薬剤師の転職理由ランキング

■作成日 2018/3/5 ■更新日 2018/5/9

 

薬剤師は売り手市場が続いていることから、他の職業と比べると転職しやすい環境にあります。そのため、転職をする人が比較的多い傾向にあります。
割合としては何と半数近くの薬剤師が転職を経験しています。

 

「転職したいと考えているんだけど、他の人はどういう理由で転職しているんだろう。」

 

「こんな理由で転職するのってありなのかな。」

 

自分以外の薬剤師の仲間がなぜ転職をしたのか理由がどうしても気になりますよね。
転職について相談できる人も身近にそういません。
転職したい理由というのはとても大事です。
なぜ転職したいと思ったのかを明確にし、その理由を解決できる転職先を探さなければならないからです。
ここでは、そんな気になる皆の転職理由をランキング形式で紹介していきます。

 


現役薬剤師の転職理由ランキング

あなたが転職をしたいと思っている理由は何でしょうか。理由を挙げればキリがない方もいらっしゃるでしょう。しかし、意外と他の人も同じ理由で転職をしているのかもしれません。そんな気になる転職理由のランキングは以下の通りとなっています。

 

1位 人間関係の悩み
2位 収入面での不安
3位 労働環境
4位 スキルアップ
5位 ブランク

 

何となく、想像しやすい内容ですね。大きく仕事環境を変える可能性のある「人間関係」が1位にランクインしています。
確かに人間関係が良いと悪いとでは仕事のモチベーションに大きな影響を与えます。

 

2位の収入面での不満に関しては、特に病院や調剤薬局に勤めている人が抱きやすい不満です。
周りの薬剤師よりも給料が低いことが気になって転職を考えるパターンが多くなっています。

 

3位の労働環境に関してはドラッグストアに勤めている人の転職理由に多い傾向にあります。
ドラッグストアは万年、薬剤師不足のため過酷な労働環境を強いられる場合が多くあり、それが原因で転職に至るケースがあります。

 

また、スキルアップや、ブランクがあるというのも転職の理由として多く見られます。
今のままでは自分を成長させることができない、育児休暇などで数年職場から離れていたのでブランクが気になる、などの理由が挙げられます。では、具体的な例を挙げながらそれぞれの転職理由について見ていきます。

薬剤師の転職理由1位:人間関係の悩み

薬剤師の転職理由で常に多くの声が上がるのが人間関係が原因のものです。

 

調剤薬局は特に狭い空間の中で毎日働かなければならないので、人間関係がうまくいかなくなると、とても居心地が悪くなってしまいます。
また、どんなに忙しくても人間関係が良ければ忙しさがそこまで苦痛になることもありません。

 

逆に比較的ゆっくり仕事をできる職場でも人間関係が悪ければ、かなりのストレスとなってしまいます。

 

上司とうまくいかない

 

人間関係の悩みの中でも特に多いのが上司などとの縦の関係に関わるものです。
必然的に上の立場の人からは注意をされたり、何かを指示されたりする機会が多くなります。
その時の言い方だったり態度だったりがキツイと「嫌われているのかな?」と思ってしまうこともあります。

 

また、ドラッグストアの店長に良く見られるのが販売強化品目を売らないと怒るというものです。
接客が終わった後に呼び出されて「何でこれを売らないんだ!」とお叱りを受けてしまうこともあります。
人事異動の比較的多いドラッグストアでは店長が変わるだけでお店の雰囲気がガラリと変わることが多くあるので、上司の人柄は働く上でとても大きな影響を与えます。

 

後輩や事務さんとうまいくいかない

 

後輩が入ってくると、指導をしなければならない事があります。
その指導がうまくいかず、仕事が捗らないといった事があります。

 

その影響で自分が後輩に強く当たってしまうことも起こり得ます。
また後輩が陰で「あの人使えない。」なんて陰口を言っているのを耳にしてしまうケースもあります。

 

事務さんの中にも気が強い人がいたり、薬剤師のことを良く思っていない人がいたりで関係がギクシャクしてしまうこともあります。このような横の関係も人間関係を悪化させる大きな要因となっています。

 

患者さん、お客さんとうまくいかない

 

人間関係の悪化に関わるのは何も職場内の人達だけではありません。
薬局やお店に来られる患者さん、お客さんから暴言を言われてしまう事もあります。

 

運悪くクレーマー気質の人に当たってしまうと、その方との対応で何時間も取られてしまう場合もあります。
毎日このような方の対応をしていては、とても疲れてしまいます。

薬剤師の転職理由2位:収入面での不満

薬剤師の平均年収は550万円前後と言われていますが、職種によって年収には大きな差があります。
一般的に薬剤師の給与水準は「MR>ドラッグストア>調剤薬局>病院」の順で貰える収入が多くなっています。
おおよその年収はそれぞれ以下の通りです。

 

  • MR 500万~1000万
  • ドラッグストア 450万~1000万
  • 調剤薬局 400万~650万
  • 病院 300万~550万

 

同じ「薬剤師」として働いているにも関わらず、収入にこれだけの差があるのです。
MRと病院では貰える給料に倍近くの差がついてしまうこともあります。

 

比較的年収の低い、病院勤務の薬剤師が調剤薬局やドラッグストアに転職をするケースが多くなっています。
特にドラッグストアは慢性的に薬剤師不足が続いているので求人も多く、給料も高い所が多い傾向にあります。
店長やSVになることができれば年収1000万円も夢ではありません。

 

どこの職場で働いている人でも年収を上げたいという気持ちを持って働いている人がほとんどですが、家庭を持ってるいる人は尚更そのような考えを持って仕事をしています。
しかし、同じ職場で年収を上げるのには時間も労力もかなりかかってしまいますし、ある程度の給料で頭打ちになってしまいます。
そのため、それ以上の給料を望む人は転職をすることを視野に入れ始めます。

 

求人サイトを見ていると年収600万~や700万~というような高額の求人もあるので転職を視野に入れることは良い選択とも言えるでしょう。

 

薬剤師の転職理由3位:労働環境

人手がたりず休憩がしっかり取れない、労働時間が長い、サービス残業が多いなどの労働環境も転職をする大きな理由の一つです。

 

休憩が取れないというのは、ドラッグストアで良く見られる光景です。
病院や調剤薬局のように1つの店舗に何人も薬剤師がいるわけではなく、1日を通して1人や2人しかいない場合が多くあります。
すると、休憩中に売り場にいる薬剤師がいなくなり、やむを得ずお客様の対応に向かわなければならない、ということが多々あります。
店舗によって休憩中は薬剤師不在の案内を売り場につけている店舗もありますが、そう多くはありません。

 

「他の人たちはしっかり休憩を取っているのに、自分は全然取れない。」

 

「薬剤師が休憩を取れなくても誰も気にしてなんかいない。」

 

だんだんと、こんな風に考え始めてしまいます。

 

労働時間もドラッグストアは長くなりがちです。
2日連続で14時間働いたなんて話もあります。
サービス残業はどこで働いていても頻繁に起こり得る問題です。
特に病院で働いていると勉強会のために朝早く職場に行かなければならなかったり、薬歴が終わらずに残って書いたりで給料の発生しない時間外勤務がかなり多くある傾向にあります。

 

大きな病院ほど勉強会に力を入れていることが多いので、このような時間外労働が増えてしまいます。
このような労働環境に関しては求人を見ているだけでは分かりません。

 

せっかく転職したのに労働環境が改善されなかった、なんてことにならないためにも、転職サイトの担当コンサルタントの方に、気になる職場の雰囲気や状況を聞いてみましょう。

 

コンサルタントの方は転職のプロなので、このような情報を知っている場合があります。

薬剤師の転職理由4位:スキルアップ

転職される薬剤師の中にはスキルアップを目的としている方もいます。
調剤薬局で働いている場合、門前の病院によって扱う処方箋の種類は限られてくるので、働いているうちに

 

「他の科目の処方箋も調剤したい。」

 

「もっと幅広い知識を付けたい。」

 

と思うようになります。
調剤薬局から調剤薬局へと転職する方には、このようにスキルアップをするために転職をする方もいます。

 

また、「自分の興味のある分野についてもっと極めたい。」という理由で有名な病院の門前に転職する方もいます。
自分がどのようなスキルアップをしたいのかによって、探す転職先は変わってきます。
在宅をやりたいのなら在宅を受け持っている薬局、OTCの知識を学びたいと思っているのならドラッグストアを視野に入れなければなりません。

 

しかし、やりたいことだけを追求しすぎると、転職先で実際に働き始めてから再び他の壁にぶつかってしまうことがあります。
目先の目的だけに囚われずに労働環境や人間関係などの他の要素についても、しっかりと確認をしておく必要があります。

薬剤師の転職理由5位:ブランク

産休や育児短時間勤務制度など、女性薬剤師にとってはありがたい福利厚生が整っている職場は多くあります。
しかし、この制度を使いにくい職場が多く存在していることも否定できません。
特に病院や企業などで働いている場合にこの傾向が強くなります。

 

新しい人員が確保できてからでないと休めない、なんて所も存在するのです。
また、産休や育児休暇を取れたとしても、数年後に復帰した時にはかなりのブランクができてしまいます。

 

常に新鮮な情報を吸収して薬や医療の知識をつけていかなければならない病院薬剤師にとっては、ブランクはかなり致命的となり、復帰後の負担がとても大きくなってしまいます。
こういった環境があることから、やむを得ず、結婚や出産を機に勤務していた職場を退職してしまう方もいます。

 

病院や企業を退職し、調剤薬局やドラッグストアに転職をするというケースがとても多くなっています。
比較的、女性にも働きやすい環境が整っているため、転職先としてこの2つが候補に挙がるのです。
正社員としてだけでなく、パートで働くという選択もできるため、自分に合った働き方をすることができます。

 

実際、私の周りには週に2回、5時間だけという働き方をしているパートの薬剤師がいます。
正社員の中にも育児短時間勤務制度を利用して家庭と仕事を両立している人もいます。
制度が整っているだけで、それを利用できないのでは意味がありません。
しっかりと制度を活用できる職場を探して転職をすることが鍵となります。

余談:面接時に話してよい転職理由、黙っておく転職理由

 

ここからは少し余談ですが、転職をする際、面接で必ず聞かれるのが「転職をする理由」です。

 

面接官の方も前の職場で何か問題を起こして辞めたような人はできるだけ採用はしたくありません。
また、給料の少なさが不満だった、人間関係をこじらせた、残業が多くて辞めたなどの、マイナス要素ばかりを理由として伝えることも面接官には良い印象を与えません。

 

例えそれらの理由が本当だったとしても、大っぴらに話すことは避けるのが無難です。
いくら人手が不足している職場であっても前の職場の悪口ばかりを言うような人は欲しくありません。
できるだけ前向きな理由を話すように心がけましょう。

 

残業が多くて辞めたのなら、「家族に迷惑をかけないようにするために、残業の少ない職場を探していた。」などと言うとマイナスのイメージを与えずに本心を伝えることができます。

 

給料の少なさが原因の場合は「子どもができ、家庭を養わなければならないため。」と言えば、家庭のことをしっかり考えているのだという印象を与えることができます。

 

転職理由のランキングに「スキルアップしたいから」というものがランクインしていましたが、こちらはマイナスの要素ではなく、自身のやる気や向上意欲による転職理由になります。
そのためスキルアップに関しては面接官の方にそのまま伝えて良いでしょう。

 

「よりたくさんの処方を勉強したい。」

 

「専門性を磨きたい。」

 

というように伝えれば薬剤師としての知識の向上に力を入れている人としてプラスの印象を与えることができます。
面接の時に嘘をついてまで自分を良く見せようとする方もいらっしゃいますが、面接官は面接のプロなので、すぐにバレてしまいますので注意すべきです。

 

ただしひとつの転職テクニックとして「言い方を少し工夫すること(ネガティブな転職理由でも言い方でポジティブな転職理由に上手に言葉を変換する)」で十分に転職理由を伝えることは可能です。
例えば「○○が嫌だから」、ではなく「○○をしたいから」というように自分をアピールする形で伝えるのがベストです。

 

この記事を書いた人


野村龍一(医師紹介会社研究所 所長)
某医療人材紹介会社にて、10年以上コンサルタントとして従事。これまで700名を超える医師の転職をエスコートしてきた。担当フィールドは医療現場から企業、医薬品開発、在宅ドクターなど多岐にわたる。現在は医療経営専門の大学院に通いながら、医師紹介支援会社に関する評論、経営コンサルタントとして活動中。40代・東京出身・目下の悩みは息子の進路。

【2018最新版】正社員登録高格付け企業 Best3

薬剤師の転職理由ランキング

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