「医工連携」は医師の将来を変える可能性を持つ=連載コラム「医工連携時代」

医工連携という言葉の意味

■ 記事作成日 2017/5/31 ■ 最終更新日 2017/6/6

 

元看護師のフリーライター、紅花子です。今回から新しいコーナーとして「医療×(IT+ものづくり)」をスタートさせます。ここ数年、話題に上がることが多い「医工連携」の現状や、その言葉の意味を紐解いていきたいと思います。

 

医工連携のきっかけは「日本医療研究開発機構の発足」

引用:日本医療研究開発機構ウェブサイトより

 

ここ数年「医工連携」がクローズアップされていますよね。そのきっかけとなったのはやはり、2015年4月の「日本医療研究開発機構の発足」ではないでしょうか。

 

日本医療研究開発機構は、通称AMEDとよばれていますが、その目的は「医療に関する基礎研究の成果を生かし、治療や製品などの早期実用化を目指す」というものです。それまでは、医療や研究、実用化それぞれを所管する、厚生労働省、文部科学省、経済産業省が別々に関連予算をもち、「○○の研究成果(所管:文科省)により開発された△△という医療機器(所管:厚労省)を製品化(所管:経産省)」という過程で、それぞれを所管する省庁とのつながりを持つという、長い道のりでした。

 

しかしAMEDが発足したことにより、それぞれの省庁がもつ関連予算を一本化し、研究の推進、製品化に向けた開発支援、およびこれらの事業化を支援する、ということになっています。AMEDでは、国が定める「医療分野研究開発推進計画」に基づき、医薬品の創出や、がん・再生医療・難病などを含む9の分野に対する、研究支援・事業化支援を推進しています。

 

これらはそれぞれ、医療に関する見識や研究が重要ではあるのですが、それをカタチにするためには、日本の工学技術も重要なウェイトを占めています。つまり、医療者や医学研究者の「思い」による研究成果をカタチに(商品化)するためには、それを作り出す「工業分野の技術力」が必要なのです。そこで、医療と工学の連携をあらわすために「医工連携」という言葉が使われるようになったようです。

 

医工連携の今と昔

 

日本国内でメディアなどを通じ、「医工連携」という言葉が一般にも拡大したのは、AMEDが発足する少し前、2014年頃からでしょうか。もちろんそれ以前にも「医工連携」という言葉は使われてはいました。一例を挙げると、2003年頃には産業技術総合研究所(産総研)には「産総研医工連携検討チーム」が存在していたようです。

 

しかし、医療と工学の連携は今に始まったことではありません。例えば、医師であれば一度は手にするであろう、手術で使用する金属性の器械。今現在使用されている手術用の医療機器たちの中には、200年以上前に開発されたけれど「まだまだ現役」のものがたくさんあります。

 

非常に分かりやすいところでいえば、ペアンとコッヘル。これらは両方とも、1800年代後半に欧州で活躍した外科医の名前が付けられています。この2人の外科医は一時期、師弟関係にありましたが、最初はメーカーが作成したX型の鉗子をDr.ペアンが改良し、さらに進化させたのがDr.コッヘルだと言われています。

 

この様に、医師が診療や治療を行う上で「こんなものが有ったら良いな」という思いをカタチにすること=医工連携は、有史以前からありました。ところが、18世紀から19世紀の「産業革命」以降、金属の加工技術が進化し、より繊細な形状の金属製品の大量生産が可能になりました。ちょうどこの頃、ヨーロッパを中心に、外科学が大きく発展しましたが「それまでには無い発想で医療機器を作ることができる技術」が次々と開発され、それらの技術を応用した「医師の思い」が具現化した結果かもしれません。

 

新しい医療機器を開発するまでには、数年以上かかる

 

医療機器の中には「○○式」などのように、日本人の名前を冠したものもあります。これらを考案した医師の名前が付けられているのですが、医師が最初に「こんなものが欲しい」と考えてから、製品として販売できるようになるまでには、数年以上の年月がかかります。ここでは、医療機器メーカーを仲介として、新しい鉗子を開発することを考えてみましょう。

 

まず、医師が「こんなの欲しい」と思い立ち、医療機器メーカーの担当者に依頼します。メーカーは社内で検討し、それを作るための技術は何か、世の中に似た様なニーズがあるかを検討します。開発費はどれくらいか、マーケットはあるのか等も調査し、開発することが決まれば、金属加工を行う企業に依頼します。そこでは、医師の依頼を元に設計図を起こし、いくつかのプロトタイプを作りますが、希望通りでなければ何度も作り直しをします。ここに少なくとも数年の年月がかかります。

 

今度はそれを世の中に「製品」として販売していく(実用化していく)ために、医療機器としての販売許可を取得しなくてはなりません。そのためには、医師が実際に使用し、患者さんにとって安全かどうかを確認しますが、ここにも数年の年月がかかります。様々な厳しい条件をクリアして、晴れて「医療機器」として販売していく許可を得ることができるのです。

 

現在の閃きは、数年の後の医療界を変えるかもしれない

 

日本にも、世界の医学界に名を遺す著明な医師はたくさんいますし、実際に日本人医師の名前を冠した医療機器はたくさんあります。その医療機器を開発したきっかけは何だったのか、医工連携のスタートはどのようなタイミングだったのか。それぞれの医療機器には、開発に至る歴史と、開発に携わったたくさんの人の思いがあります。

 

今、誰かが思いついた新しいアイデアは、数年後、数十年後の医療界を、変えるかもしれません。このコラムでは、そんな「医工連携」に関する情報をお伝えしていきたいと思います。

 

参考資料

 

C.J.S.トンプソン(著), 川端富裕手(訳). 手術器械の歴史. 東京: 時空出版; 2011.

 

ユルゲン・トールヴァルド(著), 小川道雄(訳). 外科医の世紀 近代医学のあけぼの. 東京: へるす出版; 2007.

 

経済産業省における医工連携による 医療機器の事業化促進の取組みについて

http://www.med-device.jp/pdf/state/event/20140410/1_meti.pdf

 

この記事をかいた人


紅 花子

正看護師歴10年、IT技術者歴10年という少し変わった経歴をもつ。現在はフリーライターとして、保健医療福祉分野におけるライティング業を生業としている。この分野であれば、ニュース記事の執筆・疾患啓発・取材・書籍執筆・コンテンツ企画など、とりあえずは何でも受ける。東京都在住の40代、2児の母でもある。好きなマンガは「ブラック・ジャック」。

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