上正泰
(山形大学大学院医学系研究科教授)

 

●初級テキスト第3巻【第3版】 - 日本の医療関連法規
「日本の医療関連法規」 -その歴史と基礎知識-
編著者代表: 平井謙二
(医療経営コンサルタント)

 

●初級テキスト第4巻【第2版】 - 病院の仕組みと各種団体、学会の成り立ち
医療経営士初級テキスト第4巻【第2版】
「病院の仕組みと各種団体、学会の成り立ち」 -内部構造と外部環境の基礎知識-
編著者代表: 木村憲洋
(高崎健康福祉大学健康福祉学部医療情報学科准教授)

 

●初級テキスト第5巻【第2版】 - 診療科目の歴史と医療技術の進歩
医療経営士初級テキスト第5巻【第2版】
「診療科目の歴史と医療技術の進歩」―医療の細分化による専門医の誕生、総合医・一般医の役割
共著: 上林茂暢 (健愛会柳原ホームケア診療所)
      山内常男(健愛会柳原診療所所長)

 

●初級テキスト第6巻【第2版】 - 日本の医療関連サービス
医療経営士初級テキスト第6巻【第2版】
「日本の医療関連サービス」 -病院を取り巻く医療産業の状況-
編著者代表: 井上貴裕
(東京医科歯科大学医学部附属病院特任教授/病院長補佐)

 

●初級テキスト第7巻【第2版】 - 患者と医療サービス
医療経営士初級テキスト第7巻【第2版】
「患者と医療サービス」 -患者視点の医療とは-
編著者代表: 深津博
(愛知医科大学特任教授/医療情報部長)

 

●初級テキスト第8巻【第2版】 - 生命倫理/医療倫理
「医療倫理と生命倫理」 -医療人としての基礎知識-
編著者代表: 箕岡真子
(東京大学大学院医学系研究科医療倫理学分野 客員研究員、箕岡医院内科医師)

 

タイトルだけを見ると、確かにいずれも、医療機関を経営していく上では、必要な知識といえそうです。

 

医療経営士という認定資格そのものが始まって、今年で6年目ですが、テキストは数年に1回、改訂されているようです。3級(初級)の場合、第2版と第3版がありますが、現在、Web上から購入できるものは、最新版となっています。書店でも購入はできるようです。

 

医療経営士 3級(初級)第1巻のテキストには何が書かれているか

 

第1巻のタイトルは「医療経営史−医療の起原から巨大病院の出現まで」という、いわば医療界全体の歴史です。

 

ここには、日本の医療だけではなく、有史以前の、エジプトやギリシャでの医療に始まり、有史後のローマの古代医学、それを発展させた西洋医学、中国を中心に始まった東洋医学などについての解説があります。

 

テキストによると、現在の「病院」の始まりは寺院や神殿であり、医師の元祖は神官だった、となっています。医の神様を祀り、相談に訪れる市民に対して創傷の手当てをし、薬を与え、休む場を提供する、という形態だったようです。

 

現在のような病院が世界各地に広がった背景には、「キリスト教の発展」もあったようです。

 

その後、17世紀ごろから、西洋を中心に医学は急速に発展します。現在のような「病院が医学教育の場、研究の場となる」という形態をとるようになったのは、17世紀終わりから18世紀にかけてです。最初はオランダでした。

 

19世紀になって、フランス革命が終わると、今度はフランスを中心に、医学(病院)が急速に発展します。その背景には、X線や細菌の発見、抗生物質の発見、麻酔薬の発見と発展などにより、現在の外科学は、急速に発展します。

 

日本に西洋医学が入ってきたのは、19世紀の終わりごろです。最初の病院は、長崎に建てられました。しかし、それより以前、鎌倉時代にはすでに、鎌倉のある寺院の中に、病院らしきものが併設されていたようです(詳しい資料は残っていないようですが)。

 

19世紀の終わりごろ、日本に入ってきた西洋医学は、多くの近代的な病院の建設につながっていきます。世界と日本の違いは、「日本は、戦後から急に数を増やした“私立の病院”が圧倒的に多い」ことにあるようです。日本に私立病院が初めてできたのは、やはり19世紀の終わりごろ(明治時代)ですが、その後、日本は戦争の時代に入り、特に第二次世界大戦後は、多くの病院が破壊・閉鎖されました。終戦後の日本の病床数は、全国併せて3万床あまりだったそうです。

 

日本では戦後まもなく(1948年、昭和23年)、医師法と医療法が制定されました。ここから先は、日本の医療は様々な形に変化していきます。

 

第1巻には、これらの流れが、年代を追って書かれています。

 

医療経営史で学ぶこと

【医療経営士】3級のテキストより 医療経営史

 

医療の分野は、他の産業とは違う発展の仕方をしてきた部分があります。しかし、宗教(キリスト教)の世界への広がりに合わせて病院が増えていったこと、フランス革命などによりその後急速に発展したことなどを考えると、他の産業とも似た部分もあることに気づくと思います。

 

私自身がこのテキストを読んで、なるほどと思ったのは、「日本は私立の病院がとても多い」ということです。

 

日本は現在、少子高齢化により、医療費の高騰や介護保険料の高騰など、医療経済的にも大きな問題を抱えています。国民皆保険となって、日本国民が平等に医療を享受できる体制は素晴らしいとは思いますが、日本における医療の発展をみると、その兆しは戦後まもなくの頃からあったのかもしれません。

 

特に、日本が高度経済成長を遂げたあたりでは、すでに「高齢化」が問題視されていました。それに対し、日本の制度は後追いになっていることも、日本の医療の流れをみると、理解できるように思います。

 

「医療経営史」で学ぶことが、今後の医療機関の経営にどこまで必要となるのかは分かりませんが、今後も「医療経営士」のテキストを、紐解いていきたいと思います。

 

 

参考資料

 

一般社団法人 日本医療経営実践協会
医療経営士とは
http://www.jmmpa.jp/about/

 

医療経営士初級テキスト1 [第2版] 医療経営史―医療の起原から巨大病院の出現まで−
2013年7月10日 第2版第1刷発行 編者:酒井シヅ 株式会社日本医療企画発行

 

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紅 花子

正看護師歴10年、IT技術者歴10年という少し変わった経歴をもつ。現在はフリーライターとして、保健医療福祉分野におけるライティング業を生業としている。この分野であれば、ニュース記事の執筆・疾患啓発・取材・書籍執筆・コンテンツ企画など、とりあえずは何でも受ける。東京都在住の40代、2児の母でもある。好きなマンガは「ブラック・ジャック」。

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