【TV】「シリーズ医療革命(NHK BS1)「あなたを襲う“血糖値スパイク”」

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野村龍一

野村龍一

某医師紹介会社にて、10年以上コンサルタントとして従事。これまで700名を超える医師の転職をエスコートしてきた。担当フィールドは医療現場から企業、医薬品開発、在宅ドクターなど多岐にわたる。現在は医療経営専門の大学院に通いながら、医師紹介支援会社に関する評論、経営コンサルタントとして活動中。40代・東京出身・目下の悩みは息子の進路。

NHK BS-1「シリーズ医療革命」 H29年2月12日 より

2017年2月12日放送のNHK BS1「シリーズ医療革命」では「あなたを襲う“血糖値スパイク”」をテーマに放送していました。以下は番組内容の要約ですので、番組を見落とした方などはチェックしてみてください。

※画像はNHK BS1「シリーズ医療革命」ウェブサイトより https://www.nhk.or.jp/docudocu/program/3604/2345020/

血糖値スパイクとは

血糖値スパイクとは食後高血糖のこと。

日本人に広がっている血糖値スパイクは、どんな人に起きているのか。そこで血糖値スパイクを大調査。参加者は健康診断で空腹時の血糖値が正常と言われている働き盛りの社員。調査では食事を摂った1時間後の血糖値を調べる。正常であれば血糖値は緩やかに変化する。

ところが血糖値スパイクになると、まるで尖った針のように急上昇を繰り返す。
食後血糖値が140㎎/dl以上であれば、血糖値スパイクが起きていると判定される。

今回の調査では65人中20人に血糖値スパイクが見られた。

そこで50代の男性に24時間血糖値の変化を測定できる最新の測定器をつけてもらうことで、知らぬ間に起きている血糖値スパイクの実態が見えてきた。この男性は食後の血糖値は140を超えるものの数時間のうちに正常レベルまで戻り、血糖値の急激な変化を食後に繰り返していた。

原因

食事を摂ると、その中に含まれる糖分が腸から血液中に取り込まれる。この血液中の糖の量が血糖値。

通常血糖値が上がると、膵臓からインスリン(筋肉などの体の細胞に糖を取り込む)というホルモンが分泌され、血糖値の上昇が抑えられる。血糖値スパイクが起きる人の場合の原因は二つある。一つはインスリンの放出能力が低いため糖が細胞に十分に取り込まれず、血糖値が急上昇する。もう一つは、インスリンがきちんと出ていても細胞の糖を取り込む能力が低いため、血液中に糖があふれて血糖値が急上昇する。

血糖値スパイクが起きるのは食後数時間以内(空腹時の血糖値は正常範囲に収まっている)であるのに対して、通常の健康診断では空腹時の血糖値を調べているため、血糖値スパイクが見逃されやすい。

糖負荷検査

血糖値スパイクの発見に長年取り組んできた町(福岡県久山町(ひさやままち))では、ある特別な検査(糖負荷検査)を行っている。糖の含まれた検査用の甘い飲み物を飲み、2時間後の血糖値を測定する。40代以上の町民およそ8000人のうち、2割以上の人が血糖値スパイクを生じていた。

これを日本の人口に例えると血糖値スパイクは推定1400万人以上40歳以上の4人に1人だ。

血糖値スパイクと心動脈硬化

血糖値スパイクは放置すると恐ろしい病気を招くことが明らかになった。心不全患者の約半数に血糖値スパイクが起きていることが分かった。健康な人の心臓は太い血管がいく筋も伸びているのに対して、血糖値スパイクのある人の心臓の血管は、動脈硬化によって細くくびれている箇所がいくつもある。

動脈硬化の多発こそ血糖値スパイク特有の症状だ。

血糖値が急上昇する状態を2週間続けると、活性酸素という有害な物質があちこちで発生して、細胞の42%が死滅することが実験によって明らかになった。
これが動脈硬化を多発させる原因になる。

血糖値スパイクは糖尿病の前段階ではなく、それ自体が病気だった。

血糖値スパイクは万病の元

血糖値スパイクは心筋梗塞や脳梗塞を起こすリスクが1.9倍になることが分かっている。またアルツハイマー型認知症のリスクは1.6倍だ。鍵を握るのは、アルツハイマー型認知症の原因物質とされる脳の老廃物、アミロイドβ。膵臓は血液中の糖を減らそうと大量のインスリンを分泌する。インスリンが脳に運ばれると厄介なことになる。
通常、脳では老廃物として分泌されたアミロイドβをある酵素が分解しているが、脳に大量のインスリンが流れ込むと、酵素はアミロイドβではなくインスリンを優先的に分解してしまう。

すると残ったアミロイドβによって神経細胞が死んでしまい、アルツハイマー型認知症が促されると考えられている。さらに血糖値スパイクが起きると、細胞で大量に発生した活性酸素が、体中の遺伝子を傷つけてガンのリスクも1.5倍に高まることが分かっている。血糖値スパイクは心筋梗塞、脳梗塞、認知症、ガンとまさに万病の元だ。

血糖値スパイク危険度チェック

今回番組では、福岡県久山町の50年に渡る分析結果に基づき、血糖値スパイクの危険度の分かるチェックテストを作った。
番組HPでもテストが行える。http://www.mhk.or.jp/special/kettouchi

その危険度チェックの内容を紹介する。

質問は8つ、該当する項目の点数を加算していき、数値が大きいほど血糖値スパイクの危険度が高い。

  1. 性別(男性:4点、女性:0点)
  2. 年齢(44歳以下:0点、45~54歳:4点、55~64歳:3点、65歳以上:0点)
  3. 親、兄弟に糖尿病の人がいるか。(いる:7点、いない:0点)
  4. お腹(男性90cm以上、女性80cm以上)が出ているか。(出ている:3点、出ていない:0点)
  5. BMI(22.9以下:0点、23~25.9:3点、26.0以上:7点)
  6. 高血圧があるか。(ある:7点、ない:0点)
  7. 喫煙(1日10本以上:5点、1日1~9本:2点、吸わない:0点)
  8. 週3回以上、意識して運動しているか。(している:-5点、していない:0点)

合計得点が9点以下はリスクが低い。

10~19点はリスクは中程度、要注意。生活改善を意識すること。
20点以上はリスクが高い。是非一度医療機関等で血糖値を詳しく調べることを勧める。

筋肉量と血糖値スパイク

血糖値スパイクとは無縁に思えるある女性たちに糖負荷検査を行うと、20代の痩せ型女性の24%に血糖値スパイクが生じていた。
その原因は筋肉の量にあった。

筋肉の細胞は血液中の糖を大量に取り込む。

ところが過度のダイエットや運動不足で筋肉が大きく減ってしまうと、行き場を失った糖が血液中に溢れ、血糖値スパイクが起こりやすくなる。痩せている方が健康という意識があるかもしれないが、痩せすぎによって新しい病気を作り出している可能性がある。

血糖値スパイクも含めて痩せすぎを深く考え直す必要がある。

睡眠と血糖値スパイク

睡眠不足になると同じ食事でも食後の血糖値が急上昇し、血糖値スパイクのような状態になることが実験で明らかになった。眠りに入るとき、脳からメラトニンというホルモンが分泌される。

メラトニンは膵臓に働くとインスリンの分泌を増やし、筋肉に働くと血液中の糖の取り込みを助ける。ところが睡眠不足でメラトニンの分泌が減ると、インスリンの分泌が低下し、筋肉の糖の吸収も低下して血糖値が急上昇しやすくなる。規則正しく十分な睡眠は、運動や食事と同じくらい健康な体を維持するために大切。

子供と血糖値スパイク

血糖値スパイクを生じる前から平均的な血糖値(ヘモグロビンA1C)が徐々に高めになってくることが分かっている。香川県では2年前から県内すべての小学校で4年生8000人以上を対象に詳しい血液検査を行っている。

その調査の結果、4年生の男子14.5%、女子13.6%が正常範囲ギリギリの高い値であることが分かった。放置すれば数年以内に血糖値スパイクなどの異常が起きるリスクが高いと診断された。血糖値スパイクとは、現代日本の幅広い世代において見過ごせない体の異変だ。

膵臓の復活と血糖値スパイク

生活習慣で血糖値を下げればインスリン分泌は復活し、正常に戻れる可能性は高いという。血糖値の上昇を一時的に抑えるだけで、弱っていた膵臓の細胞が健康に近い状態まで復活することが実験によって明らかになった。

血糖値の急上昇を抑える食事法

血糖値の上昇を防ぐ上で大事なポイントは2つある。まず一つは食べる順番だ。

ご飯より先に野菜を食べると血糖値が上がりにくい。野菜に含まれる食物繊維が腸の表面を壁のように覆い、その後入ってきた糖の吸収を穏やかにする。またご飯より肉を先に食べると良い。

ある実験によると、肉よりご飯を先に食べた場合は食べた量の半分が腸にたどり着くまでに約30分かかった。ところが、肉をご飯より先に食べると、その時間が80分(およそ3倍近く)になった。

ご飯が腸にたどり着くまでに時間がかかると、糖の吸収にも時間がかかることになり、血糖値の急上昇が抑えられる。その原因は肉に含まれる脂質やタンパク質にある。これらが腸に送られる際、インクレチンという物質が腸から放出される。その働きで胃腸の動きが遅くなり、後からご飯を食べたときの糖の吸収が穏やかになる。

さらにインクレチンは膵臓に嬉しい効果をもたらす。インクレチンにはインスリンの分泌を高める働きがある。

インスリンの分泌が悪くなっていても、インクレチンの助けにより、血糖値の急上昇を抑えることができる。血糖値の急上昇を抑えるためには、まず食物繊維たっぷりの野菜、次に胃腸の働きを遅くしてインスリンの分泌を高める肉・魚、最後にご飯やパンなどの糖質を食べれば血糖値の上昇を効果的に防げる。

もう一つのポイントは、一日3食規則正しく食べることだ。

朝食を抜くと、昼食後の血糖値が急上昇していた。さらに朝も昼も抜くと、夕食後にもっと大きな血糖値スパイクが現れた。空腹の時間が長く続くほど、その後の食事で血糖値スパイクが起きやすくなる。血糖値スパイクを解消するには朝ごはん抜きは厳禁。

低糖質食の最新事情

低糖質食は血糖値スパイクの解消に効果があると注目されているが、完全に糖質を抜くのは厳禁。その人の血糖値や肥満の程度、健康状態などに応じて専門家が管理しながら行う低糖質食。低糖質を行う際は、医師や栄養士に相談の上、正しく無理なく取り組むこと。

もう一つ大切なのは、食事の楽しさを損なわないように無理なく糖質を抑えること。自分の好きなメニューを糖質の少ない食材を使って作るのも工夫の一つ。

血糖値スパイクを解消するお手軽運動法

血糖値スパイクを解消するには食後すぐに体を動かすのがポイント。血糖値スパイクのある人が食後動かずにいると食後の血糖値が異常に高い状態が続く。ところが食後すぐに散歩をした程度でも、食後すぐに正常程度まで下がった。

通常食後15分間は食べ物の消化吸収を良くするため、胃や腸に血液が集まる。ところがこの間に運動すると手足の筋肉に血液が奪われ、胃腸の動きが鈍くなる。
その結果、糖の吸収が遅くなり、血糖値の上昇が抑えられる。

NHK BS1「シリーズ医療革命」2017年2月12日放送 「あなたを襲う“血糖値スパイク”」より引用、要約、および台詞等一部書き起こし

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