【医療ニュースPickUp】2014年12月3日
医療にまつわる気になるニュースを当研究所独自の目線で掘り下げて記事にしている「医療ニュースPickUp】。このコーナーでは、まだ大手マスメディアが報道していない医療ニュースや、これから報道が始まるだろう時事的医療ニューストピックを、どこよりも半歩素早く取材・記事化していくコーナーです。
花粉症は年明けから対策強化 飛散量が2014年シーズンの2倍以上となる地域も
株式会社ウェザーニューズ(本社:千葉市美浜区 代表取締役社長:草開千仁、以下ウェザーニューズ)は、2014年11月27日、2015年の花粉シーズンにおける全国および各12エリアの“スギ・ヒノキ花粉飛散“傾向を発表した。
環境省では数年前より”環境省花粉推測システム(愛称:はなこさん)”を公開しているが、それよりも早い公開となった。2014年10月に日本気象協会が2015年春の花粉飛散予測(第1報)を公開しているが、さらに詳細な予測情報が含まれている。
ウェザーニューズによると、2015年のスギ・ヒノキ花粉の飛散は、2月上旬から関東や九州を中心に始まり、2月上旬~中旬には東海や近畿、3月中旬にかけて東北へ拡大。
いずれの地域でも、飛散開始からおよそ1週間程度で飛散が本格化し、3月中には広いエリアで飛散のピークを迎えるとしている。
2014年シーズンと比較すると関東~東海では非常に多くなる(関東を中心に2~3倍)と予測されることから、万全の対策が必要だとしている。
ウェザーニューズでは、スギ・ヒノキ林の活性度、2014年夏の天候、年ごとの飛散量傾向、『雄花リポート※1』を加味して予測している。
各地域での飛散予測は以下のようになっている。
<北海道:シラカバ>
・4月下旬から飛散開始、5月中旬にピークを迎え、6月中旬に少なくなる
・飛散量は2014年シーズンに対し140%程度
<東北北部:スギ>
・3月中旬から飛散開始、4月上旬から中旬がピーク
・飛散量は2014年シーズンに対し120%程度
<東北南部:スギ>
・2月中旬から3月初めに飛散開始、3月下旬と4月中旬の2回ピーク
・飛散量は2014年シーズンに対し155%程度
<関東:スギ、ヒノキ>
・スギは2月はじめから飛散開始、3月中旬がピーク
・ヒノキは3月はじめから飛散開始、4月上旬がピーク
・飛散量は2014年シーズンに対し265%程度
<北陸・甲信北部:スギ、ヒノキ>
・スギは2月下旬から飛散開始、3月はじめがピーク
・ヒノキは3月末から飛散開始、4月上旬がピーク
・飛散量は2014年シーズンに対し160%程度
<東海・甲信南部:スギ、ヒノキ>
・スギは2月はじめから飛散開始、3月中旬がピーク
・ヒノキは3月はじめから飛散開始、4月上旬がピーク
・飛散量は2014年シーズンに対し180%程度
<近畿:スギ、ヒノキ>
・スギは2月はじめから飛散開始、3月中旬がピーク
・ヒノキは3月はじめから飛散開始、4月上旬がピーク
・飛散量は2014年シーズンに対し140%程度
<山陰:スギ、ヒノキ>
・スギは2月中旬から飛散開始、3月中旬から3月下旬がピーク
・ヒノキは3月はじめから飛散開始、4月上旬から4月下旬がピーク
・飛散量は2014年シーズンに対し195%程度
<山陽、四国、瀬戸内側:スギ、ヒノキ>
・スギは2月上旬から2月中旬に飛散開始、3月中旬がピーク
・ヒノキは3月はじめから飛散開始、4月上旬がピーク
・飛散量は2014年シーズンに対し90%程度
<四国太平洋側:スギ、ヒノキ>
・スギは2月はじめから飛散開始、3月上旬から3月中旬がピーク
・ヒノキは3月はじめから飛散開始、3月終わりから4月上旬がピーク
・飛散量は2014年シーズンに対し50%程度
<九州:スギ、ヒノキ>
・スギは1月末から2月はじめに飛散開始、2月終わりから3月上旬がピーク
・ヒノキは3月はじめから飛散開始、3月下旬から4月はじめがピーク
・飛散量は2014年シーズンに対し65~75%程度
スギやヒノキには年によって飛散量の傾向(表年:飛散量が多い年、裏年:飛散量が少ない年)があり、2015年は表年にあたる。さらに2014年夏の天候や雄花の活性状況からみると、特に関東での飛散量が大幅に増えると予測されている。
日本気象協会による花粉飛散予測でも、東日本を中心に前年比200%を超える地域があると指摘されており、特に東京は前年比2倍以上と推測されている。
厚生労働省や環境省のサイトでも、例年特集ページを設けているが、2015年シーズンへの動きはまだない。しかし、花粉の飛散が始まるよりも前に何らかの予防対策が必要になるのが花粉症。
主な対策は、マスクや専用メガネの着用、花粉が付着しにくい服装、外出後の手洗いや洗顔、室内の換気と掃除などであるが、年明け頃からは患者への啓発を十分に行う必要があるだろう。
※1 雄花リポート:全国の会員からスマホアプリを通じてウェザーニューズに寄せられた、花粉の発生源となるスギやヒノキの雄花の画像やレポート
参考資料
ウェザーニューズ 第二回花粉飛散傾向を発表
花粉シーズンは2月上旬に到来する予想、花粉症対策は1月から
http://weathernews.com/ja/nc/press/2014/141127.html
環境省花粉観測システム(愛称:はなこさん)
http://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/
花粉症 環境保健マニュアル 2014
http://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/manual/full.pdf
日本気象協会 tenki.jp 2015年春の花粉飛散予測(第1報)
http://www.tenki.jp/pollen/expectation.html
厚生労働省 花粉症特集
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kafun/index.html
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