【雑誌】「サンデー毎日」医療不信時代の処方箋 健診&検診 ホントのところ

サンデー毎日2016年11月13日号より

 

2016年11月13日号の「サンデー毎日」では「医療不信時代の処方箋 健診&検診 ホントのところ」というテーマで記事が掲載されていました。以下は記事内容の要約ですので、記事を見落とした方などはチェックしてみてください。

 

※画像は「サンデー毎日」ウェブサイトより http://mainichibooks.com/sundaymainichi/backnumber/2017/05/21/


Overview

今回の「サンデー毎日」では「検診は必要か、不要か。その有効性を問う論調を最近よく目にするが、一律に断じるのは早計だ。病気の種類、本人の体や年齢、ひいては経済状況に関わってくる」として、一般的な健康診断(健診)も含め、自分に必要な検査を見極められる指針を専門家に取材している。

 

雑誌媒体ターゲット層がサラリーマン層であるだけに、自分にも当てはまる…と考える読者は決して少なくないはずです。健康診断でオプションをつけようか?でも高いし、果たしてどこまで有効なのか…確かな情報もなく、考え込んでしまうことも。この特集が、そうした健診や検診にまつわる大きなヒントになるかもしれない。

「対策型」と「任意型」とで、考えられるメリット・デメリットは異なる

行政が住民のために行う「対策型」検診

 

誌面ではまず、「本当は怖い!健康診断&人間ドック」(主婦の友社)などの著書のあるおおたけ消化器内科クリニック(東京都港区)院長の大竹真一郎医師の説明からはじまっている。

 

一般的に検診は、行政が住民のために行う「対策型」と、自ら費用を払って受けられる「任意型」の二つに分けられる。自治体が呼びかけるような集団検診は「対策型」。対策型は税金を利用して行う以上、費用と効果のバランスが大事、と話す。

 

「胃を診るなら医者の立場から内視鏡が一番精度が高いと言えますが、対策型検診としては長らくバリウムを飲むX線検診のみでした。しかし、対策型の一番の目的は、集団から病気の人を拾い上げて病状が悪化するのを防ぎ、最終的に全体の医療費削減につなげるということ。精度にこだわるより、どこかで折り合いをつけることが求められる」。

 

自ら費用を払って受ける「任意型」検診

 

一方で任意型はプライベートな検診とも言える。例えば大腸がんの対策型検診として行われる「便潜血検査」は自己負担額が少ない。しかし、どうしてもがんが心配だから、内視鏡検査を受けたい、と、病気の見落としを防ぐことを優先する人は、自費による「任意型」検診となる。

 

この場合、自ら検診施設を選ぶ必要がある。前述の大竹院長が続ける。

 

「任意型では、検診を受けるデメリットも考えなければならない。X線検査の立体版であるCT(コンピューター断層撮影)検査は、精密な画像で診断できるメリットがありますが、放射線を使うため、多少なりとも被曝してしまう。CTを撮影するほどがんになるリスクが上がるという研究データもあり、毎年受けるのが妥当かどうか、個人の判断になる」。

 

自分はこの検査を受けた方がいいか、そうでないのか…。

 

この特集では、通常よりも精密な診断ができるCTや内視鏡、超音波による検査を含め、同じ部位(臓器)でも複数ある検査法を取り上げ、比較している。また、全身のがんがチェックできるという「PET(陽電子放射断層撮影)検査」など、一般的な検診に追加して行われる検査で分かること、分からないことをまとめている。迷う時の判断材料になりそうだ。

心電図は40?50歳から、胸部レントゲンはリスクで選択

誌面では、まず「心電図」と「胸部レントゲン」について、取材を進めている。

 

心電図?男性40代、女性50代からはお勧め

 

心電図検査では心臓の位置やリズム、不整脈などが分かると言われているが、「本当に異変が分かるのか」との懐疑的な見方もあるようだ。心筋梗塞の兆候は安静時には表れないため「心電図検査は役に立たない」と指摘する専門家もいる。

 

東邦大医療センター佐倉病院(千葉県佐倉市)循環器科の東丸貴信医師によると、本人が気づかない間に心筋梗塞や狭心症を起こしている場合があり、それが発見できる可能性が心電図検査では高い。特に心筋梗塞は1ヶ月や1年、あるいは10年前の発作であっても、心電図の波形を見れば分かることが多い、のだそうだ。ある部分が壊死した状態が残っているためで、いわば心臓の「入れ墨」のようなものだと解説する。

 

「健康な人に心電図検査は不要だという考え方もありますが、年齢が上がるにつれて真に健康な人が少なくなる。循環器医としては動脈硬化が始まる年代、男性40代、女性50代からは基本の検査としてお勧めします。高血圧症や糖尿病の人、中性脂肪やコレステロール値が高い人、喫煙者など動脈硬化を進めるリスクを持つ人は必須でしょう。父親が55歳以下、あるいは母親が60歳以下で脳梗塞や心筋硬塞、狭心症で倒れていれば、リスク要因のひとつです。血管自体がもろくなるような遺伝子もあるためです」と指摘する。

 

胸部レントゲン?レントゲンかCTか、リスクで選択

 

肺結核や肺がんなどを見つける目的で行われる胸部レントゲン(胸部X線)検査は、骨などの陰に隠れた病気がわかりにくいといわれるようだ。

 

呼吸器専門家で池袋大谷クリニック(東京都豊島区)院長の大谷義夫医師が次のように解説する。

 

「胸部レントゲンは、胸部という3次元の立体構造を、2次元である1枚の胸部X線写真に反映するため、骨などの陰に隠れた病気がわかりにくい。一方で、X線を体の周りから当て、体内の様子を輪切りに撮影する「胸部CT」検査は、骨の裏に隠れている病気も見つけやすい。胸部X線検査では早期の肺がん発見率が低い、という報告もあります」

 

「だからといって、全員に胸部X線より被曝量の多い胸部CTを勧められません」。

 

一方で、胸部X線写真は医師側に「読み取る力」が要求される。確実に肺疾患を見逃さないためには、呼吸器専門医か放射線画像専門医の2人によるダブルチェックをしている検診施設を探すこと、と大谷院長は指摘する。

 

また、胸部CTにもいくつかの種類があり、「低線量CT」は1?2ミリシーベルトの被曝量で、胸部X線検査に近いレベル。「高分解CT」は5?10ミリシーベルトの被曝量で、それだけ精度が高くなり、具体的な病気が疑われる時に使われることが多い。胸部X線では心配だというときは、低線量CTを一度受けておくと、安心かもしれない。

大腸がん検診はまず便潜血検査、胃がん検診はまず血液検査

大腸がん検診?まず「便潜血」検査。陽性なら内視鏡を

 

大腸がんを確実に診断するには内視鏡検査が有効と言われるが、では便潜血検査には意味がないのだろうか?都立駒込病院(東京都文京区)大腸外科部長の高橋慶一医師は「そんなことはありません。最初の検査は便潜血が一番いい」という。

 

「まず、検診を受けないという選択はお勧めできません。検診で大腸がんが見つかる人は1%未満と頻度が低いですが、数万人の規模で考えれば、検診で数百?千人の大腸がんが見つかっています。内視鏡検査は、患者さんへの体の負担があることと、内視鏡医の手が足りないのが難点。集団からできる限り疑わしい人を見つけて、内視鏡につなげるという意味で現段階ではベストの選択です」。

 

内視鏡検査は約2リットルの下剤を飲むなど、検査前の処置で大変な上に、人によっては痛みを感じることもある。不安を感じやすい人は麻酔を使うのも一案だが、感覚がないために穿孔(腸に穴が開く)などの事故につながるリスクもある。痛みを避けるなら、どの医療機関で受けるのかも重要、だという。

 

胃がん検診?血液検査で胃がんのリスクを判定

 

「胃がんのほとんどはピロリ菌の感染によるもの。ピロリ菌がいるかいないかで、胃がん検診の意味合いが変わってくると思う」と話すのは、前出のおおたけ消化器内科クリニックの大竹院長。

 

「ピロリ菌抗体検査と、胃の粘膜の萎縮度を反映するペプシノゲン検査を合わせた「胃がんリスク層別化検査(血液検査)」を受けることで、胃がんを発症するリスク分けができます。自覚症状がなく、胃の萎縮もなく、ピロリ菌もいないなら、胃がん検診としてのバリウムや内視鏡検査は不要だと思われます。もちろん、それでも胃がんになる可能性はゼロではありませんが、検診としては十分と考えます」。

 

ピロリ菌が確認された場合は、除菌治療を受けられる。抗菌薬と胃酸の分泌を抑える薬を一種間飲み、菌が消えれば終了。胃粘膜が萎縮している場合は、菌が消えても胃がんに進行する場合があるため、定期的な内視鏡検査が必要と指摘する。

 

PET検診はメリットとデメリットをよく見極めよう

 

がん検診の一つとして知られる「PET」検診は、特殊な検査薬を注射して全身を撮影するもの。今はCT機能を併せ持つPETがほとんどで、正確にはPET/CT検査という。

 

四谷メディカルキューブ(東京都千代田区)理事長の安田聖栄医師は、PET検診が初めて国内に登場した22年前から携わってきた。PET/CT検査を「総合百貨店」に例える。

 

「多様性のがん、通常検査しないような扁桃腺や甲状腺、頭頸部、胆のう、膵臓がんも発見できる。さらにがんだけでなく、副鼻腔炎や副腎腫瘍、尿路結石など、がん以外のものもみつけられる。ただ、多様性はありますが、万能、ではありません」

 

がんの発見に得意、不得意があるという。胃がん・食道がん・大腸がんなどで内視鏡検査と比べれば、効果は劣る。さらには、被ばく量は十数ミリシーベルトと高く、費用は約10万円かかる施設がほとんどだ。ただしPET/CT検査は1センチ以上の「比較的早期」といわれる段階でのがんの発見に長けている。「絶対にがんで死にたくない」なら、PET/CT検査も選択肢のひとつになる、としている。

 

乳がん検診、肺機能性検査も…

 

誌面ではほかにも、乳がん検診や、肺機能性検査、血管年齢・けい動脈エコーなどについても掲載している。詳しくは誌面(「サンデー毎日」2016年11月13日号)を購入の上、詳細を確かめていただきたい。

 

 

サンデー毎日2016年11月13日号「医療不信時代の処方箋 健診&検診 ホントのところ」より引用および要約

 

この記事を書いた人


野村龍一(医師紹介会社研究所 所長)

某医療人材紹介会社にて、10年以上コンサルタントとして従事。これまで700名を超える医師の転職をエスコートしてきた。担当フィールドは医療現場から企業、医薬品開発、在宅ドクターなど多岐にわたる。現在は医療経営専門の大学院に通いながら、医師紹介支援会社に関する評論、経営コンサルタントとして活動中。40代・東京出身・目下の悩みは息子の進路。

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