看護師のための保健医療計画のミカタ No.21 「広島県での看護師就業事情と、看護師確保対策を知る」

広島県の看護師求人事情と、看護師確保対策を知る

■作成日 2018/2/26 ■更新日 2018/5/9

 

元看護師のライター 紅花子です。

 

各都道府県の看護師確保状況をお伝えしているこのコラム、今回はおいしい牡蠣と広島風お好み焼きが味わえる広島県の看護師就業状況と、同県の看護師確保対策についてお伝えします。

 

広島県の看護職員数の動向

 

厳島神社と原爆ドームという、2つの世界遺産を有する広島県。西日本有数の工業地域でもあり、製造品出荷額では国内10位に入ります。瀬戸内の温暖な気候で、プロ野球の広島東洋カープやJリーグのサンフィレッツェ広島ほか、バドミントン、陸上競技など日本トップレベルのスポーツチームが数多く活躍しています。

 

厚生労働省「衛生行政報告例」によると、平成22年12月末に県内で就業していた看護職員数は39,157人(保健師1,081人、助産師577人、看護師24,255人、准看護師13,244人)で、平成 20年12月末と比較すると2,028 人増加しました。

 

平成26年には、就業看護職員数は41,451人(保健師1,051人、助産師664人、看護師27,352人、准看護師12,384人)まで増加し、人口10万人当たりの就業者数で看護師は965.5人と、全国平均855.2人よりも110.3人上回っています。
ところが、平成23年2月に策定した平成23年~27年の「第七次広島県看護職員需給見通し」によると、平成 27年には常勤換算で592人が不足すると見込まれています。

 


広島県の看護師需要

 

広島県では、病院勤務の看護師が最も多く72.5%で、全国平均とほぼ同じです。診療所に勤務する看護師は、全国平均12.4%であるのに対し、13.3%とやや多くなっていますが、訪問看護ステーション勤務は3.4%(全国3.3%)、介護保険施設等は6.1%(全国6.5%)で、こうした介護福祉関連施設も、全国と似たような割合と言っていいでしょう。

 

広島県の人口は、広島市と福山市では増加傾向にあるものの、他は減少傾向にあり、県全体では平成に入ってからゆるやかに減っていく傾向にあります。平地、離島、山間部をあわせ持つ広島県は、都市部に医療と人口が集中する一方で、特に山間部にある過疎地域は高齢化が著しく、医師数も減少している状況です。

 

平成21年「無医地区等調査」では、広島県は北海道に次いで全国2番目に無医地区が多い県となり、その数は53地区に上ります。こうした地域の医療・介護の確保が喫緊の課題となっています。

 

広島県内で特に看護師のニーズが高いのは、在宅医療にかかわる分野です。県では「地域包括ケアシステム」の体制づくりを目指し、その中で重要な位置づけになっているのが在宅医療です。しかしこの分野の医療人材は不足しており、在宅医療を支える診療所や訪問看護ステーションにおける看護師の確保が、システムをつくる上で最も大きな課題と考えられています。

 

また、五疾病五事業においても、医療の専門化・高度化に対応できる高度なスキルを持つ看護師の需要はますます高まっていくことでしょう。

 

広島県では10万人当たりの看護師数では全国平均よりも多いのですが、今後の需要に対する必要人数は満たせていない状況です。看護師不足の理由として、県は以下のような問題点を挙げています。

 

  • 新人ナースの「基礎教育と現場とのギャップ」による離職が多いが、国のガイドラインに沿った新人ナースの研修体制が十分整備されていない病院がある
  • 結婚・出産後に子育てをしながら働きやすい職場環境が十分整っていない
  • 看護師資格を持ちながら就業していない潜在看護職員の把握が困難
  • 再就業希望者が医療の技術面や子育てとの両立など、多くの不安を抱えている
  • 医療の高度化やチーム医療の推進に対応できる質の高い看護師の不足

広島県の看護師確保に向けての取り組み

こうした問題点を踏まえて、広島県では、看護師の確保と定着に向けて、

 

  • 養成の充実・強化
  • 離職防止
  • 再就業促進
  • 専門医療等への対応(資質向上)

 

の4つを柱とした対策をはじめ、看護師不足の解消と質の向上に向けて、下記のような施策を行っています。

 

養成の充実・強化
  1. 看護師養成施設への運営費助成と県内への就業促進
  2. 教員の能力の向上。県立三次看護専門学校等を活用し、研修の実施、看護教員や実習指導者を養成
  3. 助産師養成。修学資金貸与、助産師養成施設へ看護師を派遣する医療機関への支援、県内大学の助産師学生の実習受入体制の整備など

 

離職防止
  1. 新人看護師の研修。「基礎教育と臨床現場とのギャップ」を解消し、資質向上を図るための研修を充実
  2. ワークライフバランスの推進。院内保育事業運営の支援、働き続けやすい職場環境づくりのため相談窓口を設置、多様な勤務形態の導入に向けた取組を支援

 

再就業支援
  1. 医療の高度化などで復職に不安を持つ元ナースに対し、実践的な研修などを行い、再就業を支援
  2. ナースセンターの機能強化。無料職業紹介事業を広く告知し、ハローワ-クと連携しながらきめ細かな相談と職業紹介を実施

 

専門医療等への対応
  1. 県内の認定看護師の養成を支援

 

また、広島県看護協会では新人から専門職まで必要に応じた研修を行うほか、看護協会が所有する文献や図書の検索サイトを設けるなど、キャリアアップを目指す看護師が学びやすい環境を整備しています。

 

さらに協会のHPでは、ネット配信バラエティ番組「ナースなひととき」という動画を配信。「看護師人材確保推進ロボット さゆりちゃん」というおネエキャラが登場し、看護師の様々な働き方を紹介しています。こうした多彩な取り組みで、看護師の質・量の充実を目指しています。

 

大都市の顔と、豊かな自然の景観の両面を合わせ持つ広島県。都市部で高度な医療に携わる看護師としてのキャリアップを目指す人、診療所や施設などで地域に密着した看護を希望する人は、希望に合う就職先が見つかりそうですね。
おいしい食べ物を食べたり、好きなスポーツチームのサポーターとして盛り上がったり、プライベートでも充実した時間を過ごせそうです。

 

 

参考資料

 

広島県保健医療計画(第6次)
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/soshiki/64/hokeniryoukeikaku-6.html

 

平成22年衛生行政報告例(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei/10/dl/h22_toukeihyoitiran.pdf

 

平成26年衛生行政報告例(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei/14/dl/toukei.pdf

 

広島県ホームページ
http://www.pref.toyama.jp/

 

広島県看護協会ホームページ
http://www.nurse-hiroshima.or.jp/

 

この記事をかいた人


紅 花子 (べに はなこ)
正看護師歴10年、IT技術者歴10年という少し変わった経歴をもつ。現在は当研究所所属ライターとして、保健医療福祉分野におけるライティング業を生業としている。この分野であれば、ニュース記事の執筆・疾患啓発・取材・書籍執筆・コンテンツ企画など、とりあえずは何でも受ける。東京都在住の40代、2児の母でもある。好きなマンガは「ブラック・ジャック」。

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