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「工」の一社完結は難しい?HUBに成り得る人材を探そう

■ 記事作成日 2017/10/20 ■ 最終更新日 2017/12/5

 

元看護師のライター、紅花子です。

 

医療とものづくり+ITを絡めたこのコラム。
6回目の今回は、「自分のアイデアをどうやって形にするか」というお話しです。

 

医療機器が出来上がるまでの「工程」を考える

 

新しいモノを作り出すときは、必ずというわけではありませんが、おおよそは以下の様な工程を経ることになります。
医工連携による製品作りについてもこれはほとんど変わりません。

 

医療機器開発ステップ

 

「製造」と「量産」の間が破線になっているのは、この間で「量産用の設計とテストを繰り返す」という過程を経る場合があるからです。

 

医療機器の場合、このうちもっとも重要なのは「テスト」かもしれません。
少なくとも正常な動作をするものなのか、人体への影響は無いのかなど、テストすべき項目は非常にたくさんあります。

 

仮に、何らかのモノができたとして、実際にテストを行う段階になると、「製造している企業」だけで済むものではありません。
医療機器には「クラス」とよばれるランクがありますが、その内容によっては試験結果のデータを取る必要がありますし、電子医療機器ならば専門のテストをクリアする必要があります。

 

仮にクラスⅠの医療機器であり電子的な構造が無いモノだったとしても、実際に医療現場で「使用感」などをテストする必要があります。
こうした長い過程が、医療機器の開発には必要なのです。

 

例えば、鋼製小物なら?

 

例えば、金属加工で製造可能な、いわゆる鋼製小物の例を考えてみます。
前回の当コラムにて「ペアン」の製造工程をお伝えしましたが、その中にも複数の企業が関係する可能性があります。

 

医療機器開発ステップ

 

この場合、実際にニーズをもった人物が「開発」をお願いするとしたら、基本的には、B社に依頼することが多くなると思います。

 

依頼を受けたB社は、利用用途や利用目的、実際の利用シーンを想定しながら、A社から必要な材料を仕入れることになります。
その際、完成品を想定しつつ、コストにも見合う、もっとも適切な材質は何かを検討していく必要があります。

 

では実際にB社が加工を行ったとして、今度はそのモノに最終工程を施す必要があります。
モノに磨きをかけ、場合によっては熱処理を行うことがありますし、鍍金等の加工を行うかもしれません。
実際に、このような「鋼製小物の最終処理」を専門に行う企業もあります。

 

最後にB社は、C社で最終処理が終わったモノを受け取り、依頼主へ販売していくことになります。
仮に、たった一つの製品を作るいわゆる特注品ならば、依頼主が医療者だったとしても、B社は直接、依頼主へ販売することが出来ます。
しかしこれが商品化され、世の中に広く販売していくならば、B社と依頼主の間には、「医療機器の販売業許可を取得した企業」を挟むことになります。

 

これが、医療機器開発の難しいところです。

 

例えば、電子医療機器なら?

 

今度は、電子医療機器について考えてみます。

 

電子医療機器の場合、関係してくる企業数は、構造が複雑になるほど増えてきます。
電子機器ですから、まず電源のコードと基盤と呼ばれる構造が必要です。
さらに、基盤上のあらゆるポイントに電気を送るためのハーネスと呼ばれるモノやスイッチ、それらをまとめ上げて収納する筐体も必要です。

 

これが体外検査装置などになると、検体を取り込む仕組みから検査する仕組み、検査結果を表示させる仕組みなど、複数の構造や機能が必要になります。
世の中には、これらの肯定を全て「1社で賄える企業」もありますが、基盤に特化して様々な形状やサイズのモノを扱う企業、筐体に特化して製造する企業など、関係する企業は多岐にわたります。

 

こうなった場合、医師が「新しい医療機器」を開発するときは、一体どこに依頼すれば良いでしょうか。
すごく、悩むところですよね。

 

HUB的な動きができる人材または企業を探そう

 

そこで必要となる人材(企業)が、「HUBのような動きが出来る企業(人材)」です。

 

医療機器開発ステップ

 

HUBのような動きが出来る企業とは、完成品を想定しながら、必要な工程をお願いできるものづくり企業をとりまとめ、必要な作業をそれぞれの企業に振り分け、全体の工程をまとめ上げる企業です。

 

場合によっては、各企業(上記イメージのA社からD社)での製造過程を、順番に行っていくかもしれませんし、それぞれの企業から必要な部品たちをあつめて、自社で組み立てや最終テストを行うこともあります。

 

あるいは、これまでに電子医療機器のOEM開発などを手掛けてきた企業であれば、A社からD社までの工程を、すべて1社で賄える場合があります。
但しこの場合、電子医療機器なら何でも製造できるわけではなく、得意とする分野、今までに経験したことが無い分野がありますから、一概に「何でもお願いできる」というわけでは無い、ということに注意が必要です。


まとめ - 医療機器開発に外部への協力要請は必須

 

ほんの小さな医療機器でも、いずれ商品化することを考えるのであれば、その開発には多くの工程が必要となります。
もしも「新しい医療機器を作りたい」と考えているのであれば、それを実現するためにはどのような工程が必要なのか、それを依頼できるのはどういった企業なのか、一考することをお勧めします。

 

 

参考資料

 

東京都健康安全研究センター 初めて医療機器・体外診断用医薬品の申請を行う方へ(製造販売業・製造業)
http://www.tokyo-eiken.go.jp/k_iryou/k-sinsa/hajimete/

 

厚生労働省 医薬品・医療機器の承認・許可制度の見直し
http://www.mhlw.go.jp/topics/2002/02/tp0204-1b4.html

 

独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 承認審査業務(申請・審査等)
https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/0001.html?print

 

この記事をかいた人


紅 花子

正看護師歴10年、IT技術者歴10年という少し変わった経歴をもつ。現在は当研究所所属ライターとして、保健医療福祉分野におけるライティング業を生業としている。この分野であれば、ニュース記事の執筆・疾患啓発・取材・書籍執筆・コンテンツ企画など、とりあえずは何でも受ける。東京都在住の40代、2児の母でもある。好きなマンガは「ブラック・ジャック」。

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