医師として最初の研修はどこで受ける?その2 =医師臨床研修マッチング結果より=

臨床研修先として、臨床研修病院を選ぶ人が増えている

医師として最初の研修はどこで受ける?その2 =医師臨床研修マッチング結果より=

■ 記事作成日 2015/11/16 ■ 最終更新日 2016/6/10

前回のコラムに引き続き、今回も「医師臨床研修マッチング」の結果から、医師の「就職」について考えてみたいと思います。

 

この10年、特にこの「医師臨床研修マッチング」というシステムがスタートしてからは、医師としての最初の第一歩、臨床研修を受ける医療機関として、大学病院ではなく、臨床研修病院を選択する人が増えています。

 

平成15年くらいまでは、大学病院の方が臨床研修病院のおよそ1.5倍くらいでしたが、平成17年からはこれが逆転し、臨床研修病院の方が多くなっています。平成27年では、

 

大学病院 : 臨床研修病院 = 3,703 : 4,984

 

となっていますので、臨床研修病院が大学病院のおよそ1.3倍を超えました。平成21年ころに一度、ほぼ同数となった時もありましたが、平成22年以降、この差は年々大きくなっています。


医師の「地域差」について考える

では、地域差についてはどうでしょうか。

 

医師として最初の研修はどこで受ける?その2 =医師臨床研修マッチング結果より=

図1 都道府県ごとのマッチング状況(平成27年)

 

募集定員、マッチ者数ともに、東京都がダントツです。これは、東京都内の人口、医療機関の数などによりますので、当然といえば当然な結果ですね。

 

厚生労働省では、大都市部があるのは東京、神奈川、愛知、京都、大阪、福岡の6都府県としていますが、やはりこの6都府県のマッチ割合は、全国平均を大きく超えています。

 

それ以外の都道府県でもっともマッチ率が高いのは、奈良県です。奈良県は、京都府・大阪府とも隣接していることも関係しているのかもしれません。

 

次にマッチ率が高いのは、神奈川県・千葉県です。東京都のお隣、という背景もあるのでしょう。そのまま関東に目を向けると、茨城県・栃木県は比較的マッチ率が高いのですが、群馬県と埼玉県は全国平均以下。特に群馬県は、前述の6都府県を除く全国平均よりも、低いマッチ率となっています。

 

その他の都道府県で比較的マッチ率が高いのが、沖縄県、兵庫県、和歌山県、長野県、北海道でしょうか。これらの都道府県は、そもそもの募集人員も、前述の6都府県よりもかなり少なくはなっているようですが、それでも全国平均のマッチ率を大きく超えていますので、それなりに魅力的なプログラムがあったのかもしれません。

 

いずれは「大学の医局」に籍を置くことが大多数?

さて、臨床研修期間終了後は、「臨床研修を受けた病院に就職する医師」もいるかもしれませんが、大多数はどこかの「大学の医局」に籍を置くことになります。医局に入局し、提携している全国の病院を数年間かけてローテーションすることで、医師としてのウデを磨いていくのです。

 

そこで大事なのが「どこの医局に入局するか」という点です。

 

臨床研修を大学病院で受けた人は、そのままその大学の中に籍を置くことが多いかもしれません。そういう意味では、大学病院での臨床研修を希望する人が、多くなるのも納得できます。

 

では、地方の臨床研修病院で臨床研修を受けた医師は、どうなるのでしょうか。

スタートが「地方の臨床研修病院」でも、大学の「医局」の力は大きい

医師としての第一歩を地方の臨床研修病院で受けることになったとしても、日本の医療制度を支えている「医局」の力はとても大きいもののようです。

 

仮に、とある地方都市の「臨床研修病院」で臨床研修を受けることになったとします。しかしそこには、「外科はA大学」「整形外科はB大学」「循環器内科はC大学」というように、各医局にはそれぞれの大学との強いつながりがあります。

 

また同じ「外科」でも、医師数がそれなりに多く、第一外科、第二外科などと分かれているような場合には、2つ以上の大学から医師が派遣されてきていることがよくあります。

 

こういった状況の中で臨床研修を受けるということは、「いずれはウチの医局に来てね(ハート)」といったラブコールを受けることも多々あります。

 

医師の方だって、優秀な若い医師が欲しいですし、将来的に一緒に働く可能性があるなら、性格が良いとか、素直に上の指示を聞けるとか、そういったところでも「良い人材」を求めているのは確かです。単に、「糸結びが上手い」とか、「的確な投薬指示が出せる」という、「医師のウデ」だけではないのです。

 

臨床研修が終盤に近付くと、病院側の医師(大学から派遣されてきている医師)も、何だかソワソワしてきます。優秀な人材はどこの医局でも欲しいわけですから、ごく静かに水面下で、争奪戦があったりもします。

 

臨床研修医からみたら「自分のウデをあげることができる」とか「この医師に“付いて行きます!”と思える」とか、自分の将来がかかった選択をするわけですから、「非常に為になる研修ができた医師が籍を置く医局」を選択したくなるのは、当然のことです。

 

このサイトでも「好かれる医師・嫌われる医師」という別コラムがありますが、少なくても「嫌われる医師」が多いところには、若い医師も集まりにくいと考えても良いのではないでしょうか。

 

多くの場合、臨床研修を受ける医師は、24歳〜27歳前後。一般社会でいえば遅い社会人スタートではありますが、この先医師として、それまでの人生のおよそ2倍近くを過ごすことになるわけですから、最初の一歩は非常に大きなものではないでしょうか。

 

この最初の一歩をどこで踏み出すのか、そしてその後の人生設計をどう考えていくのか、この臨床研修期間は、人生を変えるくらい、大きなものになるのかもしれません。

 

 

参考

 

厚生労働省 平成27年度の医師臨床研修マッチング結果をお知らせします
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10803000-Iseikyoku-Ijika/0000101968.pdf

 

同上 平成 27 年度 研修医マッチングの結果
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10803000-Iseikyoku-Ijika/0000062062_1.pdf

 

この記事を書いた人


野村龍一(医師紹介会社研究所 所長)

某医療人材紹介会社にて、10年以上コンサルタントとして従事。これまで700名を超える医師の転職をエスコートしてきた。担当フィールドは医療現場から企業、医薬品開発、在宅ドクターなど多岐にわたる。現在は医療経営専門の大学院に通いながら、医師紹介支援会社に関する評論、経営コンサルタントとして活動中。40代・東京出身・目下の悩みは息子の進路。

医師キャリア研究のプロが先生のお悩み・質問にお答えします


医師として最初の研修はどこで受ける?その2 =医師臨床研修マッチング結果より=


医師として最初の研修はどこで受ける?その2 =医師臨床研修マッチング結果より=


医師として最初の研修はどこで受ける?その2 =医師臨床研修マッチング結果より=


【お願い】この記事があなた様のお役に立ちましたら是非「いいね」「ツイート」をお願い致します。
 

【2017年11月常勤転職版 =初心者向け登録推奨3社=】 当研究所が成績優秀コンサルタントを先生のご担当へとブッキングします

医師として最初の研修はどこで受ける?その2 =医師臨床研修マッチング結果より=

数ある医師転職支援会社への登録に迷ったら・・・まずはこの3社だけまとめて登録すれば失敗の確率はグンと下がります常勤転職、非常勤アルバイト転職の2パターンでそれぞれの初心者にオススメ登録先(有力企業のみを厳選、且つ、成績優秀コンサルを担当につけるよう当方がアレンジできる企業)をパッケージングしてみました(2017年度最新データに基いて分析)。

 

医師紹介会社研究所所長・野村龍一

下記の推薦企業は、当研究所所長が先方企業を直接訪問した上で「誠実で親身に医師に寄り添う姿勢」「強引な転職などを誘因しない姿勢」「医療機関から高い信頼を得ている証左」を確認済みの紹介会社です。各企業上層部には、「当会社研究所サイト経由で登録した医師」に対し、「通常登録の方よりも手厚いサポート」「社内でも特に優秀なコンサルタントを担当につけていただくこと」をお約束頂いています
登録無料、すぐ転職しなくても情報収集目的のみで『お試し登録可能』、匿名転職サポート可能、ヘッドハント有り、6000ヶ所以上の医療機関や大学との取引あり、医局の退職事例多数、コンサルタントレベル高し

医師として最初の研修はどこで受ける?その2 =医師臨床研修マッチング結果より=

医師会員21万人を誇るソニーグループ運営の医師ポータルサイト「m3.com」グループ会社。一般人材紹介企業と異なり、医師に特化した上でこの事業規模の大きさを誇るため、好条件の求人情報の収集力がずば抜けている印象がある。当然、所属医師コンサルやエージェントの数も多く、個別の医師に対して「相性のあったパートナー」が探しやすいと言える。年収2500万以上、週4日で年収2200万といった高額条件の案件を多数保有しつつ、個別医師のライフスタイルや家族都合などを考慮した勤務条件を引き出す力にも非常に長けており、自ら医療機関と交渉して好条件求人を創り出すことが可能な企業。

医師として最初の研修はどこで受ける?その2 =医師臨床研修マッチング結果より=  医師として最初の研修はどこで受ける?その2 =医師臨床研修マッチング結果より=

対医療機関交渉力 高条件求人情報収集力 専門人材紹介業総合力
医師転職サイト比較ランキング調査 医師転職サイト比較ランキング調査 医師転職サイト比較ランキング調査

登録無料、匿名転職サポート可能、産業医に強み

新興勢力の医師紹介会社の中では最も勢いのある企業です。東京の常勤転職に非常に強みを持っており、同エリアで常勤転職希望に該当する医師は是非とも1度相談をする価値があるでしょう。また、年収1800万円以上の高収入求人や、産業医にも力を入れていることが調査でわかっております。組織規模はまだまだこれからといったところですが、実力派の個性あるコンサルタントが揃っているところから、属人的能力の強い医師紹介会社の1つです。

医師として最初の研修はどこで受ける?その2 =医師臨床研修マッチング結果より=  医師として最初の研修はどこで受ける?その2 =医師臨床研修マッチング結果より=

対医療機関交渉力 高条件求人情報収集力 専門人材紹介業総合力
医師転職サイト比較ランキング調査 医師転職サイト比較ランキング調査 医師転職サイト比較ランキング調査

業界トップレベルの圧倒的な求人数と非公開求人の充実が売り

医師として最初の研修はどこで受ける?その2 =医師臨床研修マッチング結果より=

医師転職ドットコムを運営する株式会社メディウェルは、医師紹介業界のリーディングカンパニー1角を占めている著名企業です。医師転職ドットコムの最も大きな売りは、他社を凌駕する圧倒的な求人情報数といえます。求人カバレッジエリアも日本全国に及んでおり、非常勤/スポット求人を求める医師のどのようなニーズにも一定以上の回答を用意することができる、数少ない企業の1つといえます。医師紹介会社にまよったら、まずとりあえずは同社に登録をしておくことが、好条件求人を見過ごさないためのポイントとなるでしょう。

医師として最初の研修はどこで受ける?その2 =医師臨床研修マッチング結果より=  医師として最初の研修はどこで受ける?その2 =医師臨床研修マッチング結果より=

対医療機関交渉力 高条件求人情報収集力 専門人材紹介業総合力
医師転職サイト比較ランキング調査 医師転職サイト比較ランキング調査 医師転職サイト比較ランキング調査

常勤オーダーメイド求人とアフターフォローに強み

医師として最初の研修はどこで受ける?その2 =医師臨床研修マッチング結果より=

2011年創業にも関わらず、一気に事業展開を加速させて業界を驚かせている新興企業の1社です。大手医師紹介会社のベテランコンサルタントが集結して立ち上がった企業であり、特徴としては常勤転職へのオーダーメイド求人クリエイト、転職後のアフターフォローの徹底等があげられます。新興企業ですが、担当となるスタッフはベテランが多いため、初めて転職をする医師でも安心して業務を委託できるのが心強いです。

医師として最初の研修はどこで受ける?その2 =医師臨床研修マッチング結果より=  医師として最初の研修はどこで受ける?その2 =医師臨床研修マッチング結果より=

対医療機関交渉力 高条件求人情報収集力 専門人材紹介業総合力
医師転職サイト比較ランキング調査 医師転職サイト比較ランキング調査 医師転職サイト比較ランキング調査

登録無料、情報収集目的のみでお試し登録可能、業歴10年

医師として最初の研修はどこで受ける?その2 =医師臨床研修マッチング結果より=

業界歴10年、全国10拠点展開の老舗企業メディカルステージでは、賞味期限の維持管理を徹底された保有求人数6000件以上を誇示する、常勤転職の「Dr.転職なび」に加えて、医師のニーズやご意向を中心に求人を組み立てて創りだすオーダーメイド型の求人サイト「AgentxMedicalStage」等を新たに展開。実際の業務量がわかる求人票の作成へのこだわりや、コンサルタント全員が医療経営士資格取得者として、能力担保を対外的に明示した転職サポーティング体制を打ち出している、高評価の医師転職支援会社です。

医師として最初の研修はどこで受ける?その2 =医師臨床研修マッチング結果より=  医師として最初の研修はどこで受ける?その2 =医師臨床研修マッチング結果より=

対医療機関交渉力 高条件求人情報収集力 専門人材紹介業総合力
医師転職サイト比較ランキング調査 医師転職サイト比較ランキング調査 医師転職サイト比較ランキング調査


尚、上記トップ3は常勤転職支援のみを考慮したランキングですので、アルバイト求人/非常勤求人に関するトップランキングは下記リンクからご参照下さい。

医師として最初の研修はどこで受ける?その2 =医師臨床研修マッチング結果より=

また、おすすめできる会社がある一方、おすすめできない会社があるのも当然です。当サイトが医師転職にあたって、あまり登録をおすすめできないC評価の医師求人転職支援会社はこちらから見ることができますので、是非、一緒に参考にしてみてください。

医師として最初の研修はどこで受ける?その2 =医師臨床研修マッチング結果より=


医師として最初の研修はどこで受ける?その2 =医師臨床研修マッチング結果より=

医師紹介会社への登録を考えているけれど、企業レビューや各ランキングだけでは不明な点がある、不安がある、登録の方法や特定の医師紹介会社の本当の姿(しつこい勧誘がされないか、騙されやしないか、誠実かどうか、具体的にどの担当コンサルがおすすめか)等を登録前にこっそり知りたい、このように個人的に当研究所所長の野村に相談をしたい方は、遠慮無くメールをしてください。

登録前相談用アドレス: ryuichinomura777@gmail.com


常に客観的な立場から、貴方の事情に合わせたご回答をさせていただきます。

※原則、24-48時間程度でお返事します。お気軽にどうぞ
※どのような内容でも問題ありません。是非、匿名で安心してご連絡下さい。

医師として最初の研修はどこで受ける?その2 =医師臨床研修マッチング結果より=|医師紹介会社研究所関連ページ

黒字経営の医療機関を見抜く方法
医療機関の財務状況を見抜く方法はあるのでしょうか?今回は就業先の経営状況を、勤務医が喝破するための手法について論じます。
マスコミの病院ランキングはアテになるか?
医師が転職先を考える際に、就労条件が良いことは勿論だが、専門資格が学べる、最新医療技術が取得できるなどの視点も欠かせない。昨今マスコミが病院をランク付けすることが多いが、医師にとってもそのランキングは転職時の参考になるのだろうか、検証してみます。
医師として最初の研修はどこで受ける?その1 =医師臨床研修マッチング結果より=
医師臨床研修マッチングとは、平成16年度に“医師の臨床研修が義務化”されたことに合わせ、導入されたシステムです。医学生など、これから臨床研修を受けようとする者(以下、参加者)と、臨床研修を受け入れる病院側(以下、病院側)が公表している研修プログラムとを、お互いの希望を踏まえた上で、一定の規則(アルゴリズム)に則って組み合わせを決定するシステムです。

個別レビュー高成績TOP3

お勧めコンテンツ

かなり得する医師転職TIPS


Site Top 常勤転職の推奨3社 非常勤・スポットの推奨3社 About Us Contact Us Dr.くめがわの転職体験談