30代薬剤師の転職…成功法則から年収まで

■作成日 2018/2/28 ■更新日 2018/5/9

 

様々な理由で転職を考える薬剤師は多くいます。
特に30代の薬剤師の転職では将来を見据えた上で転職に踏み切る方が多い傾向にあります。

 

また、薬学部が6年制というのもあり結婚するのが30代になってから、という薬剤師が多くいます。
結婚を機に転職することは薬剤師に限らず多いことではあるのですが、そのタイミングが薬剤師の場合ちょうど30代となるのです。

 

しかしいずれにしても20代の頃とは転職市場は違います。
ほぼ新卒同様の20代と比べると転職が難しいケースもあります。
そんな30代薬剤師の転職について触れていきます。


30代薬剤師の転職理由・事情・職場の不満

ストレートで薬剤師になることができた人は24歳から働き始めることになります。
しかし、薬学部には浪人や留年をする人が多いため、実際は25歳~30歳、もしくはそれ以上の年齢で社会人デビューする人も少なくありません。

 

そう考えると30代というのは、そこまでキャリアを積んだと言える年齢ではありません。
どちらかというと、むしろまだ新人に近い状況です。
そんな30代の薬剤師が転職に踏み切る理由とは何なのでしょうか。

 

1.スキルアップのため

 

一番多いと言われている転職理由がスキルアップをしたいからというものです。
働き始めて数年が経過するとある程度自分がどのような方向で働いていきたいかが明確化してきます。

 

30代となると、ある程度仕事に慣れてきたころです。
すると、最初はこの分野の処方箋をメインで勉強したかったけど、これからはあの分野も勉強してみたい、調剤だけでなく、OTC医薬品の勉強もしたいなど色々なことを考え始めます。

 

同じ職場で数年働いていると、他に自分がやりたいことが少しずつ浮かび上がってきます。
薬剤師として働くからにはしっかりと知識を付けたい、そのためには今の職場では物足りないと考えるようになります。

 

また、昇進したいのに上のポストが空かないためできない、ということが原因で転職を考える方もいます。

 

2.結婚を機に転職

 

冒頭でも述べたように、30代で結婚する薬剤師は多くいます。
結婚するとなると、引越しだったり子育てだったりと大きなイベントが次々とあります。

 

元々から同棲していた人はあまり関係ありませんが結婚してから一緒に住み始めるという場合、どうしても今の職場に通うのが難しくなってしまいます。
また、妊娠・出産の歳に一度退職をし、落ち着いた頃合で子育てと両立しやすい職場に転職する方もいます。

 

3.年収をアップさせるため

 

30代で結婚をする人が多い、ということは子どもが生まれ今まで以上にお金が必要になってくる薬剤師が多いということでもあります。
今までは自分の生活さえできれば良かったとしても、家族が増えるとなるとそうはいきません。自分以外の人の生活もかかってくるため責任は重大です。

 

年収をアップさせるには資格を取ったり出世したりと色々な方法がありますが、中でも転職という手段はとても有効なのです。
今の職場よりも給料の高いところに転職をすることができれば、あっという間に年収をアップさせることができます。

 

4.人間関係が嫌

 

いくら大人になったとはいえ、毎日のように狭い空間で働いていると職場の人間関係というのは嫌でも気になってしまいます。
仲の悪いスタッフがいると仕事中の雰囲気は最悪です。

 

仕事をする上で最低限必要なコミュニケーションすら取りにくくなります。
これでは仕事にも影響が出てしまいます。
ストレスなく働きたいという理由から新しい職場を探すケースも意外とあるのです。

 

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30代薬剤師が転職の前に今の職場でできること

転職するには時間も労力もいるし、何よりもまったく新しい環境で仕事を一から始めるというリスクも伴います。
できれば転職したくない、だけど今のまま働くのも気が乗らない、そんな思いを持っている人もいるかと思います。
では、どうすれば転職せずに今の職場で働き続けることができるのでしょうか。

 

1.出世する

 

給料をアップさせるのに欠かせないのはやはり出世です。
30代ともなれば働き始めて数年は経っているので出世までそう遠くはない年齢です。
管理薬剤師やエリアマネージャー、薬局長など様々な出世の可能性があります。
役職が付くことで手当てが貰える場合もあるため年収アップが望めます。

 

出世をするメリットは給料面だけではありません。
職場の環境を変えることだって可能です。
チェーン店で働いている場合だと立場によっては人事異動に関わることもあります。
サービス残業が多い職場なら、仕事の環境を改めることで残業を減らすこともできます。出世は様々なチャンスを掴むきっかけとなります。

 

2.勉強会に参加する

 

より多くの知識を身に付けたい、だけど今の職場では限界がある、そんな方におすすめなのが勉強会です。
ある領域における知識を深めるためにとても有効です。
色んな人の考えを聞くことができるので視野も広がります。
人脈も広がるためこれからの薬剤師としての人生を歩んでいく上でも大きな糧となります。

 

他に、自らメーカーさんやMRに頼んで職場で勉強会を開いてもらうことも可能です。
もっとスキルアップしたいと考えている方は近くで勉強会が行われていないか探してみましょう。

 

3.異動願いを出す

 

チェーン展開している調剤薬局やドラッグストアでは不定期に人事異動があります。
適した場所に適した人員を配置するために行われるのです。

 

一般的には自分の意思とは関係なく異動させられますが、自ら異動願いを出すことも可能な職場もあります。
今の会社を辞めたくはないけど人間関係が気になる、引越しをするので出来れば自宅の近くの店舗に異動させてほしい、と一度言ってみるのも一つの手段です。

どうしても転職する場合の注意点

今できることはやってみたけど、それでもやっぱり転職したい。
そんな場合も勿論あります。

 

しかし、転職する時に気をつけなければならないことがあります。
それが今働いている職場へのケアです。
今まで長い間働いていた仲間が一人欠けるというのは職場には大きなダメージを与えます。
そのダメージをできるだけ少なくしてあげるのが転職時のマナーです。

 

1.仕事の引き継ぎはしっかりと責任持って終える

 

30代といえば、ある程度の仕事を任せられている年齢です。
入ったばかりの新人にはできないような責任のある仕事をしている人も多くいるでしょう。
自分がいなくなって今の職場は変わらずに機能できるか?ということを考えてみて下さい。

 

「大した仕事してなかったからそんなに影響ないと思うけど・・・。」

 

という方もいるかと思いますが、そんなことはありません。
薬の発注や伝票の管理、新人の教育、メーカーさんとのやり取り、色々と思い浮かぶものがあるはずです。
他の人でもできるように、仕事をしっかり引き継ぎしなければいけません。

 

「あの書類どこにあるんだっけ?」

 

と残された人たちが困ってしまうことになり兼ねません。

 

2.転職先のことについてはあまり触れない

 

良い転職先が決まると自然と気分も上がるでしょう。

 

「どういうところに転職するの?」

 

と聞かれることもあるかもしれません。

 

「○○をメインに扱っている門前薬局です。」

 

とか

 

「OTCメインのドラッグストアです。」

 

とかのように当たり障りのない内容でしたら問題ありません。
しかし“給料面”に関しては自分から話すことはしない方がベターです。
うちの会社の給料に不満があったんだなと思われてしまうこともあります。

 

また、転職先との給料の差を知った他の人のモチベーションにも影響してしまう可能性もあります。
お金のことはいろいろと面倒なことを引き起こすことがあるのであまり触れないようにしておきましょう。

 

3.例え本当でも職場の愚痴は言わない

 

職場の環境に不満があって転職することを決める人もいるかとは思いますが、愚痴はほどほどにしておきましょう。
愚痴を言い過ぎると周りから良い目では見られません。
聞いてるほうもテンションが下がってしまいます。
愚痴を言うことで、それが場の雰囲気を更に悪化させてしまうということを自覚しておきましょう。

30代薬剤師の職種別年収比較

薬剤師と一言で言っても職種によって年収には大きな開きがあります。
30代の薬剤師は一体いくらくらいの給料を貰っているのでしょうか。
自分の給料が平均よりも多いのか少ないのかを知ることで転職先を決める一つの指標ともなります。

 

20代後半の平均年収は約420万円であるのに対し、30代前半では約480万円と大幅に年収が伸びます。
これは管理薬剤師や薬局長などの手当てが付く方が増えるためです。

 

では職種ごとの年収はどれくらいなのでしょうか。

 

  • 病院…400万円~650万円
  • 調剤薬局…400万円~650万円
  • ドラッグストア…400万円~700万円
  • MR…500万円~800万円

 

年収に大きな開きがあるのが見て取れます。
これは出世している人とそうでない人とで年収が変ることが原因です。

 

30代になると管理薬剤師や薬局長などになる人が増えてきます。
そうなると手当ても付くため年収が上がるのです。

 

ドラッグストアは特に年収の開きが目立ちます。
ドラッグストアでは早い人ですと30代で店長になることができます。
すると店長手当てというものがつくのでかなり年収が上がるのです。

 

MRも年収の差が大きいですが、これは営業の成績に年収が左右されることによります。
やり手のMRだと30代にして年収1000万円超えということも珍しくありません。

転職時に押さえておきたい!失敗するポイント・成功するポイント

転職というのは人生を大きく変える大切なイベントです。
人生で何回も経験することではありません。転職して失敗した、と後悔しないためにもいくつかのポイントを押さえる必要があります。

 

1.転職に成功するポイント

 

優先順位をつける

 

働いていく中で色々と思うことはあるでしょう。
もっと給料を上げたい、知識をつけたい、その中でも自分が一番優先したいことは何でしょうか。やみくもに転職先を探していてもしっくりする求人を見つけることは難しいです。
転職先に求める条件に優先順位をつけ、それを満たす求人を探しましょう。

 

今までの仕事で得たものを面接でアピールする

 

数年間働いてきた中で得られたことはたくさんあるはずです。
今までの仕事で何を学び、その学んだことを生かしてこれから何をしたいのか、しっかりと面接官にアピールしましょう。

 

薬剤師は一生勉強をし続けなければいけない職業だと言われていますが、この言葉通り、学ぶことを怠らない人材を面接官は欲しているのです。

 

薬剤師専門の転職サイトを上手く利用する

 

自分で求人を見つけて応募するのも手ですが、やはり薬剤師専門の転職サイトを使うのが最も効率が良いでしょう。
自分の希望している条件をコンサルタントに伝えれば、その条件に合う求人を見つけてきてくれるのです。
しかも求人を出している企業と年収の交渉もしてくれますし、職場の雰囲気を教えてくれることもあります。

 

年収アップのためにも、良い環境の職場で働くためにも転職サイトを活用することはおすすめです。

 

2.転職に失敗するポイント

 

年収だけ見て転職先を決めた

 

より高い年収が欲しいがために、処方箋枚数や薬剤師の人数などをあまり確認せずに転職してしまう人がいますがこれは要注意です。
給料面での満足度は高いかもしれませんが、職場の環境が整っていないところで仕事を続けていくことはとても辛いものです。
どういう条件での仕事になるのか、給料以外のこともしっかりと確認が必要です。

 

転職せずに同じ職場で働き続けている人とのギャップが気になる

 

30代の薬剤師の中には一度も転職をせずに同じ職場でずっと働き続けている人もいます。
そのような方とはもちろん給料は大きく違ってきます。

 

転職して以前よりも年収は上がったけど、職場にいるあの人はもっと貰ってる、なんてことも普通に起こり得ます。
年はあんまり変らないのに給料に差があるのが気に食わないという人には転職が不向きな場合もあります。

 

20代のころより病院に転職しにくい

 

病院薬剤師はとても人気が高く新卒でも入るのが難しい職種です。
つまり、病院へ転職となると更にハードルが上がってしまうのです。
病院での勤務経験のある方ならまだ転職できる可能性はありますが未経験で病院へ転職となるとかなり難しいというのが現実です。

 

知識を増やしたい、スキルアップしたいと思う薬剤師にとって病院はとても魅力的な職場ですが、未経験の状態で病院へ転職する際は、今までの自分の経験を上手に面接官にアピールできなければ思うように転職がうまくいかないこともあります。

 

この記事を書いた人


野村龍一(医師紹介会社研究所 所長)
某医療人材紹介会社にて、10年以上コンサルタントとして従事。これまで700名を超える医師の転職をエスコートしてきた。担当フィールドは医療現場から企業、医薬品開発、在宅ドクターなど多岐にわたる。現在は医療経営専門の大学院に通いながら、医師紹介支援会社に関する評論、経営コンサルタントとして活動中。40代・東京出身・目下の悩みは息子の進路。

【2018最新版】正社員登録高格付け企業 Best3

30代薬剤師の転職と年収アップの法則

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