総評:ABEドクターステーション(ABE株式会社)
■ 記事作成日 2013/7/30 ■ 最終更新日 2016/6/1
現在の企業レビュー結果…「B評価」
総評:2万件以上の常勤求人数を誇る
ABE株式会社が運営するABEドクターステーションは常勤医師求人専門のサイトです。同じく同社が運営する他サイトとして、非常勤医師求人専門のサイト「ABE Dr.非常勤」、アルバイト医師求人専門サイトの「ABE Dr.スポット」が存在します。ただし、どちらのサイトもABEドクターステーションと同じドメイン内(abe-doctorstation.com)での管理サイトです。
また、医師の転職ノウハウについてまとめたサイト(当サイトのようなものですかね?)「ABEドクターナビ」も運営しています。サイトコンテンツもなかなかのものなので、私も見習わないといけないなあ…と思いつつ、やはりオールドスタイルなウェブデザインが特徴的です。
代表の阿部氏は医師家系であり、病院経営者。他の役員も医療機器関係の関係者であることから、アナログなネットワークで今まで行って来た医師紹介業をウェブで展開したようなイメージが有ります。他社と比べてサイトデザイン及び機能が洗練されていないことから、ネット上ではそれほど目立たない存在にとどまっている印象がありますね。
代表取締役以外の役員についても、錚々たる経歴を持つ方が就任しています。
●役員プロフィール
代表取締役社長 阿部康彦
昭和30年11月12日、医師の長男として生まれる。教育大学付属小・中学校、麻布学園高等学校、日本大学法学部政治経済学科卒業。労働大臣・内閣官房長官秘書を務めた後、日本医師会はじめ医療団体の推薦を得て衆議院選挙に立候補する。この間、病院のM&Aを成功させ、病院経営者として手腕を発揮。その後、ABE株式会社を創立し、代表取締役社長に就任。
取締役 黒石真史
東京大学工学部建築科卒業。一級建築士。ミシガン大学工学系大学院にて工学修士、ニューヨーク大学スターンスクールにて経営学修士(MBA)を取得し、海外プロジェクトのマネージメントに従事。CSKベンチャーキャピタル役員を経て、ウォーターベイン・パートナーズ株式会社を創立し、代表取締役パートナーに就任。東京大学先端科学技術研究センター特任教授を歴任。
監査役 谷 義正
医療機器貿易会社役員を経て、ユーロメディテック株式会社を創立し、代表取締役社長に就任。 現在、癌の放射線治療機器を中心とした欧米先進メーカー8社の日本総輸入代理店リーダーとして、大学病院や癌センター等の国内先端医療施設向けに幅広い事業を展開。
会社概要:ABE株式会社
医師紹介会社名 |
ABE株式会社(エービーイーカブシキガイシャ)) |
---|---|
サービス名 |
ABEドクターステーション |
設立 |
1998年年6月 |
代表者 |
代表取締役社長 阿部康彦 |
資本金 |
3000万円 |
年商 |
非公開 |
従業員数 |
非公開 |
コンサルタント数 |
非公開 |
所在地 |
〒108-0075 東京都新宿区西新宿新宿3丁目3番13号 水間ビル7F |
連絡先 |
0120-611-117 |
営業拠点 |
本店のみ |
厚生大臣認可 |
13-ユ-080213 |
医師会員数 |
非公開 |
商業登記簿謄本(画像クリックで拡大)
商業登記簿謄本の公開について
商業登記簿謄本は、申請すれば全ての国民が閲覧することができるものであり、インターネット上に公開することに違法性がないことを、法務局・弁護士に確認済みです。ただし代表取締役の住所につきましては、プライバシー保護の観点から、自主的に非公開としています。
全国2000病院とのコネクション
ABEドクターステーションによると、全国2000以上の病院とコネクションを有しているそうです。コネクションという言葉と営業力という言葉は似て非なるものだと思いますが、あくまでこの会社自身の言い回しに習って、コネクションという言葉を使います。
病院経営や医療機器販売に関与している経営層による、トップダウンの営業スタイルから、コネクションという言葉を使用しているものと思われます。
他の医師紹介会社レビューページでも触れていますが、IT関連に強い医師紹介会社はアナログ営業を疎かにし、逆に、ITに弱い医師紹介会社はアナログ営業(コネクションですか)に強みを持っているケースが一般的に多いです。ABEドクターステーションは後者ですね。そして、私は後者のパターンがどちらかと言うと好みです。何故ならば、担当コンサルタントが顔を直接見る形で、数字や記号に出てこないような医療機関の情報に熟知しているケースが多いからです。
問題は担当コンサルが医療に精通しているかどうか
ここまでみれば、当社のトップが医療関係者であるために業界事情に精通し、わざわざ「コネクション」という言葉を自身持って使う程、アナログな医療業界人脈を活用した営業スタイルを得意としている専門性の高い医師紹介会社であるということがわかります。
ただここで忘れずに重要視したいことは、あなたの担当につくであろうコンサルタントが専門性高い能力を有しているかどうかです。いくら社長および経営層が医療専門性が高くとも、最終的に転職案件をまとめあげるのは担当コンサルタントそのものだからです。
ABEドクターステーションの会社概要を調べてみると、専門性高い阿部社長のことはある程度情報が出てくるのですが、他の医師紹介会社のように、担当コンサルタント能力を含めた社内事情などの情報がなかなか手に入りません。売上高などについても、帝国データバンクや東京商工リサーチなどに公開もされていません。
この辺りの社内情報内容が捕捉できないと、私としても簡単には医師の皆様に登録を積極推薦できない状況にあります。この点がとても残念ですね。
医師求人数(2013年11月7日調査)
常勤医師 | 非常勤医師 | アルバイト(単発) |
---|---|---|
20,400件 | 0件 | 0件 |
※キャリアコンサルタント保有求人と病医院直接応募求人を足した合計数
業績などはすべて非公開
正直、2000件もの医療機関とコネクションを有することは簡単ではありません。他の医師紹介会社にはできないアナログな営業ネットワークを活かしているため、さぞかし儲かっているのだろう?と推測していたのですが、残念ながらABE株式会社の売上/利益共に非公開のままです。
これは「儲かっていないから公開できない」とみるか「儲かり過ぎているから公開しないでおく」とみるか、随分とこの会社を評価する角度が変わってきてしまいますが、残念ながら資料入手ができない以上、結果は不明のままです。
ちなみに、同社に過去務めていたような方を散々探していますが、未だに見つかりません。どなたかご存じでしたら、是非、野村までご連絡下さいませ。
売上高(H25) | 利益高(H25) | 売上高(H24) | 利益高(H24) |
---|---|---|---|
非公開 |
非公開 |
非公開 |
非公開 |
サービスサイトへのアクセス推移
アクセス状況の全体分析
同社運営サイトへの直近アクセス推移は上記のようになっております(2014年11月12日 SimilarWebにて調査。全体のアクセスデータが不十分で調査結果がでませんでした。つまり、まとまった規模のアクセスが集まっていない医師紹介会社サイト(月間1万PV以下、1日訪問数200名以下)として認識してよいと思われます
アクセス参照元サイト
同社サイトのアクセス流入元サイトは、データ量不足のため解析ができませんでした。
アクセス検索キーワード
同社サイトへのアクセス検索キーワードはデータ量不足のため解析ができませんでした。
開業医向けの不動産物件案内なども
ちなみに開業医師向け不動産物件案内も行っており、事業範囲はわりと広範囲に及びます。恐らく代表の阿部氏が病院のM&Aや経営を行っている為、医師への人材紹介だけでなく、よりシナジーが効くサービスを複雑に絡ませながら、ビジネスを展開していると思われます。
常勤医師に10万円ボーナス(10万円還元システム)
同社に登録した上で常勤医師となった方には、10万円のボーナスが還元されるそうです。いくつかの医師紹介会社には似たようなシステムがありますが、他の医師紹介会社と一緒に登録した上で、もしも同じ求人募集を見つけることができたら、ボーナス額の多い会社を通じて登録するという手もあるでしょう。
専門性が高く、病院経営に携わる創業者
「医療専門の医師紹介会社」と「他業種参入組の医師紹介会社」という区分で考えると、ABEドクターステーションは専門性の高い前者といえるので、その点は登録に関して安心度が高まると思います。医師の方々に私が最も登録時に注意を促したいのは、専門性を持たない医師紹介会社への登録という「リスクの高い冒険」です故。
集客方法について一言
Yahoo!知恵袋にてこんなページを見つけてしまいました。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1332573333
一時期「ステマ(ステルスマーケティング)」なんてものが流行りましたが、Yahoo!知恵袋を使ったステマを請け負う業者は結構数多く存在していて、企業経営者の元にはしばしば「Yahoo!知恵袋を使って集客しませんか?SEOしませんか?」といったダイレクトメールが送られてきます。だけどこういったステマ、正直外部からはバレバレなんですよね。
ABEステーションの上記ページについても、香ばしい「ステマ臭」が残念ながらするのは気のせいでしょうか。
だって、質問が投稿されたのが「2009/11/4 19:06:59」。解決案が回答されたのが「2009/11/4 19:15:42」。たった9分弱の間に素晴らしい回答が寄せられた上に、ご丁寧にABEステーションへの露骨な勧誘リンク。これをバレバレと言わずになんというのでしょうか。
一見してあまりIT関連に精通していない医師紹介会社のようだと書きましたが、外部ステマ業者の営業に騙されてしまったのか・・・はたまた、自社内でステマ活動を行ってしまったのか…。実力ある医師紹介会社の可能性があるだけに、ちょっと残念ですね。もちろん、上記Yahoo!知恵袋ページがステマと決まったわけではありません。あくまで私共の嗅覚に基づいた憶測に過ぎませんが。
最終評価判定:現場担当コンサルの情報が必要
転職の運命を預けるのに適した会社である可能性が高いです。にも関わらず、転職コンサルティング現場の担当者(=社員)に関する情報が全く入ってこないというのがどうしても気になります。
実際に担当するコンサルタントの能力担保などが仮に出来ているような社内体制であることが情報として入手できたら、もっと高い評価をつけても良いと思いますが、現状のように情報の不透明性がみられる段階だと、多少控えめですが平均点ということで評価Bとさせていただく程度に留めておきます。
キャリアを求めて、転職を考える医師の方や初めての常勤転職を考えている医師の方は、評価AA以上他の紹介会社を優先されることをオススメいたします。もしくは「社長を担当者にして下さい」と掛けあって登録してみるのも面白いかもしれません。
【登録前にお読み下さい】
この会社の登録者の多数は、こちらの会社を同時登録することで優良求人を複数獲得する確率が大幅に向上することが当研究所の調査結果でわかっています。
何故、3社同時登録で優良求人が見つかるのか?
エムスリーキャリアエージェント |
医師転職ドットコム |
【評価B(平均点)】の医師紹介会社
医師転職支援コンサルタント・野村龍一のアドバイス
「可もなく不可もない医師紹介会社です。企業規模にかかわらず、中身は特徴の見当たらない平均点の会社ですので、特に積極的に登録をする理由はあまり見当たりません。求人情報も古かったり内容がはっきりしないケースも目立ちます」