病院へ薬剤主任として転職する方法を考察

■作成日 2018/4/3 ■更新日 2018/5/9

 

薬剤師の資格に最も磨きをかけられる職場として良く名が挙がるのが「病院」ですよね。薬剤師だけのコミュニティーを抜けて医師や看護師、その他の医療従事者と連携することで質の高い医療を提供しながら自身もさまざまな知識を吸収できるのが1番の強みです。

 

そんな病院薬剤師への転職を考えている人が常に絶えません。
人気すぎて病院薬剤師の求人を探すのが困難なほどです。近頃では薬剤部長や薬剤主任の役職を狙って転職する人も増えています。

 

今回はこのうち薬剤主任への転職について詳しくお話していきます。


薬剤主任を目指す転職者が増えている

薬剤主任は薬剤部長の1つ下の立場となる役職ですね。
病院によっては主任がいないところもありますし、“薬剤主任部長”のように部長も主任も兼任しているようなところもあります。

 

薬剤師の資格に最も磨きをかけられる職場として昔から病院への転職は人気が高く倍率が高いのが特徴です。病院へ就職した薬剤師は長く同じ職場で働いている人が多いのも特徴です。

 

私の知っている病院では薬剤師のほとんどが10年、20年とそこの病院で働いていました。その病院では県内でもかなり規模の大きな病院なのですが、新卒ですら入るのがなかなか難しいと言われています。

 

狭き門をくぐり抜けた人だけが働けるちょっと難易度の高い病院なんですね。この病院に限らず今はどこの病院でも採用枠が少なく入るのに苦労する傾向が続いています。

 

入るのが難しいのもありずっと同じ病院で働く人が多いのかもしれません。

 

しかし年収の低さや当直があることなどから病院薬剤師を離脱してしまう人がいるのも事実です。今よりも年収が高いところや当直がない病院を探して転職する人が今までは多かったのですが、昨今では少し傾向が変わってきました。

 

転職してスキルアップを目指す人が増えてきたのです。
つまり、タイトルにもあるように薬剤主任のような役職を転職と同時に手に入れようとするパターンが増えているのですね。

 

  • 同じ職場でずっと働いていても一向に昇級できない
  • 薬剤主任を募集している病院へ転職してしまった方が早い

 

このような理由から転職をして役職を得てしまおうというわけです。

 

長く働く人が多い分、上のポストがなかなか空かずに何年もの間、平社員でいるしかなくなってしまうことが多いのですね。
だったら確かに薬剤主任としての募集をかけているところに転職してしまった方が早いのは確実です。

病院における薬剤主任の仕事内容

病院の調剤室の薬剤師の関係はトップが薬剤部長、次が薬剤主任、そして最後が役職を持たない一般の薬剤師です。

 

薬剤部長が調剤室の統括を取る立場であれば薬剤主任はそれをサポートしていく立場です。規模の大きな病院だと調剤室に何人も薬剤主任がいる場合もあります。

 

例えば麻薬管理主任だったり、医療管理室主任だったりですね。薬剤部長が医薬品の在庫や期限の管理などを行っていますが薬剤主任はいったいどのような仕事をしているのでしょうか。

 

病院によっては主任というのがただの肩書きにすぎないところもあります。しかし一方では次期薬剤部長候補として主任を任されている人もいます。

 

ということで、病院によって多少の仕事の差はどうしても生じてしまいますので今から紹介する仕事内容をどこの職場でも必ず行っているというわけではありません。

 

参考程度に読んで頂けると良いかと思います。

 

2-1.薬剤部長と同様に在庫管理や期限チェックをする

 

薬剤部長は医薬品の在庫管理や期限の管理の最終責任者である場合が多いのですが、その仕事をサポートするという意味で一緒に管理をすることがあります。

 

そもそもこれらの医薬品の管理を薬剤部長だけに任せている調剤室はあまりなく、そこで働いている薬剤師全員で日ごろから管理は行っているものです。

 

ですが、在庫があまりにも合わない場合のように何か問題があったときに対策を講じたり院長へ報告したりというのは薬剤部長や薬剤主任が行っています。

 

2-2.各部門の責任者として働く

 

部門というのは先ほども少しお話したように麻薬管理や医療管理室、他に治験、調剤室などのことです。薬剤師の仕事の細分化するといくつかに分けられますよね。

 

一般的な調剤室で調剤をしている人もいますし、治験を専門にしている人もいます。各仕事において私が責任者ですという人を主任として配置している病院もあります。

 

「麻薬の管理は私が責任をもってやります」
「治験は私が責任をもってやります」というように役割ごとの責任を担うこともあります。

 

担当する部門によっては行動範囲が調剤室だけでなく他の医療従事者にまで及ぶことがあります。
治験主任などがその例ですね。

 

治験は薬剤師だけでは進められません。担当医との綿密な打ち合わせのもとで進めていくものです。他職種の人たちとのコミュニケーションも必要となります。

薬剤主任の給料、年収や待遇はどれくらい?

薬剤主任は薬剤部長の片腕として働くこともあれば、調剤室や治験などのリーダー的な立ち位置で働いている人もいます。ときには主任も部長も関係なく働いていることもありますね。

 

何の役職もない病院薬剤師の年収は約400万円から450万円ほどですが薬剤主任の年収っていくらぐらいなのでしょうか。

 

薬剤主任の年収

 

ちょっとした責任も加わり仕事内容は増えるはずなのに実は年収が普通の薬剤師とあまり変わらないことが多いです。相場は約400万円から500万円ほどです。
ほとんど一般職の薬剤師と変わらないですね。

 

これは主任とは名ばかりのところもある影響もあるかもしれません。
肩書きは主任と書いてはあるけど、仕事内容は今までとそんなに変わらないということもあるのでしょう。

 

主任は肩書きだけという現象は薬剤師業界だけでなく一般的なサラリーマンの業界でも起こっていることです。

 

薬剤主任の手当はいくら?

 

いくら名ばかりとは言っても仕事が増えている人もいるわけなので手当が貰えるんじゃないの?と思う方もいるでしょう。
しかし、実際は手当なし、であることが多いのです。
ちょっと悲しいですがこれが現実であると言えます。

 

ちなみに薬剤部長の手当は月に1万円から6万円くらいとなっています。
さすがに部長クラスになると手当が付くようです。

 

また、手当は貰えなくても賞与に反映されている病院もあるので求人の情報を見るときはそのあたりもチェックしておいたが良いかもしれません。

 

薬剤主任は残業代は貰える?

 

ある程度の管理職になると給料に残業代が最初から組み込まれているためいくら残業をしても残業代がもらえないことが多くあります。

 

薬剤主任は残業代を貰えるのか?と少し疑問に思いますよね。
薬剤主任の場合は残業代は出るところが多いです。
薬剤部長のような管理職の1歩手前の状態なのでまだ残業代が支給される立場なのですね。

 

残業代が出ないというのは精神的にもなかなかなダメージを負うものでもあるので支給されるのは高ポイントです。

薬剤主任として病院内で活躍できる人のタイプ

薬剤主任は薬剤部長になるための架け橋でもあります。
主任になれれば次期に薬剤部長にまで昇級できる可能性があるわけです。
つまり薬剤主任になる人は薬剤部長としても仕事をこなせるような人材が求められているわけです。

 

ではどのようなタイプの人が薬剤主任をやるのに向いているのでしょうか。

 

薬剤主任に向いているタイプ

 

1.話すことが好きな人

 

やはり上の立場に立つ人は人とのコミュニケーション、話すことを苦なく行えるような人でないといけません。
なぜなら誰かに指示を出す機会も多いですし、他の医療スタッフとも連携を取る機会が多いからです。

 

消極的でおとなしい人はなかなか出世していないイメージがありますね。

 

2.勉強意欲のある人

 

薬剤師は薬剤師の免許を取ってからが本当の勉強のスタートです。
大学の座学では知りえないたくさんのことをせっせと我が身にしていく必要があります。
そうでないと「やる気のない薬剤師」や「何も知らない薬剤師」というレッテルを貼られる可能性が高くなるのです。

 

薬局内のトップになる可能性のある人が何にも興味がなくて学習意欲のない人であれば下に付く薬剤師は「この人で薬の管理がちゃんとできるのかな?」と不安になってしまいます。

 

3.黙々と仕事をこなすことが嫌いでない人

 

薬剤師の仕事というのはときに地味な部分もあります。
医薬品の在庫の管理をしている際に数が合わないことに気が付いたとしましょう。すると、数が合わないその薬の調剤履歴や納品履歴などをさかのぼって調べていく必要があります。

 

期限チェックもけっこう地味な仕事です。
ひたすら医薬品の期限を確認していくのですからね。やってみると分かると思いますがひたすら黙々と作業をしていくので飽きが早い人にはなかなかつらいのです。

 

そんな仕事でも苦なくできる人が薬剤主任には最も向いているのではないでしょうか。

 

薬剤主任に向いていない人

 

1.探究心がない人

 

職場には何かしらのルールがあるところがほとんどですが、ときにはそのルールに従っているだけではうまくいかないこともあります。そんなときに率先して動くべきなのはやはり薬剤主任や部長のような人たちなんですよね。

 

どうすれば仕事がもっと円滑に進むのか、どうすれば患者さんの待ち時間を減らせるのかなど常に探究心を持って行動できないと職場の環境がどんどん悪くなってしまいます。

 

もちろん知識への探究心もないといけません。頼られる立場の人が何も知らないようでは下が付いてきません。

 

2.集中力がない人

 

薬剤主任という役職は関係なく薬剤師には集中力が求められます。
抗がん剤のような暴露の可能性のある薬を調剤することもありますし、数ミリグラム単位で薬を秤量することだってあります。

 

このような作業を何時間も何日もずっと続けていかないといけません。
集中力が続かないと調剤過誤にも繋がります。

 

あまりにも過誤を起こす人は薬剤主任には向いていません。
周りを管理するべき立場の人が過誤を頻繁に起こしていては管理能力がないと見なされてしまいます。

 

3.真面目すぎる人

 

主任という立場から変に気を入れすぎて疲れ果ててしまう人が多くいます。
あれもしなきゃ、これもしなきゃと全てを絶対にやりとげてしまおうと思っている真面目な人はときに薬剤主任に向いていない場合もあります。

 

真面目こと自体はとても良いことなのですが、度をすぎる真面目は自分自身をどんどん追い込んでしまいます。主任の自分がやらなきゃと誰にも仕事を頼まずに抱え込んでしまうこともあります。

 

適度に気を抜いて、ときには誰かの手を借りながら仕事ができる人でないと精神的につらい思いをします。

転職するためのポイントは?薬剤主任求人の探し方を身に着けよう

 

転職を考えている人はまず病院で求人を出しているところを探さないといけません。
病院の求人はとても人気が高いので自力で探すのはかなり大変です。
特に大きな病院は倍率が高く、求人のほとんどが新卒募集で終わってしまうことすらあります。

 

正直、自分の力だけで病院へ就職するのは難しいのです。さらに薬剤主任という役職つきとなると一気に門は狭くなってしまいます。ではいったいどうすれば求人をうまく見つけることができるのでしょうか。

 

転職するための求人の探し方

 

1.希望する病院のホームページを小まめにチェックしておく。

 

病院によっては求人情報をホームページで掲載しているところがあります。
何の予告もなくふいに求人の募集を始めるところもあるので、できれば毎日チェックしておきたいものです。

 

一瞬で募集定員になって募集を締め切ってしまうところもあるので要注意です。

 

2.転職サイトに登録する

 

ただでさえ求人の少ない病院で、薬剤主任を狙って転職を目指しているのなら絶対に転職サイトには登録しておくべきです。
なぜなら自分で求人を探す手間が大幅に減るからです。

 

15分くらい最初に転職サイトのコンサルタントと話をして希望の条件などを伝える必要がありますが、それさえ済んでしまえばあとは求人が来るのを待つだけです。

 

コンサルタントが希望条件に合う求人を紹介してくれるので自分の手で検索して探す手間が省けます。
また、コンサルタントが年収などの交渉も行ってくれるのでより希望の条件に沿った求人を見つけやすくなります。

 

コンサルタントに「薬剤主任」という条件を伝えておけば、ちゃんとそれに合致する求人を探してきてくれるので活用しない手はありません。

 

さすがに病院薬剤師が未経験の状態で薬剤主任という大きな条件を出されたら厳しい交渉になる可能性もありますが、今までの経験がある人はきっと良い求人が見つかることでしょう。

 

この記事を書いた人


野村龍一(医師紹介会社研究所 所長)
某医療人材紹介会社にて、10年以上コンサルタントとして従事。これまで700名を超える医師の転職をエスコートしてきた。担当フィールドは医療現場から企業、医薬品開発、在宅ドクターなど多岐にわたる。現在は医療経営専門の大学院に通いながら、医師紹介支援会社に関する評論、経営コンサルタントとして活動中。40代・東京出身・目下の悩みは息子の進路。

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薬剤主任として病院に転職する方法

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