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【医療ニュースPickUp】2015年1月28日

医療にまつわる気になるニュースを当研究所独自の目線で掘り下げて記事にしている「医療ニュースPickUp】。このコーナーでは、まだ大手マスメディアが報道していない医療ニュースや、これから報道が始まるだろう時事的医療ニューストピックを、どこよりも半歩素早く取材・記事化していくコーナーです。

厚生労働省が「女性医師のさらなる活躍を応援する懇談会」報告書を公表

【2015/1/28】厚生労働省が「女性医師のさらなる活躍を応援する懇談会」報告書を公表

 

2015年1月23日、厚生労働省は「女性医師のさらなる活躍を応援する懇談会」を開催し、その報告書を公表した。

 

報告書によると、近年は女性全般の社会進出に伴い、女性医師の割合も増加傾向にある。

 

現在の医学部生のおよそ1/3は女性であるというデータもある。しかし現役医師の割合としては、年々増加傾向にあるものの、まだ2割にも満たない。

 

その科全体に占める女性医師の割合としては、皮膚科(44.3%)、眼科(37.5%)、麻酔科(36.3%)、小児科(33.7%)、産婦人科(31.5%)の順に多い。

 

産婦人科について詳細にみると、30歳代が最も多く(68.6%)、年代が上がるごとに減少傾向となり、60歳代では16.2%、70歳代では8.7%となっている。

 

一方、女性医師の少ない順としては、整形外科(4.4%)、脳性神経外科(4.9%)、泌尿器科(5.0%)、外科(7.1%)、救急科(11.5%)と続いている。

 

外科医のうち女性医師は14人に1人程度しかいない計算になるが、最も多いのは産婦人科同様、30歳代であり、年代が上がるにつれて減少傾向となり、60歳以上では1%にも満たない。

 

女性医師の就業率から考えると、医師になってから徐々に減少傾向となり、35差前後で一度最低数となる。

 

その後就業率は回復傾向となるが、60歳を最後のピークとして一気に減少していく。

 

医師以外の一般職でみても、この傾向は非常によく似ており、就業後60歳程度まで一定の割合を維持する男性とは、大きく異なる点となる。

 

女性医師の場合、男性医師とは違い、ライフイベントとしての妊娠・出産・育児があり、この辺りは一般職とも共通する部分ではある。実際に「仕事を中断(休職)、離職した『理由』」としては、出産(70.0%)が最も多く、子育て(38.3%)という意見が多い。

 

しかし「仕事を中断(休職)した期間」をみると、6カ月~1年未満(29.0%)、1~6カ月未満(27.8%)が全体の半数以上を占めており、一般に適応される育児・介護休業法で定める「労働者は申し出ることにより、子が1歳に達するまでの間は育児休業をすることができ、一定の場合、子が1歳6カ月に達するまでの間は育児休業をすることができる」という範囲からみると、医師という職業は育児休暇が取りにくい職種であるともいえる。

 

臨床研修医にとって、子育てをしながら勤務を続ける上での必要な条件とは、職場の理解・雰囲気、短時間勤務制度、当直や時間外勤務の免除などが多かったが、いずれにしても「勤務環境の改善」は必要不可欠といえるであろう。

 

医師という、特殊性もあり、社会的にも必要とされる職業とはいえ、「医師不足という現状においても、勤務環境は工夫次第で改善すべき」という意見は、60歳代では16.2%だったが、年齢が若くなるほどこの割合は増加し、20歳代は38.2%がこうあるべきと答えている。

 

医師という職業だけをみると、その役割に男女差はない。

 

しかし女性は妊娠・出産等のライフイベントがあり、それが医師として専門性を高める世代に重なることが多く、キャリアの中断を余儀なくされることも少なくない。

 

中には、地域の医療機関と連携した取り組みを行っている大学や、勤務体系の配慮や勤務時間に対する免除などの独自の取り組みを行っている中小の医療機関もいくつかは存在する。

 

国としても「女性医師バンク事業」などの取り組みを始めてはいるが、未だ全国的に浸透しているとは言い難い。

 

少子高齢化が進む日本では今後、新たに医師を目指す絶対数が減ってくるにも拘らず、医療需要は増えていくことが予測される。

 

その時、女性医師の力は、社会全体が望むものとなるであろう。そのためにも、女性医師が働きやすい職場環境が、より充実したものへと変わっていくことが求められている。

 

参考資料

 

QLife Pro 女性医師が働き続けやすい環境整備の在り方を議論
http://www.qlifepro.com/news/20150127/published-a-report-of-meeting-to-support-the-further-success-of-female-doctor.html

 

厚生労働省 女性医師のさらなる活躍を応援する懇談会 報告書
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000071858.pdf

 

同上 産婦人科における取組
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000071886.pdf

 

同上 大学と連携した取組
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000071887.pdf

 

同上 中小病院における取組
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000071888.pdf

 

同上 「女性医師の多様な働き方を支援する」(日本医師会女性医師支援センター)
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000071899.pdf

 

同上 「女性医師活躍推進のための女性医師のキャリア・デザイン」
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000071893.pdf

 

同上 育児・介護休業法のあらまし
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/koyou/ryouritu/aramashi.html

 

この記事をかいた人


紅 花子

正看護師歴10年、IT技術者歴10年という少し変わった経歴をもつ。現在は当研究所所属ライターとして、保健医療福祉分野におけるライティング業を生業としている。この分野であれば、ニュース記事の執筆・疾患啓発・取材・書籍執筆・コンテンツ企画など、とりあえずは何でも受ける。東京都在住の40代、2児の母でもある。好きなマンガは「ブラック・ジャック」。

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