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医師ヘッドハンティングの現場

常勤医師の転職とヘッドハンティング

■ 記事作成日 2015/9/28 ■ 最終更新日 2017/12/6

 

ヘッドハンティングとは、外部から経営職・管理職・専門職などに従事する優秀な人材をスカウトし、自組織の人材として引き込む事を指します。このヘッドハンティング、実は医師の転職でも頻繁に行われている採用方法です。

 

一口に医師向けの転職エージェントといっても、「A:自薦による“登録応募型”サービス」と、「B:他薦による“ヘッドハンティング型”サービス」に大別され、それぞれのタイプに特化している企業もあれば、両タイプを提供している企業もあります。

 

ただ、転職を経験している多くの医師は、「A:自薦による“登録応募型”サービス」を利用するケースが圧倒的に多く、「B:他薦による“ヘッドハンティング型”サービス」の利用者は圧倒的に少ないため、その実態を把握できず、噂話に終始するドクターが大多数なのです。

 

なぜ利用者が少ないのか?…ヘッドハンティングは非常にコストのかかる採用方法のため、エグゼクティブに値する人材にしかなかなか適用されません。また、他薦によるアクションに基づくため、ドクターの意とは関係のない所に機会が生まれます。さらにその交渉事は、秘密裏に水面下で行われるのが常ですから、なかなか情報が表に出て来ないという訳なのです。

 

しかし、多くのドクターはこう言います。
「よく分からないけれど、ヘッドハンティングには興味がある…」

 

そこで、医師転職に関するヘッドハンティング事情について、紐解いていく事にしました。


ヘッドハンティングの仕組みと採用フロー

常勤医師の転職とヘッドハンティング

 

ヘッドハンティングによる採用の特徴

 

「A:自薦による“登録応募型”サービス」と「B:他薦による“ヘッドハンティング型”サービス」には、自薦他薦の別の他に、大きく異なる点が三つあります。

 

一つ目の特徴は…

転職エージェントにとって、完全な成功報酬型サービスではないという仕組みです。登録応募型サービスの場合、Webで広く間口を広げてドクターの登録を待ち、ドクターの入職が決まって初めて、医療機関から成功報酬を受けます。

 

しかしヘッドハンティング型の場合、医療機関に適合する人材をリサーチしたり、ターゲットに見定めた医師にアプローチする段階から一定の報酬が発生します。つまり、「より多くの採用コストをかけてでも、よい人材を採用したい」という意志のある医療機関が利用するサービスなのです。

 

二つ目の特徴は…

組織的に熟慮された、中長期的な人事マネジメントに基づく採用アクションであるという背景です。医療機関にとって要職となるポストに就くドクターを選任する訳ですから、慎重に慎重を重ねてマッチングを図る必要があります。

 

よって、多くの転職サービスサイトで掲げられているような、「最短〇日で転職可能です!」…というような急募案件はありません。医療機関側の環境やビジョンや条件と、ドクター側のキャリアやスキルやビジョンや条件を符合させ、双方にとって最適なタイミングで入職を実現させる、長い目による人事マネジメントが組まれるサービスなのです。

 

三つ目の特徴は…
登録応募型サービスでよく見かけるような、定型的な求人票が存在しない事です。ヘッドハンティングによる求人は、委細な条件などはほぼ設定されていません。双方の希望やイメージを擦りあわせていく事で決定します。ですから、条件検索でヒットするような求人票を、予め確認のうえ手続きを進める訳ではなく、すべてがオーダーメイドによって構築されていくのです。よって、コンサルタントとドクターの事前面談も、医療機関との面接や面会も、登録応募型のサービスに比べて、頻回に行われ、幾重にも話し合いの場が設けられるようです。

 

これら三つの特徴から言えるのは、ヘッドハンティングによって採用される人材は、簡単に代替のいないスペシャリティであり、医療機関側の真剣度も重要度も非常に高い採用ケースという事です。

 

つまり、そのような案件を扱えるコンサルタントは、登録応募型サービスのそれより優秀なビジネスマンである事が多いと言えます。ヘッドハンティングは、優秀な人材が策を練り、時間とお金をかけて稼働をする、一大プロジェクトであるという訳です。

 

ヘッドハンティング型採用の流れ

 

“アプローチ”
それは、ある日突然、何の前触れも無く訪れます。ヘッドハンター=コンサルタントから、ドクターにアプローチがあるのです。多くのケースでは“手紙”や“メール”によるものですが、勤務先医療機関内で“声を掛けられる”というパターンもあるようです。

 

“面談”
ドクターがそのコンタクトにリアクションを起こして連絡を入れれば、コンサルタントとの面談が設定されます。この時、なぜドクターに声をかけたか、どのような医療機関がドクターを求めているか、ドクターの転職意向の程度はどんなものか、などについて会話がされるでしょう。この面談は何度か繰り返され、具体的な医療機関名や条件案などを提示されるのは、複数回目の面談である事が多いようです。

 

“面接”
医療機関との面接も、複数回実施されます。最初に採用担当者や事務局長などに会い、次いで現場の上長や同僚となる医師などとも面通しをし、最終的には病院長や理事長などにも会う事になるでしょう。最低でも2回程度、多ければ10回程度もの面接機会を設ける事もあるようです。

 

“条件設定および仮契約”
コンサルタントは、面接と並行して条件折衝を進めています。入職が決まったら、最終的な契約に向けて、仕事内容やポスト、報酬や福利厚生やその他勤務条件などについて細かな情報を詰め、成文化のうえ仮契約を交します。なぜ仮契約かと言うと、この段階で、ドクターの退職は成立していないからです。よって、入職時期の定めがない入職意向確認書類といった性格のものになります。

 

“退職手続きおよびサポート”
転職先と仮契約を結んだ段階で、ヘッドハンティングを受けたドクターは、現職の退職手続きを踏み始めます。しかし、退職意志を示したからと言って、直ぐには退職できないケースが殆どです。ヘッドハンティングを受けるような医師は、現職の医療機関にとってもエース級の貴重な人材ですから、辞めてもらっては困るという訳です。引継ぎや次の人材確保に時間がかかるほか、ありとあらゆる引き留め工作を受ける事もあり、最低でも数か月、最長では数年かかるケースもあるようです。そんな時コンサルタントは、ドクターと転職先医療機関の双方の事情を汲みながら、ドクターが円満退職ができるアドバイスなどを行い、転職先への状況説明を行います。

 

“本契約”
ドクターの退職が決まり、入職日が決定した段階で、ドクターと医療機関の雇用契約を本契約として結びます。この時、勤務条件に関する最終確認を、濃やかかつ丁寧に行ってくれます。雇用契約書に記載されない、福利厚生や退職金制度などについても、しっかりと説明を受ける事ができるでしょう。

 

“入職”
ドクターの入職日あるいはその前後には、多くのケースでコンサルタントが転職先に出向き、ドクター・転職先医療機関・コンサルタントの三者で挨拶などを行う機会が設けられます。

 

“入職後サポート”
ドクターが入職後も、一定期間はコンサルタントのサポートが入ります。必要に応じて面談も設けられ、契約通りの勤務条件が履行されているかどうか?何か悩みや問題はないか?…など、転職に付随する公私に渡る様々なサポートを行ってくれます。これと同時にコンサルタントは、同種のサポートを転職先医療機関に向けても行っています。

 

“サポート期間終了”
予め定められた、一カ月なり三か月なりのサポート期間を終え、ドクターがしっかりと転職先に馴染めている事を確認した段階で、コンサルタントのヘッドハンティング採用業務は終了します。

 

こうして見ると、登録応募型とヘッドハンティング型のサービスは、最初の“アプローチ”という段階以外は、殆ど同じ転職フローを辿る事がわかります。ただ、一つ一つの段階のサポートが、非常に分厚い事が特徴だと言えるでしょう。ヘッドハンティング型の採用は、それほどまでに十二分なサポートをしなければ成立しない、特別な人材のための、特別な採用方式なのです。

 

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常勤医師の転職とヘッドハンティング


好条件でヘッドハンティングされる医師の実態

常勤医師の転職とヘッドハンティング

 

ヘッドハンティング採用において、このコラムをご覧のドクターが一番気になるのは…

 

「ヘッドハンティングされるドクターは、どんな人材なのか?」
「ヘッドハンターは、どうやって対象ドクターを探すのか?」

 

…という、二つの疑問に尽きると思われます。ドクターのヘッドハンティング採用は、決して表だって出来ない秘密裏な交渉事です。普段なかなか表に出てこない情報である、転職を考えるドクターの素朴な疑問に、スポットを当ててみる事にしましょう。

 

ヘッドハンターが狙いを定める医師の特徴

 

医師ヘッドハンティングを行うコンサルタントは、言うなれば、お見合いの仲人のようなもので、ヘッドハンティング型サービスを提供する転職エージェントは、言うなれば結婚紹介所のようなものです。従って、「このドクターの人間性が素晴らしいので推薦します。」…という風な主観的情報によって動くことはありません。第三者が主観領域のマッチングを図るのは不可能だからです。よって、必ずや客観的情報を分析のうえで遂行するのです。つまり、初期段階のアプローチ時に重要視されるのは、ドクターの“外形評価”となります。

 

“社会的所属にブランド力があるドクター”

ヘッドハンターが第一に照準を定めるのは、往々にして医局に属しているドクターです。そして次に、市中の医療法人…大病院に勤務するドクターです。外形評価に最も重要な幹となる、“医局ブランド”や“病院ブランド”を満たすためです。

 

“勤務先病院のランクが高いドクター”

ドクターならご承知の通り、医局人事で派遣される市中の病院には、暗黙の医療市場価値ランキングが存在しています。「あの病院のあの診療科なら出世コースだ」とか、「あの病院への異動が出たから、近い昇進は難しそうだ」…などという会話は、ドクターの日常茶飯事のはず。ヘッドハンターは当然そのランキングを委細に承知しており、よりランクの高い医療機関や診療科に勤める医師をターゲットにしようとします。

 

“臨床の最前線にいるドクター”

ヘッドハンティング採用により、優秀な人材を求めている医療機関の多くは比較的大規模な医療法人です。基礎研究分野での実績よりも、臨床の実績を重視し、今まさに、臨床の最前線にいる旬なドクターを要望する傾向にあります。

 

“40代~50代前半のドクター”

医師として一人前というのは当たり前、今まさに脂が乗っている旬のドクターであり、キャリアやスキルに充分な外形評価ができる人材である事が求められます。そして、転職後に充分に能力を発揮しながら一定期間働いてもらう必要があるため、自動的に、40代~50代前半のドクターがメインターゲット層になります。また、この年齢層で第一線で働く医師ならば、ある程度のマネジメント経験も積んでいると考えられ、外部から入職しても年齢的階層による軋轢(部下が年下だと統制しにくいなど)も生まれにくいため、組織の要職に就くのに相応しいドクターであると判断しやすいのです。

 

…ここまでが、初期のコンタクト段階において、ヘッドハンティングのターゲットにされ易い人材の特徴です。先ずはドクター自身がこれらの“外形評価”に適わなければ、ある日突然ヘッドハンターからアプローチを受ける可能性は低いでしょう。

 

“医療機関のニーズやシーズに合致するドクター”

外形評価の基準を突破し、ヘッドハンターがコンタクトをとってドクターがリアクションをした場合の面談において、初めてドクターの転職に関する意向がヒアリングされます。たとえば急性期医療の最前線で働く人材を求めている医療機関に、ゆとりある働き方を求めるドクターはマッチしません。

 

最先端先進医療に取り組みたいドクターに、地方の一般病院はマッチしません。顕かにマッチングしないドクターを特定の医療機関と引き合わせる意味はありませんから、どんなに外形評価の高いドクターでも、初回のコンサルタント面談にてそれ以上の進展を見せないケースもあります。医療機関のニーズやシーズに合ってはじめて、具体的な橋渡しが始まるのです。

 

ただ、特定の医療機関のニーズやシーズに合わなくとも、外形評価の高いドクターが、ヘッドハンティング市場で高い価値を持つ事は明快です。したがってコンサルタントは、そんなドクターを優良人材としてストックしておくでしょう。そして、そう遠くない将来に、別の案件を持って再びアプローチするケースも少なくないようです。

 

ヘッドハンターが特定のドクターを探し当てる方法

 

あくまで内密に行われるヘッドハンティング採用は、見ず知らずのコンサルタントから突然アプローチを受ける事から始まります。

 

そんな時ドクターは、「私の事は、どうやってお知りになったのですか?」…というもっともな質問をコンサルタントに投げるようですが、特別な方法で人材選定をする事はほぼありません。多くのケースでは、外形評価に適う医療機関に勤めているドクターのポストや年齢を調査し、学会名簿掲載氏名・医療機関内の掲示氏名・医療機関Webサイト掲載氏名などの公的情報をソースにしています。

 

付き合いのあるドクターを情報源としてヒアリングをしたり、病院に潜入して働きぶりを見たり、学会催事に参加して評判を量るような、ドラマ仕立ての偵察や工作を行う事は、まず有り得ません。なぜなら、このような調査はあくまで“主観的情報”になってしまうからです。ヘッドハンティング型サービスの萌芽期である数十年前には、このような方法による探偵紛いの調査も実際にあったと言いますが、この方法では転職成功率の低いサービスしか提供できなかったようです。

 

どんなに優秀なコンサルタントでも、主観的領域に関わるマッチングを完璧にこなすのは不可能です。最終的には、ドクター本人と転職先医療機関の相性が物を云うため、あくまで客観的情報に基づくマッチングを進めた方が合理的なのです。それは、恋愛や結婚の引き合わせや決断を、第三者が行うのが不可能であるのと同じ事です。

 

よって、もしもドクターがヘッドハンティングを受けるような事があっても、その情報源を不審に思ったり、気味悪く感じる必要はありません。ヘッドハンターは通常、いわば“表に出ている情報”を元にアプローチをしているのです。

 

一部の医師ヘッドハンターが利用するデータベース

 

医師ヘッドハンティングを行うコンサルタントは、誰もが大手医師紹介会社に勤めている訳ではありません。優秀な個にしか務まらない業務なだけに、大手エージェントで経験を積んだ後に独立起業した個人事業者や会社経営者も非常に多いのが特徴です。

 

最大手クラスの転職エージェントのコンサルタントには、実は正社員は殆どいません。その多くは契約社員です。彼らに年功序列は無く、実績を上げなければ高給は得られませんが、実績次第では高い歩合給を得る事ができます。歩合給を得られる優秀な人材は、それ以上に高い収入を得ようとした時、企業にマージンをとられる自身の収入の仕組みをバカらしく感じます。そして、独立開業を目指すという訳です。

 

実際、最大手クラスの転職エージェントは、契約社員として一定期間働いてもらい、その枠を凌駕した人材は退職して独立すべきだという考えを持っています。それは、一定の売上条件を満たした人材には、たった数年の勤務であっても数百万円もの退職金が支払われる事からも証明されます。そうして社内の血液循環を活発にしながら、巣立った人材は次のステージのパートナーにしようという目論見なのです。

 

独立開業したコンサルタントは、月々決まった料金を支払う事で、古巣の転職エージェントの人材データベースを、いつでもWeb上で確認する事ができます。そのデータベースは、登録応募型のサービスや、ヘッドハンティングのコンタクトによって蓄積されたものです。

 

もしもドクターが、大手の医師紹介会社や転職サービスに登録した実績があるならば、そのデータベースを検索された事によって、ヘッドハンティングを受ける事があります(例:エムスリーキャリアエージェントのプレミアムサーチサービスなど)。


転職活動途中で評価を下げる医師

常勤医師の転職とヘッドハンティング

 

先に述べた通り、ヘッドハンターからアプローチを受けたドクターは、客観的情報に基づく“外形評価”が充分だと認められた人材です。しかしながら、そんなハイスペックな人材でも、コンサルタントとの面談や医療機関との面接などの転職活動において、“ヘッドハンティング採用に向かない”…と、評価を下げる事もあります。それは、どんなパターンのどんな人材なのでしょうか?

 

“秘密保持ができない医師”

ヘッドハンティングは、あくまで水面下で内密に行われる採用方法です。実際に雇用契約が結ばれるまで、ドクター側も医療機関側も、表向きは何もないように振る舞う必要があります。これは常識中の常識ですし、コンサルタントもドクターに釘を刺す重要事項なのですが…事の重大さに気づかないドクターが、悪気なく公にしてしまう事が稀にあります。

 

「実は、A病院からヘッドハンティングを受けているので、退職したいのですが」…と、医局長などに言ってしまうドクターもいるのです。医局と市中の病院は、複雑な関係で成り立っています。病院と病院も、地域包括医療システムや学会などで必ず繋がりがあります。もしも特定の医療機関が自組織の人材を引き抜こうとしていると知られると、大問題になる事は免れません。

 

秘密保持ができない人材は、それ以上転職活動を続ける事はできません。医療機関が採用を見送る前に、コンサルタントからゲームオーバーを告げられる事でしょう。

 

“報酬ばかりに執着する医師”

転職するドクターにとって、その雇用条件は非常に重要です。中でもその報酬額は、転職を決めるか否かの最重要項目かもしれません。しかし、高給を得る事ばかりに気を取られ、どのように働きたいか、どのように生きたいかといった本質を置き去りにしてしまうドクターもいます。そんな人材は、もっと大きな報酬を出す病院があれば、直ぐに鞍替えをする要注意人材と見なされ、ヘッドハンティング採用には向かないと判断されてしまいます。

 

“一般社会人としての常識がない医師”

ドクター方には信じ難いかもしれませんが、医師には一般社会人としての常識に欠ける方が一定数います。面会や面接時間に遅れる、そんな場合でも連絡しない、面接にTシャツやサンダルで出向く、面接の際にコンサルタントとの事前打ち合わせ内容を無視する、転職候補の医療機関にコンサルタントを介さずに連絡を入れる…etc.どんなに外形評価が高くても、医療スキルやキャリアが十二分でも、常識に欠ける人材は、ヘッドハンティング採用には向きません。

 

コンサルタントがその人材の優位性を保障できず、高い採用コストを払わせるに値しないと見なすからです。ヘッドハンティング採用に適した人材は、「孤高の天才」や「奇才」や「鬼才」と呼ばれるドクターよりも、むしろ「常識的な秀才」なのです。

 

ヘッドハンティングのオファーが来た段階で、そのドクターが、高い外形評価ができる優秀な人材である事は間違いありません。しかし、非常に高い採用コストを要するヘッドハンティング採用を、失敗に終わらせる訳にはいきません。よって、採用活動の途中で失敗の芽を摘み、不安材料を完全に払拭するのがコンサルタントの役割なのです。

 

ヘッドハンティング採用では、特定の条件下で優秀な医者ではなく、常識的な条件下ならば必ず優秀でいられる医者の方が、望まれているのです。


ドクターがヘッドハントで転職を決めて良いケースとは?

常勤医師の転職とヘッドハンティング

 

ヘッドハンティングのアプローチは、何の前触れもなく突然やってきます。登録応募型のサービス利用時と異なり、ドクター自身に転職の意思が固まっているわけでも、準備が出来ている訳でもありません。それ故、その急流に流され、よく分からないままに転職を決めてしまうドクターも珍しくありません。しかしそれでも転職が成功すれば良いのですが、それにより失敗を招くケースだけは避けたいものです。

 

もしもドクターがヘッドハンティングを受けたなら…
どのような医療機関・コンサルタントからのオファーであれば話を進めていいものなのか?…そのチェックポイントを考えてみましょう。

 

 

“採用ビジョンが明快な医療機関”

ヘッドハンティング型サービスを利用する医療機関の多くは、中長期的な経営計画がしっかりしている医療法人です。ですから、ドクターにアプローチした理由や、ドクターに従事して欲しいポジションなどを、予め明快に描いている場合が圧倒多数なのですが…時折、医療機関そのものの経営指針が曖昧だったり、指針はあってもそれを実現するプランが皆無であるなど、驚くような実態が浮き彫りになる事があります。

 

そのような医療機関は、入職してからの働き方がイメージできませんし、もしも経営不振に陥ったり、何らかのトラブルが発生した場合、ヘッドハンティングにて要職に就けたドクターに責任転嫁をされる恐れまであります。そんな所に転職する訳にはいきません。

 

たとえば新部門開設のためにドクターを採用するなら、どの程度の医療サービスを提供するかを定め、そのために必要なチーム体制を、いつまでにどのような方法で整えるかを計画し、ドクターに期待する役割はどの部分なのかを、しっかりと説明できる所でなければなりません。

 

“事務局がしっかりしている医療機関”

ドクターは医業のプロフェッショナルですから、どうしても医療現場の有り様について注視し、事務局の有り様をスルーしてしまう傾向にあります。しかし、転職を橋渡し、入職後にサポートしてくれるのはあくまで事務局のスタッフです。事務局機能がしっかりしている医療機関では、大きなトラブルは起こりにくいと言えるでしょう。

 

事務局体制の是非は、コンサルタントがその折衝の中で理解している筈です。ですから、「この転職候補先の事務局体制は、充分に信頼のおけるものですか?」…と、尋ねてみて下さい。コンサルタントが間髪入れずに太鼓判を押した所は、信頼をして良い医療機関だと考えられます。しかし、言葉を濁したり、回りくどい説明をするような先は、その医療機関への入職も、そのコンサルタントとの付き合いも、即座に辞めておいた方が良さそうです。

 

“質問や要望に真摯に対応する医療機関”

雇用条件や勤務環境などについて、あるいは退職時期と関わる入職時期について、ドクターが質問や要望を投げかけた時に、スピーディーかつ手厚い回答が得られる所は信用に値します。毎度毎度と回答に長い時間を要したり、不十分な答えしか返って来ないような先は、最初から縁を結ばない方が良さそうです。

 

“細かい雇用条件まで充分に詰めてくれる医療機関”

雇用契約書に記載される内容は、勤務先医療機関での労働条件の全てではありません。実際は「入職しないと分からない事」「就業規則を見るまで分からない事」が多いのですが、細かい雇用条件について言及すると、折衝を面倒がったり、訝しげに思う医療機関も少なくありません。

 

そのような先には、決して入職をしない事です。細かい雇用条件の確認や交渉は、転職(採用)を成功させるために双方に必要な事です。それをおざなりにする医療機関は、時代錯誤の階層主義である可能性が高いと思われます。

 

“上長や組織が、ドクターの良識に合う医療機関”

転職条件は申し分なくても、実際に共に働く上長などに、ドクター自身が好感を持てるかどうか?…というのも入職の是非に関わる大切な問題です。たとえばドクターの良識に合わない物云い(ex.品が無い・馴れ馴れしい・怒鳴るetc.)をする上司がいてはストレスになるでしょうし、風通しが悪い上下関係を嫌うドクターは、旧来的な組織に馴染めないでしょう。

 

“ドクターの判断や退職を急かさない医療機関”

元来中長期的な人事マネジメントの下に行われ、突然一方的にやってくるヘッドハンティングでの転職は、ドクターの決断や退職に時間を要して然るべきです。その時間を確保しようとせず、急かすようなコンサルタントや医療機関は、信用してはなりません。

 

このように、突然やってくるヘッドハンティングに対応するならば、担当コンサルタントと医療機関の実際の行動を見定める事によって、その是非図るしかありません。大切なポイントは、あくまで“行動”です。ドクターの転職が良いものになるよう、ヘッドハンティングを受けた際のチェックポイントを、しっかりと頭に入れておいて欲しいものです。


ヘッドハンティングで成功を得るためには……?

常勤医師の転職とヘッドハンティング

 

ヘッドハンティング型の採用ケースでは、私、野村龍一が、医師転職コンサルタントの立場から、口を酸っぱくして言っている事…良い転職は、転職エージェント選択時に決まっている…が、通用しません

 

それは突然やって来ますし、ドクター自らの意思で、コンサルタントや求人を選ぶ自由性もないからです。よってヘッドハンティングを受けたドクターは、転職活動の過程において、コンサルタントと転職候補先医療機関を吟味しなければなりません。

 

そのためには、予めヘッドハンティングの仕組みを知り、各々のポイントで必要なチェックを自ら実行する他はないのです。

 

元来ヘッドハンティングは、ドクターとその家族にとってよりよい人生を拓く大きなチャンスです。予め提示される報酬額も高めで、登録応募型の求人よりも、ずっと良い条件が期待できます。

 

もしもドクターにヘッドハンティングというチャンスが訪れたなら…どんなオファーでも無視はせず、必ず一度話は話を聞いてみる事をお勧めします。そしてその上で、受け入れるかどうかを静かに、そしてゆっくりと判断すれば良いのですから。

 

ただ悠然ととヘッドハントされる機会を待つのも一興ですが、エムスリーキャリアエージェントのように、無料登録することでヘッドハント対象者のデータベースにリストインしてもらえる医師紹介会社も出てきていますので、ヘッドハントサービスを持ち、尚且つ、信頼できる紹介会社に限定してまずは登録をしておくことも大事な戦術となってくるでしょう。

 

この記事を書いた人


野村龍一(医師紹介会社研究所 所長)

某医療人材紹介会社にて、10年以上コンサルタントとして従事。これまで700名を超える医師の転職をエスコートしてきた。担当フィールドは医療現場から企業、医薬品開発、在宅ドクターなど多岐にわたる。現在は医療経営専門の大学院に通いながら、医師紹介支援会社に関する評論、経営コンサルタントとして活動中。40代・東京出身・目下の悩みは息子の進路。

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