薬剤師業界にもスカウト/ヘッドハントが存在する
■作成日 2018/3/13 ■更新日 2018/5/9
街中を歩いていたら芸能事務所にスカウトされた、なんて話を聞いたことがありませんか?実は薬剤師の業界においてもスカウトというものが存在します。仕組みは芸能人のスカウトと同じです。企業側から「この人だ!」と思った薬剤師に声をかけるのです。
これはヘッドハントサービスとも呼ばれ、欲しているスキルを持つ薬剤師に直接声をかけることができます。優秀な人材を確保するためにはとても効率の良い方法です。
欲しい人材には良い条件を提示して確保しようとすることも珍しくありません。そのため、ヘッドハントサービスは近年注目を浴びており、この制度を利用する企業も増えてきています。
しかし、まだまだ馴染み深い制度ではありません。
スカウトってどうやってされるの?メリットはあるの?気になることもたくさんあるかと思います。
今回は、薬剤師のスカウト/ヘッドハントについて詳しく見ていきましょう。
薬剤師転職スカウトサービスの仕組み
そもそもスカウトって、どうやってされるのでしょうか。
スカウトやヘッドハントというものがあまり身近でないため、その仕組みを知っている人は少ないかもしれません。
普通に働いていればどこからかお声がかかるの?それとも転職サイトに登録しておかなければならないの?
正解は両方です。
特に転職サイトなどに登録していなくても、スカウトの声がかかることがあります。しかしこのパターンは稀で、転職サイトに登録している情報を元に企業側から声をかけてくることがほとんどです。
スカウトされるまでの流れを簡単に説明していきます。
1.転職サイトに登録する
スカウトされるためには、まず転職サイトに登録をしないと話は進みません。スカウトサービスを持っている転職サイトに登録することで企業側から声がかかることがあります。簡単な経歴や、どのような転職先を希望しているかなどをプロフィール情報として登録します。
2.登録した情報を求人先の担当者がチェックする
転職サイトに登録された情報を求人先の人事担当者がチェックします。プロフィールをより具体的に書くことによって人事担当者の目に付きやすくなります。
3.適した人材が見つかったらスカウト
求人先が「この薬剤師はぜひうちに欲しい!」と思えるような人材を見つけたら、登録者である薬剤師にスカウトメールが届きます。この場合、転職サイトを経由して企業と連絡を取れば良いので、直接企業とやりとりをすることはありません。
また、スカウトされても「希望の条件に合わない」と思えば、そのままスカウトをスルーしても問題ありません。気になるスカウトにだけ返事をすれば良いのです。
4.気になるスカウトが来たら交渉開始
良いなと思えるスカウトが来たら転職サイトの担当者と交渉開始です。給料の交渉から面接日程の段取りまで担当者がこなしてくれます。
5.いよいよ面接
面接の日程が決まったらいよいよ面接です。面接の日時、場所などは転職サイト側が求人先と折り合いをつけてくれるので、こちらは希望の日程を伝えるだけです。面接で双方の納得が得られたらついに採用です。
スカウトサービスを持つ転職支援サイトの比較
薬剤師の転職サイトは数多くありますが、すべてのサイトにスカウトサービスが備わっているわけではありません。そのため、スカウトサービスを利用したい場合はこのサービスを持っている転職サイトに登録する必要があります。
ここでは大手の転職サイトに絞ってそれぞれの特徴を比較して見ていきます。
- 対応エリア 全国
- 求人数 40,000件以上
薬キャリはエムスリーグループが運営している薬剤師専門の転職サイトです。全国での求人検索が可能で、求人の紹介のスピードは他のどの転職サイトよりも速いのが特徴です。最短で、登録したその日に求人を紹介してくれます。スカウト制度も取り入れており、薬キャリ特有のスピーディーさでスカウトメールがばんばん送られてきます。
コンサルタントの方とは電話と、メールのみでの接触になりますので、直接人と会うのが苦手な人に向いているでしょう。薬キャリは求人だけでなく医療系のニュースもランキング形式で会員限定で配信しているため情報サイトとしても活用できます。他に薬剤師へのインタビューであったり、調剤薬局の売上ランキングだったりも掲載されています。
求人の紹介の速さが売りなので、少しでも早く転職先を見つけたい人におすすめです。
- 対応エリア 全国
- 求人数 35,000件以上
大手であるリクルートが運営している転職サイトです。扱っている求人は大手の調剤薬局やドラッグストア、企業などです。求人を紹介するだけでなく、転職するまでの道のりをサポートしてくれるシステムもあります。履歴書の添削や面接の対策も行ってくれるので大手に転職したい人にはぜひ使って欲しい転職サイトです。
スカウト制度も備えており、登録されたプロフィールを元に企業からアプローチされることもあります。給料や待遇についても担当のコンサルタントが交渉してくれるので、良い条件の求人を見つけやすい転職サイトです。
- 対応エリア 全国
- 求人数 65,000件以上
スカウトサービスを利用したいのであれば日経DIキャリアは欠かせません。日経ドラッグインフォメーションの購読をしている薬局は多く“日経DI”の文字を見たことがない薬剤師はおそらくいないでしょう。
このサイトにはマイナビ薬剤師やリクナビ薬剤師などの大手転職サイトに掲載されている求人がすべてまとめて掲載されています。
そのサイト数は31社分、日経DIキャリアに登録するだけで一括で求人を検索できるのです。
扱っている求人数は65,000件以上。良い求人を探すためにいくつも転職サイトに登録しなきゃ、なんてことにならず手軽に求人を探すことが可能です。
日経DIキャリアには「おまかせ問い合わせ機能」というものがあり、希望する勤務地の求人に強いサイトに最大3社まで一括で問い合わせをすることが可能です。転職のプロである担当者が登録された情報を元にスカウトを行います。母数となる求人数が多いため希望に合ったオファーが届きやすいというのが最大の特徴です。
- 対応エリア 全国
- 求人数 30,000件以上
調剤薬局勤務の方ならキャリアブレインという名前を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。営業所が全国13箇所にあるため、直接担当者と会って転職について相談することができます。メールや電話での対応がメインとなる転職サイトもある中、直接会って話せるというのはかなりの強みです。
他にもキャリアブレインには口コミ機能というものがあります。従業員、元従業員、キャリアブレインのスタッフの人が実際に感じたことを率直に記してあります。職場の生の情報を見ることができる、とても便利な機能です。またスタッフの方が実際に求人先に足を運んでよりリアルな情報を掴んでいるため、現場にいないと分からないような情報まで取得可能です。
キャリアブレインでは配信数に制限のあるプレミアムスカウト制度を取り入れているため、厳選された人材にのみスカウトをする制度が整っています。
好条件のスカウトを貰うコツ
転職サイトにただ登録しただけではスカウトは中々来ません。良いスカウトを貰うためにはいくつかのコツが必要となります。
1.できる限りプロフィールを充実させる
求人先は転職サイトに登録されているプロフィールの情報のみを頼りにスカウトをします。転職サイトには名前や年齢、希望する勤務地のような少しの情報だけでとりあえず登録だけはできてしまうところが多くあります。勿論、その状態ではスカウトは来ません。マイページなどにログインしてしっかりと情報を充実させなければなりません。たくさんいる薬剤師の中の一人でしかありません。
採用者の目に止まるようなプロフィールを作成する必要があります。今までの経歴、どの科目の処方箋を応需してきたか、何か資格はあるのか、書けることはすべて書いておきましょう。
また、自身の経歴以外にどのような求人を求めているのかなどの条件を詳しく書くことにより希望に合う企業からスカウトを受けやすくなります。この際に「なぜこの条件で探しているのか」も記載しておくとより目を引きやすいプロフィールとなります。
2.転職サイトからかかってくる電話にはきちんと出る
転職サイトに登録すると必ずと言っていいほど担当の方から電話がかかってきます。あまりにも電話がかかってくるために面倒に感じてしまうこともあるかもしれませんが、良い求人を見つけるためにもこの電話は重要なのです。
ほとんどの転職サイトで担当のコンサルタントの方にどのような条件の求人を探しているのか希望を事細かく聞かれます。この情報を元に求人を紹介してくれるのです。
プロフィール欄に書けないような細かいことまで希望を伝えることができるので必ずかかってきた電話には出ましょう。電話に出なければ「転職する意思がない」と見なされ求人を紹介されなくなってしまいます。同時に転職サイトが企業へ提供する情報量も少なくなりスカウトの頻度も激減してしまいます。
ただ何となく転職サイトに登録してみた、なんて人は多いと思います。むしろそのような薬剤師の方が多いかもしれません。転職する気持ちが確実にあることをアピールできるだけでも他の薬剤師とは違う待遇を受けることが可能です。
メリットとデメリット
結局スカウトって、普通に求人を探すのと何が違うのでしょうか。
1.メリット
薬剤師自身が企業を選べる
就職活動や転職活動では多くの場合、企業が人材を選ぶ立場にいます。薬剤師はいくつかの求人に応募して採用してもらえるように面接などを潜り抜けなければなりません。
しかしスカウトの場合は逆です。企業側から「うちにぜひ来てください!」と声をかけるので良い求人を選ぶことができるのです。
採用されやすい
企業側から欲している人材に直接アプローチしてくるため、スカウトされた求人に応募した場合、比較的採用されやすいという特徴があります。薬剤師の転職は他の職種とくらべれば容易にしやすい方ではあるのですが、確実に採用されたい場合にはやはりスカウトの制度は役に立ちます。
良い条件で採用されやすい
企業側からスカウトしてくる場合、掲載している条件よりも好条件でスカウトしてくることもあります。また、こちらから希望の年収を伝えることで担当のコンサルタントの方が企業と話をして求人の条件を変更してくれることもあります。
転職で年収を上げたいと考えている人にはぜひ利用してほしい制度です。
2.デメリット
冷静な判断力が必要
スカウトメールが届くと「企業が自分を必要としてくれている!」とどうしても少し舞い上がった気持ちになってしまいます。探せばもっと良い条件の求人があるかもしれないのに、高揚した気持ちに身を任せてスカウト先に応募してしまう可能性もあります。
転職するための必須条件をしっかりと自分で定めておき、それにそぐわない求人は排除するくらいの気持ちが必要です。
スカウト=100%採用ではない
スカウトされたということは、確かに採用されやすい状況ではあるのですが必ずしも100%ではありません。スカウトされたからと横柄な態度を取っていると痛い目に合います。
スカウトだけを頼りにできない
スカウトというのは転職サイトのサービスのうちの一つという認識を持ちましょう。ひたすらスカウトを待っている状態では条件に合う求人を見つけることは難しいでしょう。自分自身でも求人を探しながらスカウトにも目を通すというスタンスが一番効率の良い転職先の探し方です。
スカウトサービスはこんな方にお勧め
スカウトサービスが向いている薬剤師
「転職は考えてはいるけど、急いではいない。」「何か良い求人が見つかったら転職を考えようかな。」このように転職するまでに時間のゆとりがある人にスカウトサービスは向いています。スカウトメールは頻繁に届くものではないため、急いでいる人には向かないのです。逆に転職サイトに登録だけしておいて、とりあえず求人の情報だけ受け取りたいという人に向いています。
スカウトサービスが向いていない薬剤師
できるだけ早く転職したいと考えている薬剤師にはスカウトサービスは向きません。コンサルタントの方と連絡を取って求人を紹介してもらったほうが、よっぽどスピーディーに転職できます。転職するまでに時間があまりない場合はスカウトをあてにせずに自ら行動するのが吉です。
【AAA評価(最高評価)】…登録を強くおすすめする薬剤師転職サイトです。組織力がありコンサルタントの能力が標準化されているので担当者に外れが少ない。組織経営規模も大きく、大型の医療機関とでも対等に交渉ができ、強力な情報網で他社に比べて求人数も圧倒的に多く保有。安心して転職サポートを委ねられます。この評価の薬剤師転職サイトをとりあえず1つ抑えて基準とし、追加でAA評価もしくはA評価の薬剤師紹介会社を1つか2つ登録すれば、大変満足のいく転職活動を行うことができます。