ドラッグストアに勤務しているOTC専門薬剤師のリアルな日常をお伝えいたします

■作成日 2018/3/1 ■更新日 2018/5/9

 

 

今回は元大手のドラッグストアチェーンでOTC専門薬剤師をしていた倉林佳代子さん(仮名)からの寄稿レポートです。人材不足の薬剤師を必要以上にこき使う職場とはどういったところなのでしょうか?


 

 

薬剤師の倉林と申します。希望をもって入社した大手のドラッグストアチェーンOTC勤務で、私は大変な目に遭ってしまいました。今は転職に成功して、毎日楽しく薬剤師業務をさせていただいています。そんな私の退職経験を聞いてください。


 

6年間薬学部に通い、無事に薬剤師国家試験に合格したため24歳の時にOTC専門薬剤師として大手ドラッグストアで働き始めました。退職したのは27歳の時なので約3年間勤務していたことになります。

 

採用が決まった際に大まかな希望勤務地を聞かれますがあくまでも希望なので必ずしもその通りになる訳ではありません。私は第1希望の勤務地にはならず、自宅から片道1時間以上かかる都内の超繁忙店に配属されることになりました。

 

通勤時間が長くかかるだけでなく、満員電車というおまけ付きで酷い時には乗る予定の電車がホームに来た時点で既に車内は人で溢れかえっており乗り混む隙間など、どの車両を見渡してもないほどです。

 

やっとのことで勤務先の店舗に毎日通っていました。もともと田舎出身で満員電車に対する耐性がまったくなかったのでかなり辛い思いをしながら通勤していました。

 

ドラッグストア勤務のOTC薬剤師は力仕事もあるとは聞いていましたが、予想を超えていました。

 

私の働いていた店舗は都内のため多層型になっています。全フロアを合わせると5階分あるのです。エレベーターやエスカレーターは勿論ありませんから、どんなに重いものを持っていてもすべて階段で移動しなければなりません。

 

普通に1日働くだけでこの階段を何十往復もすることになります。1ケース24本入りのペットボトルケースを2ケース1度に運んだことすらあります。ここまでの力仕事が薬剤師にもあるとは入社前には微塵にも思っていませんでした。

 

また、ドラッグストアで勤務するにあたって欠かせないのが「強化品」と呼ばれる商品です。売上、利益を取るために効率の良い商品のことでPB商品にこの強化品は多く存在しています。

 

この強化品を売っていかないと店長からお叱りを受けるわけです。

 

例えその日の強化品の売上に自分が大きく貢献していたとしても、全体的な売上個数が低ければ関係なく怒られます。そんな訳でかなり必死に強化品を販売していました。

 

もう一つ、ドラッグストアで働くOTC薬剤師に欠かせない仕事が発注業務です。自棚を与えられるのでそこの売り場管理、発注管理は責任を持って自分でしなければなりません。

 

空箱展開しているものは定期的に空箱のメンテナンスが必要です。新商品が入れば即日展開がルールなのでその日のうちに必ず出します。商品が欠品すれば近隣の店舗から店間で貰い品揃えを確保しなければなりません。

 

この当たりが厄介で、勤務していた当時の店長は休憩に入る前に必ず自棚の補充をしろというルールを設けていたのです

 

常に売り場を綺麗に保ちたい気持ちも分かりますが、結局は休憩時間を削って補充しなければならないのでかなり不満に思っていました。補充せずに休憩に入ると呼び出されてしまいます。何度か呼び出された経験があります。

 

シフト制のため人数に余裕がない日がどうしても出来てしまいます。そんな時にたまに規定の時刻になっても退勤できない時があります。

 

早番の時なら問題ないのですが遅番だと終電もあるのでこれが命取りになる時もあります。終電がないなら、歩いて帰れ、タクシーを使えとの言葉を上司に頂き真夜中1時頃に暗闇の中を一人で歩いて帰宅した経験も数回ではありません。

 

あまりにも疲れている時はタクシーも利用しましたが、勿論タクシー代が支給されることはありませんので完全実費です

 

ドラッグストアは調剤薬局や病院と違い土日祝日も営業しているため休みではありません。しかも、最近のドラッグストアは営業時間が長い店舗が多く、夜の24時まで開いていたり、凄いところでは24時間営業の店舗まであります。

 

土日祝日は客足も伸び、売上が取れるためかなり忙しくなります。そのため休み希望をこの土日祝日に出してしまうと、何であいつは忙しい日に休むんだとなるため、中々休みを取ることができません。

 

家庭がある方やお子さんがいる方は家族との時間が取り辛い状況にあります。平日以外に休みがあるのは年に数回しかありません。

 

調剤薬局や病院で働いている友人はみんな土日祝日が休みなのに私は休みが取れないため友人ともだんだん疎遠になってしまいました。

 

ドラッグストアではシフト制のためその日によって勤務開始時刻が大きく変わってきます。

 

私のいた店舗では早番であれば朝の8時から、遅番であればお昼過ぎからの出勤でした。このシフト制により大きく体力を削がれることが多々あります。通称「遅早(おそはや)」と呼ばれており、遅番の次の日のシフトが早番になっていることを指します。

 

これが起きるとどうなるかというと、睡眠時間がほとんど取れないという事態になってしまうのです。

 

私の例で話すと、遅番であれば家に帰り着くのが夜中の1時~2時になります。終電はだいたい遅れるもので他の線からの乗り換えの待ち合わせで平気で30分程遅れます。そして翌朝は8時出勤となると5時には起きなければなりません。仕事から帰ってお風呂や歯磨きなどの最低限のことしかしなくても睡眠時間は長くて3時間もありません。

 

ドラッグストア勤務のOTC薬剤師こんなことが普通にあります。

 

通勤時間が短い人はまだ良いですが、私のように1時間以上かかるような人にはただの罰ゲームでしかありません。通勤時間を考慮していないシフトの作成によりかなりキツイ思いを平気でさせられます。

 

それでも仕事は仕事なので寝坊する訳にはいかず、疲れがまったく取れないまま、またすぐに出勤するのです。このようシフトが多い時期があり、家に帰る意味がまったくない生活を暫くの間ですが続けていました。


ドラッグストア勤務のOTC専門薬剤師ならではの、就業中の不満、大変さ、辛さと悩み

 

辞めたい理由と悩み1:恐ろしく多いサービス残業の量

 

私が働いていた店舗はとにかく忙しいお店で、超繁忙店と呼ばれている店舗でした。

 

勤務時間に行う仕事は「店を回すための作業」であり「しなければならない作業」の時間は一切ありません。よって、棚替えや発注、その他必要な業務の時間が確保されていません。

 

新商品の導入も即日展開しろと言われる割にはその時間は貰えないので、新商品が入荷する日は早めに出勤して勤務開始前にその作業を終わらせなければなりません。新商品の展開が終わるまでお昼休憩に入れないとうルールがあったので、そうするしかありませんでした。

 

棚替ももちろん時間はくれません。しかし、棚替の作業というのはかなりの時間を要する作業であり、内容によっては1日がかりでやる必要性もあります。

 

そのため、かなり早朝から店舗に出向き作業を開始する必要があります。勤務時間よりも5時間も6時間も早めに出勤し作業をします。

 

私は良く朝っぱらから作業をしていましたが、人によってはお店が閉まった後にそのまま残って作業をしている人もいました。そちらの方がお客さんもいないので作業がしやすいという理由のようです。

 

お店が閉まった後となれば残業代以外に深夜手当ても本来は貰わないといけないのですが、そんなお金は一円も貰えません。むしろ残業代がかかるのに勤怠をつけようとする人を蔑むような風潮さえありました。

 

そして私が一番嫌だと思っていたのが勤務時間外にやることをOTC薬剤師に強制されている仕事があった事です。今考えてもこのシステムはまったく意味が分かりません。

 

これは早番の社員のみにある仕事なのですが、納品の片付けや倉庫整理、お金の管理などは勤務時間が終わってからするという決まりになっていたのです。

 

倉庫整理に1時間、お金の管理に1時間はかかります。それが終わってから発注をしたり自棚をいじったりの作業に入るため、17時上がりなのに、これらの作業が終わるのは20時前後になってしまいます。

 

毎日最低3時間はサービス残業です。最高で5時間ものサービス残業をしたことがあります。働いていた期間のサービス残業代が仮にすべて貰えていたとしたら、一体何十万円も給料が変わっていただろうと考えると物凄く切ない気持ちになります。

 

薬剤師用の求人票には残業代は1分単位で支給などと書いてありますが、まず強制的に勤怠を切らされるのでまったく意味のない制度でした。

 

辞めたい理由と悩み2:勤務時間中は殆どまともな休憩を取ることができない

 

アルバイトの人は働いた分だけしっかりと勤怠を付けることが出来ますが、社員は出勤時と退勤時のみ勤怠打刻をするシステムでした。そのため休憩時間は一切確保されていません。

 

前述の自棚管理もそうですが、そもそも売り場に戻らなければならない時間の30分前にしかお昼休憩に入れないことも普通にあるのです。というかきちんと休憩に入れたことなんて数えるほどしかありません。

 

スケジュール通りに休憩から戻って来なければ売り場が回らなくなるので何時に休憩に入ろうが戻る時間は変わりません。お昼ご飯を食べられなかったことだってあります。

 

それを店長は知っていても何も動きません。どんなに休憩時間が短くても決まった時間に売り場に戻らないと店長や副店長から「予定が狂うから。」と怒られてしまいます。

 

そんな発言をしている店長、副店長はしっかり休憩を取っているのでこれまた腑に落ちませんでした。1日の休憩時間は平均すると40分くらいでしょうか。これでも時間を取れているほうです。

 

しかもその日に出勤している薬剤師の数が少ないと、休憩中にも一類医薬品の購入希望者がいれば呼び出されてしまいます。店長はOTC薬剤師の休憩時間の確保よりも売上のほうが優先度が高いのです。

 

特にリアップなんかは単価の高い商品ですから買いに来られるお客様をみすみす手放す訳にはいかないのです。

 

先にふれたように、多層型の店舗ですから何度も何度も階段を上り下りしなければなりません。売り場に行くのが遅いと「来るのが遅い」と注意を受けるので走って売り場に向かいます。

 

食事中にこれを繰り返しているとかなり胃が気持ち悪くなり食事を受け付けることが出来なくなります。

 

他の登録販売者の人はきちんと休憩できるのにOTC薬剤師だけ休憩時間が取れなくても当たり前のような風潮が出来ていたのでかなり不愉快でした。薬剤師の方が給料が高いのだからそんくらい我慢しなよと言われたことすらありました。

 

辞めたい理由と悩み3:販売強化品と薬剤師が本当にお客様にお買い求めを奨めたい商品の食い違い

 

ドラッグストアで売るべき商品は強化品とされています。利益の取れる商品を売っていかなければなりません。

 

強化品に該当するものはPB商品がほとんどです。NB品だと粗利率が30%程しか取れないのに対し、PB商品だと80%を超える利益率を持つものもあります。

 

この強化品が厄介者で、売りたい商品と売るべき商品との間に亀裂を作る大きな要因となる商品だと私は感じています。体調を崩して薬を買いに来られるお客様から悩んでいる症状について聞き出し、それに合った適切なお薬を紹介するのがOTC薬剤師、登録販売者の本来の仕事です。

 

しかし、売るべき商品は強化品です。お客様にはこっちの薬の方が良いんだけどな、と思いながらも強化品を売らなければなりません。売らないと怒られるからです。

 

これは薬剤師としては間違っている行動です。

 

1人の人が接客しても強化品が売れなかった場合は横から別のスタッフが入ってきて推売することもあります。お客様のために、などと言いながら、実際の所はお店のことしか考えていないのです。

 

それでも売る事を強要されている場の雰囲気に対して、とても嫌気がさしていました。

 

本人はその自覚がないだけなのかもしれませんが、酷い人ですと嘘をついてまで強化品を売っている人すらいました。

 

これは登録販売者の人によく散見されていました。

 

成分を見る限りその説明は間違っている、そんなことを平気でお客様に平気で説明していたのです。薬剤師は勿論、薬の知識があるのでそんな説明はしません。薬に限らず、健康食品や化粧品でも同様に強化品を推売しなければなりません。

 

お客様に適しているもっと良い薬や健康食品があるのに今の時期はこの商品を推売しなければいけないからそれを勧めないといけないドラッグストアの営業形態が私には合いませんでした。

 

インバウンド需要の高い店だったこともあり、特に外国人のお客様に対してこのような行動を当たり前のようにしていました。

 

勿論、強化品にも良い商品もあるのですが、大した知識もないのに「こっちの商品が良い」と言って押し付ける現場の状況がとても嫌でした。

 

では、ドラッグストアに勤める薬剤師のあなたはどうすればよいのでしょうか?この先もつらい現実に耐えながら生きていかなけばならないのでしょうか?いいえ、「OTC薬剤師の人生を変える解法」はきちんと存在していますので、それを今からご説明いたします。


あなたの「会社を辞めたくなる悩み」への対応策

 

対策1.本社レベルで立場が上の人にストレートに相談してみる

 

ドラッグストアでのOTC薬剤師不足はかなり深刻なものです。薬剤師だけに借り上げ社宅を用意したり、入社3年まで教育係を付けたりなど、登録販売者のような一般従事者とはかなり異なった扱いとなっています。

 

調剤推進や店舗数拡大を行っている影響もありますが、そもそもドラッグストアに薬剤師がいないと薬の販売が出来ないので経営上困るのです。事実、新卒採用での採用者のほとんどが薬剤師なのです。

 

薬剤師が退職すると、退職の理由にもよりますが、店舗の店長にはペナルティが与えられます。ボーナスの減額などの処分になります。そのため、言い方は悪いかもしれませんが、有る程度のわがままは通すことができます。

 

勿論、極端なわがままはNGです。常識範囲内に限ります。私の経験では店長やその上のSVに話をした所ではほとんど何も改善されませんでした。話を聞くだけで終わってしまうのです。

 

しかし、もっと上の立場にいる本社で働いているような人に現状について話を持ちかけると状況は変わってきます。

 

人事異動や採用に関わっている人事部の人や教育課の人など、とにかく本社と関わりのある人間に話をするのが最も手っ取り早い方法です。

 

店舗でサービス残業を強要されているので異動したい、辞めたいなどの思っている不満を伝えます。このまま店舗の状況が変わらないのであれば退職しますなどと伝えるとかなりの確立で状況が改善されます。

 

この時に大事なのは、ただの愚痴にならないように、あくまでも相談を持ちかけるように話すことです。

 

人間誰しも人の愚痴はあまり聞きたくないものです。しかし相談事は自然と話に耳を傾けることが出来ます。辞められては困るOTC薬剤師の相談事となればよっぽどの事ではない限り対処してくれます。

 

対策2.勤務している人はすべて労働組合に入っているので、労働組合に相談する。

 

入社時の手続きの際にすべての人が労働組合に加入する手続きを行います。これは大手会社の特権でもあります。労働組合がない会社も多くあるので、ある方は幸運です。

 

労働組合の主な役割は労働者契約交渉や維持、賃上げ、雇用人数の増加、労働環境の向上などです。

 

労働組合に加入しているほとんどの人がただただ毎月組合費を何千円も取られているだけで終わってしまっています。ただお金を取られているだけでは存在意義がありませんしお金のムダです。何か問題があった時にここぞとばかりに活用しましょう。

 

相談する方法は色々とあり電話やメールなどですることが出来ます。定期的に労働組合から依頼されるアンケートに店舗の現状について書くという手段もありますが、やはり確実なに伝わるのは直接話をすることです。

 

労働環境の改善をメインの仕事としているので、店長やSVに相談するのとは訳が違い、しっかりと動いてくれます。

 

また、直接言うのは気が引けるなという場合は大抵、匿名で相談が出来る相談窓口を設けてありますので、そちらに電話をしましょう。

 

この場合にはコツがあり、自分一人ではなく、同じような内容を複数人で何度も電話をするのです。

 

近頃あの店舗から良く電話がかかってくるな、ということで労働組合が緊急性があると判断し速やかに対処してくれる確立が上がります。

 

私の周りでも電話をした人が何人かいますが、電話をかける人数が増えれば増えるほど上層部がガヤガヤし出し、ついには従業員一人ずつ本社の人と個別面談をする程にまで至りました。

 

対策3.自分が今いる上司よりも上の立場になれるように這い上がる

 

これは一番時間がかかる方法になりますが、自分で店舗を変えることの出来るチャンスでもあります。

 

「上司に不満があったり、嫌なことがあったりするなら、自分がそいつより上に這い上がればいい。そうすれば文句は言われない。」これは私の尊敬する先輩の言葉です。

 

店長の店舗運営方式に従業員が振り回され、うつ病や胃腸炎などの症状を呈する人が多数出てきているような最悪の状態が数ヶ月続いていた時期がありました。もう、みんなの顔はどんよりで覇気がまったくありませんでした。

 

それでも明るく振舞おうとしてくれる人がいたのです。その人に「私、もう無理です。」と伝えたときに返ってきた言葉が上記のフレーズです。

 

それを聞いたときはそんなすぐに上の立場になれるわけないじゃん、と思いましたがよくよく考えるとこの言葉には色々な意味がこめられていたのです。

 

上に這い上がるには何年かの月日を要しますのですぐに職場環境を変えることは出来ません。しかし、日々の勤めを全うしていく中でこの這い上がるという気持ちがあれば、会社への不満で埋め尽くされていた心の少しのよりどころが出来るのです。

 

自然と、辛いのは今だけだ、自分が店長になったら働きやすい環境を従業員に提供するんだ、こんな思いは他の人にはさせないという気持ちが沸いてきます。

 

軽い自己暗示のようなものかもしれません。また、いつかは自分はこの人よりも上に立つんだと思うことで、何か言われても気にしないでいるという考え方ができるようになります。気持ちの変化というのはとても大事で、考え方次第で良くも悪くも物事の流れは変わっていきます。

 

この言葉をくれた先輩は有限実行を果たし、次の年には店長の立場に立つようになっていました。この人が店長の店舗では、サービス残業や強化品の押し売りなどなく快適な環境が整えられています。

 

この這い上がるという言葉は、仕事が嫌になって暗い気持ちを和らげてもくれますし、今後同じような経験をする人がこれ以上増えないようにするという効果もあるのです。

 

対策4.ドラッグストア勤務を辞めて他職場へ転職する

 

OTC専門薬剤師であるあなたを取り巻くストレスから解放されるもっとも効果的な方法は、スッパリとドラッグストア業界から抜け出して他の職場に転職をすることでしょう。厳しいドラッグストア業界で培ったビジネススキルを生かせる職場は、あなたが自分で思っている以上にたくさん存在しています。

 

他職場への転職…不安はよくわかります。

 

しかし、うまくドラッグストア勤務を抜け出して、人生の立て直しに成功した薬剤師の多くは、ドラッグストア業界以外への道を選択した人々なのです。
この件について、以下でより詳しく説明いたします。


ドラッグストア勤務OTC薬剤師の辞め方とタイミング

 

辞め方とタイミング1:本当に辞めたい月よりも2〜3ヶ月前に辞めると話をする

 

OTC薬剤師は常に人手不足ですので、辞めたいと伝えてもほぼ100%その場で拒否されます。7月で辞めたいと言えば年末までいてと言われますし、年末に辞めたいと言えば年度の終わる3月までいてと言われます。

 

とにかく辞めるのを先延ばしにさせられます。私の周りですんなり辞めることの出来た人はいません。みんな辞めるまでの日数を数ヶ月伸ばされていました。私もその一人です。

 

このような先延ばし作戦を念頭置いて、予め幅を持たせて辞めたい日を申告するのです。

 

7月に辞めたいなら年度末の3月まで、年末で辞めたいなら9月までで辞めますと伝えます。するとだいたいが7月のボーナス、12月のボーナスまでいてよと言われると思います。

 

私は年末の12月で辞めたかったのですがこの先延ばし計画にまんまと嵌まり、辞められませんでした。経験上、3ヶ月ほど先延ばしにされることが多いので本当に辞めたい月の3ヶ月前に辞めたいという呈で話を進めましょう。

 

辞め方とタイミング2:ボーナス月は辞めやすい

 

何かの話で聞いたのですが、ボーナスが貰える月は退職者が多いというデータがあります。どうせなら、貰えるものは貰ってから仕事を辞めたいと思うのはきっと働く人ほとんどの人に共通する考えなのでしょう。

 

私も同様の考えで辞めるなら7月か12月と考えていました。しかし、12月と言えば小売業界ではかなりの繁忙期にあたります。ですので7月に辞めたいと伝えるのがマストです。(余裕を持って3ヶ月前くらいに辞めることにするのがお勧めですが。)

 

7月もそれなりに忙しい月ではあるのですが、ボーナス月は人が辞めるというイメージが強くあるため辞めやすい月でもあります。

 

辞め方とタイミング3:転職する際は転職サイトを有効活用して情報を収集

 

転職先を探す時はぜひ薬剤師専門の転職サイトを活用しましょう。普通の求人サイトとは違い、様々な情報を提供してくれる可能性があるからです。また、年収の交渉もしてくれることもあります。

 

私は何箇所かの転職サイトに登録をし、そこから新しい転職先を見つけました。

 

転職サイトに登録すると担当の方から電話がかかってきます。どこの転職サイトも10分~15分くらいと長い時間電話で話しをすることになります。しかし、この電話が重要なのです。

 

今どのような職場で働いていて、今後はどういう職場で働きたいのか、希望する勤務地、年収、自宅からの許容通勤時間はなどかなり詳しく希望を聞かれます。この希望に沿って担当スタッフの方が求人を探してくれ、見つかり次第その都度メールで案内してくれます。

 

年収交渉や、面接に同伴してくれるところも存在します。

 

また、字面だけでは分からない職場の雰囲気や、継続勤務年数なども知っている情報であれば提供してくれます。こんな手厚いサービスは転職サイトでしか受けることはできません。

 

また、転職サイトによって持っている強みがそれぞれ異なり、求人を出している企業との交渉が上手なところ、大手企業の求人に強いところ、派遣薬剤師の求人に強いところなど、その特色は様々です。

 

自分が希望する勤務形態や希望に合わせて複数の転職サイトに同時登録しておくことをオススメします。様々な求人案件を同時比較したり、転職サイトの担当者同士を競わせることで、より良い求人情報を提供してもらえる可能性が高まるからです。


ドラッグストアのOTC勤務経験が優遇される、より就労条件のよい「薬剤師のおすすめ転職先」の例

 

1.派遣薬剤師として、しがらみなく自由に高給で働く

 

派遣薬剤師の給料が高給だというのは周知の事実です。調剤薬局やドラッグストアの薬剤師の時給が平均2000円前後ですが、派遣薬剤師の時給はなんと3000円~4000円の所がほとんどなのです。

 

調剤薬局への派遣のイメージが強いですがドラッグストアへの派遣も存在します。派遣薬剤師はあくまで派遣であり、正社員ではないので給料面や福利厚生面での不安がある方もいらっしゃるかとは思いますが意外とその心配は必要ありません。

 

ボーナスはないものの、時給がかなり高いので正社員で働くよりも高い年収を貰うことが出来ます。

 

また福利厚生に関しても正社員と変わらない待遇を受けることが可能です。産休や有給制度などの福利厚生制度がほとんどの派遣会社に備わっているのです。

 

派遣薬剤師には他にも様々なメリットがあります。

 

なんといっても一番の魅力はサービス残業が一切ないということです。派遣会社によって契約している勤務時間が決まっているので、その時間を越える労働は強いられません。

 

正社員のように時間外労働をする必要性はなく、プライベートと仕事のオンオフ管理がしっかりと出来ます。サービス残業は絶対にしたくないという人にはかなりオススメの働き方です。

 

2.個人の調剤薬局勤務に転職する

 

チェーンの調剤薬局ではなく個人経営の薬局で働くことも視野に入れてみましょう。

 

なぜチェーンではダメなのかというと、複数の店舗を経営しているチェーン薬局だと何処の店舗に配属になるかもその時まで分かりませんし、異動の可能性もあるからです。

 

どんなに働き心地の良い職場でも、ある日突然、異動令を出されることがあります。出来ることなら慣れた職場で働きたいと誰もが思います。異動の度に新しい職場の雰囲気に慣れ、仕事を覚えるのはとても大変です。また異動により通勤時間がかなり長くなってしまうことも懸念されます。

 

しかし、個人経営であれば異動はまずないので、自宅の近くなど通勤しやすい場所にある薬局を自分で選ぶことが出来ます。転勤がまったくなく、勤務先を自分で選べるというのは薬剤師の人生にとってかなりの利点です。

 

通勤時間が長ければ長いほど仕事での拘束時間も長くなりますし、その分プライベートの時間もなくなってしまいます。そして個人経営の場合、薬剤師の人員確保に経営者が必死になっている場合が多くあるので、その分仕事環境が整っている場合が多くあります。

 

調剤であればドラッグストアのOTC薬剤師ように強化品を売り込みに精を費やすこともなく、薬剤師らしい本来の働き方ができます。

 

3.公務員薬剤師に転職する

 

公務員薬剤師と聞くとあまりピンと来ないかもしれませんが、保健所で働いたり麻薬取締りなどの業務を行うことが多いです。

 

公務員薬剤師は少し特殊で、調剤や薬の販売などはなく、環境衛生や薬事衛生にかかわる業務がかなり多くなっています。事務作業から、現地まで足を運んで水質の調査をしたり、時には学校で講演をしたりすることもあります。

 

最初は給料はそこまで高くはありませんが、公務員は働く年数に応じて給料が上がっていく仕組みがあるので、年収が頭打ちになる調剤薬局やドラッグストアとは違いきちんと昇給していきます。

 

また公務員ならではの職の安定さ、福利厚生の充実さもメリットの一つとなっています。公務員は基本的にカレンダー通りの休みが貰えるので土日祝日は仕事が休みになります。

 

夏休みや盆休みなども貰えるところもあるので、ドラッグストアと比べるとその働きやすさはかなり高いものとなっています。また残業も少ないのでプライベートを充実させたい方にオススメです。


人生の選択肢は常にあなた自身が持っている

 

ドラッグストア勤務のOTC薬剤師であるあなたの人生を変えるために、まず一番注目すべきことは「ドラッグストア業界以外の職場もあることを知る」ということです。

 

案外、外部と交流がないドラッグストア勤務のOTC薬剤師の方は井の中の蛙になることが多いです。自分の会社以外のことを全く知らないというケースも非常に多いようで、勇気を出して一歩外に踏み出せば大きな海が広がっているということを、改めて考えてみてはどうでしょうか。

 

兎に角、どうしても今の悩みが解決できなければ「別に辞めればいい」「辞めたっていいんだ」「自分は自由に人生を選択できるんだ」と割り切ること。

 

周囲からの目を気にしたり、あなたの人生と無関係な上司のメンツを立てて、自分の人生を後回しにしてします思考こそが「今の職場を辞められなくなってしまう」ことの最大原因であり、悩みをより深くして人生を間違えてしまう事につながります。

 

薬剤師専門転職コーディネーターに無料相談することから始める

 

自分自身でまず何をしてよいかわからないならば、薬剤師専門の転職サイトに登録するのも手。転職コーディネーター経由で他の業界、企業の内情を知ることができますし、冷静な第三者の目で、あなたのスキルと経験を活かせる新しい職場を用意してくれます。

 

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ドラッグストア勤務OTC薬剤師を辞めたい人は、業界内でも「優秀な転職コンサルタント」が揃う転職エージェントを複数登録しておくべし

 

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