一般病院への転職、何を見てどう考える?

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一般病院への医師転職メリットとは?

日本の医療分野では、一般病院という呼び方への明確な定義はありませんが、大学病院や特定機能病院との違いを明確にするために、一般病院と呼んでいる傾向にあります。

一般病院とはどのような病院なのか、また、医師が転職するときに注目しておきたいことについて考えていきます。

一般病院の定義

改めて、一般病院とはどのような病院を指すのかを考えてみます。

病院とは、医療法において20床以上の病床を有し、医業を行うための場所と定義されています。この“病院”は、さらに5つに分類することができます。

まず、今回のテーマともなっている一般病院、そして何らかの医療機能を拡充させた特定機能病院、特定の地域内での医療全体を担う地域医療支援病院、精神病院、結核病院の5つに分類されます。

それでは特定機能病院、地域医療支援病院とはどのような病院なのでしょうか。

まずは特定機能病院について見ていきます。特定機能病院が担う重要な役割は、次のようなものです。

  • 高度の医療の提供
  • 高度の医療技術の開発及び高度の医療に関する研修を実施する能力等を備えた病院

特定機能病院は、二次医療法の改正に伴い、平成5年から全国で制度化されています。様々な承認要求を満たすことで平成28年9月現在では84病院が特定機能病院として承認を受けています。

次に、地域医療支援病院について見ていきます。これは、平成9年の第三次医療法改正に伴い創立された制度で、

  • 地域で必要な医療を確保する
  • 地域の医療機関の連携等を図る
  • かかりつけ医等を支援する医療機関

として、制度化されました。大きく6つの承認要件を満たすことで承認され、平成22年時点では316の医療機関が承認を受けています。

つまり、多々ある病院の中で、特定機能病院、地域医療支援病院を除いた病院が、一般病院と捉えられていることになります。

制度面からみた一般病院の位置づけ

では、一般病院の位置づけについて、特定機能病院及び、地域医療支援病院の承認要件から考えていきます。
まず、病床数です。それぞれの承認要件をみると、病床数に違いがあります。

  • 特定機能病院:400床以上を有すること
  • 地域医療支援病院:200床以上を有すること

つまり、これらに属さない一般病院は、200床以下である場合が多いようです。また、一般病院と病床数には診療報酬も関係しています。特に、2010年の診療報酬改定では、200床未満の病院への診療報酬が増額された部分があります。例えば、地域連携診療計画退院時指

導料や、抗悪性腫瘍剤処方管理加算などです。そのため、この頃からいわゆる一般病院では、200床未満で運営をするところが、多くなっていると推測できます。

また、人員配置を見てみると、特定機能病院と一般病院では、次のような違いがあります。

特定機能病院
  • 医師数:通常の病院の2倍以上の人員配置が必要、かつ医師の配置基準の半数以上が15種類いずれかの専門医
  • 薬剤師:入院患者数 ÷ 30(人)
  • 看護師等:入院患者数 ÷ 2(人)
  • 管理栄養士:1名以上を配置
特定機能病院以外(一般病院)
  • 薬剤師:入院患者数 ÷ 70(人)
  • 看護師等:入院患者数 ÷ 3(人)

また、特定機能病院や地域医療支援病院のように、救急患者の受け入れ設備の整備などの制約もないことから、一般病院は明確な位置付けがありません。

病院によって個性が強く出ますし、基本的には病床数が比較的少なく、じっくりと患者と向き合うことができる病院、ということになるのではないでしょうか。

一般病院のやりがいとは

一般病院は他の病院と比較してどのようなやりがいがあるのでしょうか。ここでも特定機能病院や地域医療支援病院と比較して考えていきます。

特定機能病院として指定されている病院は承認要件の1つに“査読のある雑誌に1年間で70件の英語論文の提出”があります。単純に計算すると、1か月で5~6件の論文を仕上げなくてはならず、業務内容には医学研究も含まれることになります。

また、高度医療の“研修を行うこと”も要件にありますので、患者への診療行為以外にも、1人の医師に課せられる業務が、山のようにあるということです。

一方、一般病院にはそのような指定はありません。つまり、自分がやりたい、必要だと感じたいときに、自分がやりたい医療の研究・勉強を、自らの意思で行うことができる、ということです。結果的に、診療行為以外の仕事が減ることになり、職場環境によっては、プライベートを充実させることができるかもしれません。

また、地域医療支援病院では、紹介患者の積極的な受け入れや、救急医療への対応、他医療関係者への積極的な研修の開催が承認要件とされており、日常の診療での繁忙を極めることが予測できます。

一方の一般病院では、その病院の理念やコンセプトにより、医師の業務内容が異なってはきますが、救急患者や紹介患者の積極的な受け入れを随時要求されているわけではありません。

今いる患者と真摯に向き合った医療を、展開していくことが可能です。

やりたい医療が定まっている、自分の得意分野を発展させて活躍していきたい、仕事とプライベート両方を充実させたいという医師にとって、一般病院はやりがいを感じることができる病院であると考えられるのではないでしょうか。

一般病院というと、特定機能病院や地域医療支援病院のように高度先進医療を学ぶことや、多くの症例を診療できる環境ではない場合が多いでしょう。

しかし向上心や勉強意欲があり、自分のやりたいことが明確である医師は、大いに活躍することができる環境であると考えられます。

非常に広義である一般病院ですが、転職時にはそれぞれの病院の特徴を捉え、じっくりと検討していくと良いのではないでしょうか。

※この記事は聴覚障害のある方向けに、音声化してYoutubeにアップされています。


参考資料

厚生労働省 I制度の構成および基礎統計
http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/10-2/kousei-data/PDF/22010206.pdf

厚生労働省 特定機能病院制度
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000137801.html

厚生労働省 地位医療支援病院について
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r985200000253pd-att/2r985200000253tc.pdf

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野村龍一

野村龍一

某医師紹介会社にて、10年以上コンサルタントとして従事。これまで700名を超える医師の転職をエスコートしてきた。担当フィールドは医療現場から企業、医薬品開発、在宅ドクターなど多岐にわたる。現在は医療経営専門の大学院に通いながら、医師紹介支援会社に関する評論、経営コンサルタントとして活動中。40代・東京出身・目下の悩みは息子の進路。
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