薬剤師の年収アップに役立つスキル4選+年収アップと無関係なスキル

■作成日 2018/3/5 ■更新日 2018/5/9

 

あなたは現状の収入に満足していますか?もっと年収をアップさせたい、薬剤師ならば誰もがそんな思いを抱きながら仕事に励んでいることでしょう。

 

大学の同級生よりも年収がかなり低い、他の調剤薬局で働いている人はもっと貰っている、こんなことをふと考えてしまうこともあります。
同じ時間働くのなら、より多い収入を得たいと思うのは当然のことです。

 

では、年収をアップさせるためには具体的にどのような行動をすれば良いのでしょうか。また、年収アップに繋がるスキルにはどのようなものがあるのでしょうか。

 

これらのことについて今回は薬剤師の年収をアップさせる4つの方法に加えて、一見役立ちそうで実は全く年収とは無関係のスキルについても、具体例を交えて紹介していきます。


薬剤師年収アップ術その1.職種の変更で最大200万円の年収アップ

薬剤師の年収をアップさせるには様々な方法があります。
今働いている職場でキャリアを積んで年収アップを狙うのも一つの手でしょう。

 

しかし、自分が働いている職種での平均年収を知らないまま、がむしゃらに働いていても希望する年収には到達しないこともあります。
まずは、職種ごとのだいたいの年収を把握する必要があります。

 

  • 製薬企業 400~1000万円以上
  • MR 500万~1000万
  • ドラッグストア 450万~1000万
  • 調剤薬局 400万~650万
  • 病院 300万~550万

 

職種ごとのだいたいの年収幅は上記の通りです。

 

職種によってかなりの差があることが分かります。
「年収700万欲しい!」と思って調剤薬局で働いていても、ある程度の上限があるので、実現はかなり難しいのです。
ここで手っ取り早く年収をアップさせるのに有効な手段となるのが転職です。

 

 

1.調剤薬局から調剤薬局への転職(年収アップ額50~200万円)

 

実は調剤薬局から調剤薬局へ転職するパターンが最も多いのです。
一般に調剤薬局の年収は田舎に行けば行くほど高くなるという傾向があります。

 

薬剤師の平均年収が一番高いのは大分県で677万円です。
東京都の平均年収は507万円なのでその差はなんと約160万円もあるのです。

 

また、同じ県内にある調剤薬局の中でも中心地から離れている所のほうが年収は高くなります。
この特徴を生かして転職をすることで年収アップが望めるのです。

 

本当に人手のたりていない薬局では年収700万円~なんていう、とても高額な求人を出しているところもあります。
年収の高い調剤薬局へ転職することにより、50万円~200万円の年収アップが可能です。

 

2.病院から調剤薬局への転職(年収アップ額100~200万円)

 

次に多いのが病院から調剤薬局へ転職するパターンです。
薬剤師としてのスキルも磨きたいけど、年収も妥協したくない、というような人がこのような転職をすることが多くなっています。

 

病院薬剤師はどこの地域でも比較的、年収が低い傾向にあります。
薬剤師の職種の中では最も低いと言っても過言ではありません。手取りが20万円を切ってしまうこともあります。

 

調剤薬局の求人は低いところで400万円前後からの募集になるので、病院から調剤薬局へ転職することで少なくとも100万円近くの年収アップが期待できます
上で書いたように人手不足な調剤薬局だと更に給料が高くなるので200万円以上の年収アップも夢ではありません。

 

 

3.調剤薬局からドラッグストアへの転職(年収アップ額100~200万円)

 

製薬企業やMRは年収が高いものの、簡単に転職できるかと言われば、そうではありません。
しかし、ドラッグストアは高い年収を誇っていながらも転職しやすいのが特徴です。

 

そもそもドラッグストアに就職する薬剤師の数がかなり少ないので常に人手不足の状態が続いているのです。
そのため高い給料を提示することで人員を確保しようとしているのです。

 

一般的に500万円前後の求人が多いでのすが、某大手ドラッグストアでは初任給で年収600万円も貰えるところもあります。
調剤薬局からドラッグストアへの転職により100万円~200万円の収入アップが期待できます。

 

薬剤師年収アップ術その2.コミュニケーション能力で年収20万円アップ?!

最近、薬剤師に求められているスキルが調剤だけではなくなってきています。
良好な人間関係を築く上で大切なコミュニケーション能力が重要視される傾向にあります。
しかし何故最近になって急にコミュニケーション能力が重要視されるようになってきたのでしょうか。

 

円滑なコミュニケーションを取れるということは、それだけ患者さんと打ち解け合うこともできますし、職場の雰囲気も明るくしてくれます。
薬剤師は限られた情報の中から必要となる情報を引き出さなければなりません。
かと言って質問攻めにしたり、長々と時間を取ってしまったりすることは患者さんからしてみれば良い迷惑となってしまいます。

 

患者さんと話している時の声のトーンや目線、しぐさなどから何を考えているのかを汲み取ってあげなければなりません。
そうすることで、より充実した服薬指導もできる上に、薬歴もしっかりと書けるようになります。
更により良い治療へと繋がっていきます。

 

一言でコミュニケーション能力と言っても、一体どれくらいのスキルが必要なのでしょうか。
誰とでもすぐに仲良くなれるあの人みたいには話せないよ、内心そう思った方もいるでしょう。

 

しかしそんなに心配はいりません。
普通に患者さんと会話をしたり、相手から声をかけてくれたりするような関係を築ける程度で十分といえます。
社会人に求められている最低限のコミュニケーション能力があれば問題ありません。

 

薬剤師は比較的、コミュニケーションを取ることが苦手な人が多いため、人並みの能力があれば採用側が良しとする場合が多くあります。
友達と話していて「今日は何だか元気がないな。」と思ったことが今までに一度はあると思いますが、それと同じように患者さんとの対応が出来れば良いのです。

 

転職サイトのコンサルタントの方が求人を出している会社に年収の交渉を直接してくれる場合がありますが、コミュニケーション能力が高い人の方が年収アップの交渉がしやすい傾向にあります。

 

うまく交渉ができれば、これだけで年収が20万円前後上がることがあります。「この薬剤師さんは何だか話しやすいな。」と思ってもらえるように日々心がけましょう。

薬剤師年収アップ術その3.医薬品知識で年収アップ

コミュニケーション能力の次に重要視されているスキルが医薬品に関する知識を持っているということです。

 

薬剤師という仕事柄、薬に関する知識が必要であることは言うまでもありません。
しかし、残念ながら薬に関する知識があってもそこまで年収に影響しないというのが現実です。

 

例えば、「整形外科の薬は誰にも負けません。」とアピールをしたとします。
プラスの意味では「整形外科の薬なら何でも知っている。」となりますが、裏を返せば「それ以外の薬についてはあまり知らない。」ということにもなり兼ねません。

 

一般的に総合病院の門前薬局では3000種類近くの薬剤を扱っています。
しかし整形外科だけ、皮膚科だけのように一つの科に絞られてしまうとその数は500種類ほどにまで減少してしまいまいす。
これでは全く総合病院の門前には太刀打ちできません。

 

単科の取扱がメインとなる調剤薬局から総合病院への門前へ転職することは勿論可能ですが、それを武器として年収をアップさせるのは厳しいと言えます。
ただし、医薬品に関して学ぼうとする意欲は自分のためにもなりますし、「この薬剤師はやる気がある。」「この人なら成長が期待できる。」と周囲の人へのアピールにもなります。
現場でもその知識は作業を円滑にする上で役に立ちます。

 

また、知識が豊富なことで患者さんの信頼を得ることもでき、良好なコミュニケーションを築く手助けともなります。
すぐには年収アップには繋がらないかもしれませんが、しっかりと学んでいくことが今後の転職可能性を広げるためにも繋がりますので、中期的な年収アップ施策といえます。

年収アップには全く無関係なスキル

認定専門資格取得だけで年収アップは難しい

 

薬剤師の職能を極める上で目指す人が多いのが認定薬剤師です。
医薬分業が進んでいく中、薬剤師の専門性が以前よりも求められるようになってきています。
特に大きな病院だと、担当の科が薬剤師ごとに割り振られるため、一定の範囲における深く、確かな知識を要求されます。

 

病院内での勉強会で、自分の担当する科について発表しなければならないこともあります。
転職先によっては認定薬剤師手当てが支給される所もあり、その額は5,000円~10,000円程度の所がほとんどです。
賞与付与と同時に特別手当として10万円支給される所も存在します。

 

認定薬剤師の資格を取得することで5万円~30万円の年収アップが期待できるところも僅かにありますが、多くの職場は全くと言っていい程、資格手当がつきません。

 

本来ならば「年収アップにも繋がって、自身の鍛錬にも繋がる認定薬剤師をぜひ取りましょう」…と言いたい所ですが、実は認定薬剤師の資格を取得するのにはかなりの労力が必要となるため、効率の良い方法とは言えないのです。

 

◆認定薬剤師の資格取得条件

  1. 薬剤師免許を持っており、優れた見識を持っていること。
  2. 薬剤師としての実務経験を5年以上経験しており、日本病院薬剤師会或いは日本薬剤師会の会員でなおかつ別に定められた学会の会員であること。
  3. 薬剤師認定制度認証機構などにより認証された生涯研修認定制度による認定薬剤師、もしくは日本臨床薬理学会認定薬剤師であること。
  4. 所定の単位を取得していること。
  5. 貢献した症例を20例以上報告できること。

 

認定薬剤師の資格を取得するためには、こんなにたくさんの条件が必要となるのです。
また認定薬剤師の申請に手数料が10,000円かかります。

 

資格取得にかかる時間とお金が、上がる年収とが釣り合っていないので、年収アップだけのために認定薬剤師の資格を取得することは単純にはおすすめできません。
しかし、医療現場では認定薬剤師の資格を取得し知識のある薬剤師、自己鍛錬を怠らない薬剤師を最も欲しています。

 

年収には直結しなくても一つのアピールポイントとなり転職先を広げることに繋がりますので、ぜひ取得しておきたい資格であることはまちがいありませんが。

 

専門薬剤師資格だけで年収はアップしない

 

上にも書いた認定薬剤師についてですが、十分な手当てが出ない職場がほとんどというのが現実です。年収アップに無関係とまではいきませんが、決定的な有効打にはなりえていません。

 

認定薬剤師と似ているものに専門薬剤師という資格もあります。
専門薬剤師の取得は認定薬剤師よりも更に大変です。

 

専門薬剤師には現在、がん専門薬剤師、感染制御専門薬剤師、精神科専門薬剤師、妊婦授乳婦専門薬剤師、HIV感染症専門薬剤師、栄養サポート専門薬剤師の6種類があります。

 

認定薬剤師の資格取得のための条件にプラスして以下の条件も必要となります。

 

◆専門薬剤師の資格取得条件

  1. 学会・研究会、日本薬剤師会学術大会などで申請する専門領域に関する学会発表が3回以上あり、国際的な学術論文が2編以上ある者。
  2. 病院長などの推薦があること。
  3. 日本病院薬剤師会が行う専門薬剤師認定試験に合格していること。

 

認定薬剤師でもなるのはかなり大変なのに、専門薬剤師は更なる時間と労力が必要となります。
論文の提出が必須であることから、専門薬剤師の資格を取得している薬剤師の数はまだまだ少ないというのが現状です。

 

これだけ取得に時間がかかるにも関わらず手当てはほとんど出ません。
認定薬剤師と同様に年収アップを期待して取得するものではないと言えるかもしれません。

 

しかし専門薬剤師の資格は高い志を持つ薬剤師にとっては、憧れの資格でもあります。
優れた医療を提供することにも繋がりますし、周りからの信頼も厚くなります。
より高度な技術と知識を持った薬剤師が必要とされる医療現場には専門薬剤師の存在が欠かせません。

 

認定薬剤師も専門薬剤師も、その資格を持っていることで、就職の幅は広がるので決して持っていて損ではありません。

 

他に、認定実務実習指導薬剤師の資格というものもあります。
薬学部に通う5年生の生徒の実習を引き受け、指導をするために必要な資格です。
こちらは実務経験と講習を受けることなどによって比較的簡単に取得できます。

 

こちらも年収アップには直接は関与しにくい資格です。
ただ、実習生を受け入れることによって、知識の復習や指導力を見に付けるきっかけにもなります。

まとめ - 資格取得は薬剤師年収アップには直接つながらない

 

年収をアップさせたいのなら、資格をたくさん取ればいいじゃん、と思いがちですが薬剤師の場合はそうはいきません。

 

資格を持っている、勉強の意欲があるというアピールにはなりますが、残念ながら年収にはそこまで響きません。

 

しかし、自己の成長のために資格を取ることは大切ですので、余裕のある方はぜひチャレンジしましょう。すぐには年収に反映されなくても、今後何かの役に立つ時がやってきますので、資格取得を目指す場合は年収アップ度外視で臨むべきでしょう。

 

逆に年収アップをすぐにでも…と考えている方は、資格取得による年収アップ術はムダうちに終わる可能性がありますので、別途の方法(転職、コミュニケーションスキル向上、薬剤知識向上等)で実現を図る方が、ずっと現実的ということとなります。

 

この記事を書いた人


野村龍一(医師紹介会社研究所 所長)
某医療人材紹介会社にて、10年以上コンサルタントとして従事。これまで700名を超える医師の転職をエスコートしてきた。担当フィールドは医療現場から企業、医薬品開発、在宅ドクターなど多岐にわたる。現在は医療経営専門の大学院に通いながら、医師紹介支援会社に関する評論、経営コンサルタントとして活動中。40代・東京出身・目下の悩みは息子の進路。

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