【医療経営士】3級のテキストより 日本の医療政策と地域医療システム

第3回:【医療経営士】3級のテキストより 日本の医療政策と地域医療システム

【医療経営士】3級のテキストより 日本の医療政策と地域医療システム

■ 記事作成日 2016/7/27 ■ 最終更新日 2016/7/27


筆者プロフィール

名前:紅 花子(べに はなこ) 
性別:女
PR:正看護師歴10年、IT技術者歴10年という少し変わった経歴をもつ。現在はフリーライターとして、保健医療福祉分野におけるライティング業を生業としている。この分野であれば、ニュース記事の執筆・疾患啓発・取材・書籍執筆・コンテンツ企画など、とりあえずは何でも受ける。東京都在住の40代、2児の母でもある。好きなマンガは「ブラック・ジャック」。

医療経営士3級のテキストより 日本の医療政策と地域医療システム

【医療経営士】3級のテキストより 日本の医療政策と地域医療システム

 

元看護師のフリーライター、紅花子です。前回から、【医療経営士】という資格についてお伝えしている当コラム。第3回目の今回は、医療経営士3級用のテキストの2冊目、「日本の医療政策と地域医療システム」です。

 

第2巻の目次を見ると…

 

さて、第2巻の内容を少しずつ見ていきます。まずは目次からです。第2巻は、第5章まで分かれており、それぞれ次のように書かれています。

 

  • 第1章:医療関係法規の全体像
  • 第2章:医療法
  • 第3章:医療従事者に関する法規
  • 第4章:医療保険制度に関する法規
  • 第5章:広義の医療関係法規

 

第2巻のタイトルは「日本の医療政策と地域医療システム」なのですが、章立ての中に地域医療システムに関係しそうなものが見当たらないように見えます。しかしよく見ると、介護保険法などの文字がありますので、その辺りに地域医療との関連性が記されているのかもしれません。

 

そもそも「法」とは何を示すのか

 

日本には、とても多くの「決まり事」があります。それは「法」と呼ばれるものだけではなく、政令や省令、条例、規則など、さまざまな目的で定められたものです。少し整理してみると、次のようなイメージでしょうか。

 

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図1 法律や省令などの関係

 

このうち、一般的に「法」と呼ばれるものは、法律に該当します。医療に関する法律は、とても多いですよね。医療の根本的な部分を決めた「医療法」や、医師の資格について定めた「医師法」だけではありません。医師(医療者)として医療機関で働くためには、かなり多くの「法」と関係することになります。

 

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図2 医療従事者が働くための法律の関係

 

また、医療機関と患者さんとの関係にも、複数の法律が関係してきます。

 

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図3 医療機関と患者さんとの間にある法律など

 

医師として医療機関の中で働いている分には、ここまで多くの法律の内容を知らなくても良いのかと思いますが、もし、医療機関の経営者となる場合はどうでしょうか。

 

医療機関の経営者になる可能性としては、例えば勤務先である病院の「院長」になるケースがあります。あるいは、自分で開業するケースもあるでしょう。そのような場合は、日常の中に常に「法律」がついて回ることになるのではないでしょうか。

 

地域医療には欠かせない?介護保険法

 

介護保険は、2000年にスタートした制度ですが、医療制度とともにかなり複雑な仕組みになっています。

 

例えば、医療の場合、医療サービスを提供するところは、病院も診療所も「医療機関」ですが、介護サービスの場合、居宅と施設でのサービスに分かれ、さらに施設もいくつかの種類があります。

 

医療機関であれば、利用するのはすべて「患者さん」ですが、介護の場合、それぞれの施設を利用できる人の、要介護度も違います。さらに、医療費は全国一律で「1点=10円」で、報酬に換算していきます。

 

しかし介護保険のうち「居宅サービス」の場合、「点」ではなく「単位」ということばを使っています。これは、全国一律の計算方法ではなく、地域によって「1単位=10〜11.4円」という差を設けているためだそうです。

 

この辺は、「医療」と「介護(福祉)」の考え方の違いかもしれません。しかし、現在のように「地域全体で支える」という考え方の元では、医療と介護の境目はさらに不明瞭になるかもしれません。良くいえば「シームレス」になるのですが。

 

犯罪に結びついてしまう可能性もある「医療」の世界

 

医療の世界はちょっとしたことで犯罪と関係してしまうことがあります。医療者側から患者さんの側に対して罪を犯してしまうことは、あってはならないことではありますが、逆はどうでしょうか。

 

患者さんによる犯罪行為は、もしかすると日常茶飯事なのかもしれません。今回注目している、医療経営士3級用のテキストの第2巻「日本の医療政策と地域医療システム」の中には、患者さんによる医療者への犯罪行為についても記述があります。

 

患者側のモラルの欠如として、数年前から「モンスターペイシェント」という言葉が一般的になっていますが、医療機関で働いていると、こういった患者さんに出会うことも珍しくなくなった気がします。例えば、次のような行為は、実は刑法に触れるものです。

 

  • 不退去罪(刑法 第130条):患者さんが「納得するまで帰らない」と、病院内に居座ること
  • 傷害罪(刑法 第204条):患者さんが、医師の診察内容等に納得がいかず、殴ったりモノを投げつけて、医療者にケガを負わせること
  • 暴行罪(刑法 第208条):医療者に対し、ものを投げつける、殴りかかる、耳元で大声を出すなど
  • 脅迫罪(刑法 第222条):診療内容やケアの内容に納得がいかず、患者さんが医療者に対して「夜道に気を付けろ」などと脅すこと
  • 威力業務妨害罪(刑法 第234条):大声を出して、医療者や他の患者さんを退散させるなど

 

こういった患者さんは、どこの病院やクリニックにも、1人くらいはいるかもしれません。しかし、こういった行為に対し、いちいち、犯罪だ!と騒ぐことも少ないですよね(本当に身の危険がある場合を除く)。

 

また、かかった医療費を、支払わずに逃げてしまう患者さんもいます。これは、民法に触れる行為ですので、あまりに悪質であれば法的手段を講じることもあるでしょう。これらは、患者さんの一方的な主張が元となっていることが多いようですが、医療には100%は無いのだということを、患者さんにも知って頂きたいものです。

 

今回は、医療経営士3級用のテキストの第2巻、「日本の医療政策と地域医療システム」の内容を垣間見てみました。日常的に、医療者として働いている分には、それほど気にしていないことだとは思いますが、自分が「医療者として働く」ためには、これだけ多くの決まり事と関わっているのだということを、少しだけ知っておくことも、医療者としては必要なのではないでしょうか。

 

 

参考資料

 

一般社団法人 日本医療経営実践協会
医療経営士とは
http://www.jmmpa.jp/about/

 

医療経営士初級テキスト1 [第2版] 医療経営史―医療の起原から巨大病院の出現まで−
2013年7月10日 第2版第1刷発行 編者:酒井シヅ 株式会社日本医療企画発行

 

この記事をかいた人


紅 花子

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