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心臓血管外科医の現状(厚労省医師数調査から)

心臓血管外科医師の年収・収入・将来性と転職条件

■ 記事作成日 2016/11/6 ■ 最終更新日 2017/12/6

心臓血管外科医の増加率は医師全体の傾向と同じ

 

厚生労働省の調査によると2014年の心臓血管外科医の人数は3,048人で、全40科中22位と、ほぼ中間に位置しています。

 

循環器内科医が11,992人、9位ですので、循環器領域でも「内高外低」の傾向は顕著です。

 

2004年の心臓血管外科医の人数は2,632人ですので、10年間での増加率は15.8%でした。

 

医師の総数は、2004年の256,668人から2014年の296,845人へと15.7%増えているので、心臓血管外科医の増え方は医師全体の傾向とほぼ同じといえます。

 

医師数 2004年 2014年 増加率
心臓血管外科医 2,632人(18位) 3,048人(22位) 15.8%
医師全体 256,668人 296,845人 15.7%

 

平均年齢は10年間で3.5歳上昇、高齢化のスピードは速い

2014年の心臓血管外科医の平均年齢は45.0歳で、医師全体の平均49.3歳より4.3歳若いです。

 

ただ、医師全体の平均年齢は2004年から2014年にかけて1.5歳しか上がっていないのに、心臓血管外科医は同期間に3.5歳も上がっています。

 

若さの順番も、2004年は3位でしたが、2014年は14位にまで急落しています。高齢化のスピードは速いといえます。

 

平均年齢 2004年(若さ順位) 2014年(若さ順位)
心臓血管外科医 41.5歳(3位) 45.0歳(14位) 3.5歳
医師全体 47.8歳 49.3歳 1.5歳

 

さて、医師数の増加より高齢化の方が顕著であるということは、「心臓血管外科分野は、新人医や研修医にとってかつては人気の診療科だったが、その人気ぶりはやや陰りが見え始めている」といえるのかもしれません。

 

独立開業する心臓血管外科医が増えているのはカテーテル治療の影響か

 

心臓血管外科といえば、長時間に及ぶ手術をイメージするでしょう。大きな手術には高額な医療機器や熟練したスタッフが欠かせません。

 

つまり、診療所ではなく、病院での治療がメーンの診療科といえます。それは数字でも示されていて、2014年の心臓血管外科の病院医は2,961人で、心臓血管外科医全体の97.1%を占めます。

 

しかし2004年の数字と比べると、ちょっとした異変に気が付きます。2004年の心臓血管外科の病院医は2,591人、98.4%だったのです。

 

つまり2014年までの10年間で、病院医の率が落ちているのです。

 

病院医:診療所医比 2004年 2014年 増減
心臓血管外科医数 2,591人(100%) 3,048人(100%) -
うち病院医数 2,591人(98.4%) 2,961人(97.1%) 1.3ポイント減
うち診療所医数 41人(1.6%) 87人(2.9%) 1.3ポイント増

 

病院医の割合が減っているということは、診療所医の割合が増えているということです。つまり、少しずつではありますが、心臓血管外科医の独立開業へのモチベーションが高まっていることが分かります。

 

そこで心臓血管外科を標榜している診療所を調べたところ、次の3パターンに分かれることが分かりました。

 

  1. 心臓のことをなんでもやる診療所…メインは循環器内科医の院長が行う血管内カテーテル治療だが、院長以外に心臓血管外科医が常駐して手術を行う
  2.  

  3. 実質は循環器内科診療所だが小規模な手術は行う…ペースメーカー埋め込み術や下肢静脈瘤レーザー治療を得意とする
  4.  

  5. ほぼ循環器内科診療所だが心臓血管外科を標榜している…診療所の治療設備に手術室はなく、勤務医時代に心臓血管外科医だった医師が開業したため標榜科に加えている

 

心臓血管外科クリニックのほとんどは、2と3のケースでした。

 

1の「カテーテル手術と心臓手術の2枚看板」のクリニックは、極めてレアケースながら存在します。これは、手術室と手術スタッフを外部の外科医に貸す病院が増えていることと無関係ではないでしょう。

 

診療所で「2枚看板」があるということは、心臓疾患を抱えている患者の安心感につながるでしょう。

 


心臓血管外科医の求人票ひろい読み

心臓血管外科医師の年収・収入・将来性と転職条件

「手術補助」レベルだと1000万円割れも

 

医師求人サイトの「リクルートドクターズキャリア」には、心臓血管外科医の求人が60件掲載されています(2016年11月時点)。求人数は他科と比べるとかなり少ない数です。

 

心臓血管外科医の年収の相場は、決して高いとはいえません。業務内容に「手術」のほかに「手術補助」を記載している病院では、1000万円割れの提示が珍しくありません。

 

地域
病院or診療所

年収 業務内容 当直 勤務/休み

長野市
病院

740万~1350万円 手術、手術補助、外来、病棟 記載なし 週休1.5日or2日

東京都大田区
病院

900万~1500万円 手術、手術補助、外来、病棟 週休2日

東京都足立区
病院

1000万~2000万円 手術、手術補助、外来、病棟 記載なし 記載なし

埼玉県川口市
病院

1200万~1600万円 手術、外来、病棟 月1~2回 週休1.5日or2日

※2000万円以上の求人票はゼロ件

 

年収は「頭打ち」がある、上限は2000万円程度か

 

また東京都足立区の病院は、1000万~2000万円と提示していて、その差額は1000万円です。

 

こういった表記は、内科医の求人票ではまれです。つまり心臓血管外科医を募集する病院は、医師の手術スキルをかなり厳格にみているといえそうです。

 

ちなみに「リクルートドクターズキャリア」で「心臓血管外科医」「2000万円以上」で検索したところ、ヒット数はゼロ件でした。

 

美容外科や美容皮膚科では「2000万~2600万円」「2000万~5000万円」といった提が珍しくありません。心臓血管外科の勤務医の年収は2000万円程度で頭打ちになるとみてよさそうです。


心臓血管外科分野の動向

心臓血管外科医師の年収・収入・将来性と転職条件

 

心臓血管外科分野の学会は「日本血管外科学会」「日本胸部外科学会」「日本心臓血管外科学会」の3つありますが、ここでは「日本血管外科学会」が公表している「血管外科手術例数アニュアルレポート」からホット情報をピックアップしてみましょう。

 

腹部大動脈瘤に対する血行再建

 

同学会のアニュアルレポートは、2011、2012、2013年の3カ年分しか公表されていません。そこで多少でも「傾向」がつかめるように2011年と2013年で比較してみましょう。

 

まずは腹部大動脈瘤に対する血行再建ですが、患者数が26.3%も増加していました。人口の高齢化とリンクしている疾患といえるでしょう。

 

興味深いことに、術死+在院死の増加率も26.3%と、コンマ1ケタまで患者数の増加率と一致していました。

 

  患者数(人) 術死+在院死(人)
2011年 13,218 786
2013年 16,694 993
増加率 20.3% 26.3%

腹部大動脈瘤に対する血行再建

 

下肢動脈血管内治療

 

慢性動脈閉塞症による下肢動脈血管内治療では、患者数の増加率が2011年→2013年で16.3%だったにもかかわらず、術死+在院死が58.8%も増加していました。

 

そこでこの項目だけ2011年と2012年の比較も行ってみました。するとやはり、患者数の19.0%増に対し、術死+在院死33.0%増と、死亡率が患者増加率を大幅に上回っていることが分かりました。

 

慢性下肢動脈閉塞症は、すっかり「高齢者の国民病」として認識されるようになったので、患者の増加には違和感がありません。

 

しかしそれを上回る死亡率の高まりは、カテーテルインターベンションの技術が年々向上していることを考える不可解な印象があります。それだけ難治症例が増えている、ということなのでしょう。

 

  患者数(人) 増加率 術死+在院死(人) 増加率
2011年 4,153   97  
2012年 4,944 2011→2012:19.0% 129 2011→2012:33.0%
2013年 4,831

2012→2013:-2.3%%

 

2011→2013:58.8%

154

2012→2013:19.4%

 

2011→2013:58.8%

慢性動脈閉塞症による下肢動脈血管内治療

 

急性動脈閉塞に対する血行再建など

 

そのほかの血管手術では、医療の進歩が裏付けられる数字がそろいました。

 

非外傷性の急性動脈閉塞に対する血行再建では、2011年→2013年の患者増加率23.4%に対し、術死+在院死の率は17.1%増でした。治療成績が格段に上がっています。

 

血行再建を行った後の人工血管感染の発生でも、患者数が5.6%増と「微増」にすぎないにもかかわらず、術死+在院死は10.6%減となっています。

 

患者数(人) 術死+在院死(人)
2011年 3,799 673
2013年 4,688 788
増加率 23.4% 17.1%

非外傷性の急性動脈閉塞に対する血行再建

 

 

患者数(人) 術死+在院死(人)
2011年 445 104
2013年 470 93
増加率 5.6% -10.6%

血行再建合併症:人工血管感染

 

下肢静脈瘤の患者が急増、背景に専用クリニックの存在?

 

下肢静脈瘤の患者数は、およそ2倍になっています。この疾患を専門に診るクリニックが増えたことと無関係ではないでしょう。治療のハードルが下がったといえるのではないでしょうか。

 

患者数(人) 術死+在院死(人)
2011年 18,864 1
2013年 35,986 1
増加率 90.8% 0.0%

下肢静脈瘤

 

参考資料:

 

●厚生労働省「診療科別にみた医師数」2014年
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/14/dl/kekka_1.pdf

 

●厚生労働省「診療科別にみた医師数」2004年
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/04/index.html

 

●リクルートドクターズキャリア
https://www.recruit-dc.co.jp/agent/jokin/list/page/2/?status=1&dept=48

 

●日本血管外科学会
http://www.jsvs.org/ja/

 

●血管外科手術例数アニュアルレポート2013
http://www.jsvs.org/ja/enquete/aggregate_2013.pdf

 

●血管外科手術例数アニュアルレポート 2012
http://www.jsvs.org/ja/enquete/aggregate_2012-2.pdf

 

●血管外科手術例数アニュアルレポート 2011
http://www.jsvs.org/ja/enquete/aggregate_2011-3.pdf

 

この記事を書いた人


野村龍一(医師紹介会社研究所 所長)

某医療人材紹介会社にて、10年以上コンサルタントとして従事。これまで700名を超える医師の転職をエスコートしてきた。担当フィールドは医療現場から企業、医薬品開発、在宅ドクターなど多岐にわたる。現在は医療経営専門の大学院に通いながら、医師紹介支援会社に関する評論、経営コンサルタントとして活動中。40代・東京出身・目下の悩みは息子の進路。

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