このご時世、薬剤師でも副業をするべきか?

■作成日 2018/2/27 ■更新日 2018/5/9

 

お世辞にも経済状況が良いとは言えない日本では本業のお仕事以外にも収入源を確保しようと副業を始める方が少なくありません。

 

もちろん、薬剤師も例外ではありません。
空いた時間をうまく使って収入が少しでも増やせるのなら誰でもやってみようと思うでしょう。

 

しかし、そもそも薬剤師って副業しても大丈夫なのでしょうか?
会社にバレたら怒られそう。
副業がOKだとしても、どんな種類のお仕事があるの?

 

疑問に思うことはたくさんあります。そこで、今回は薬剤師の副業についてご紹介していきます。


薬剤師と副業

近年の国家試験の難化や、調剤薬局の増加により薬剤師の人手がたりないと嘆く企業は増えつつあります。
特にパートのママ薬剤師が働けないような土日祝日や夜遅くの時間帯は薬剤師が不足しがちです。

 

正社員を雇う余裕のある企業であれば人員を増やすなどの手を打つのでしょうが、だいたいの企業はパートを募集して穴を埋めようとします。

 

薬剤師を欲している企業と、副業先を探している薬剤師、この二つの条件は揃ってはいるものの、実際に副業に踏み切る薬剤師はそこまで多くありません。
なぜかと言うと、会社が副業を禁止しているところが多いからです。

 

だいたいの企業が業務に差し支えるので副業は禁止すると定めています。
しかも副業した場合は懲戒処分されることもあります。

 

副業を始める前にまずは必ず勤務している会社の就業規定に副業禁止と書かれていないかを確認しなければなりません。

 

就業規定に副業禁止となくても暗黙の了解で副業を禁止しているパターンがほとんどなので、副業を始める際にはあらかじめ上司に相談しておくと安心です。

 

後にも述べますが法律で副業が禁止されている公務員薬剤師や管理薬剤師以外の薬剤師であれば法で罰せられることはありません。
しかし、このように副業した場合のリスクが大きいので「副業をやりたい。」という思いを抱えつつも実際に副業しにくい状況にあるのです。

 

このような流れが定着しきっている日本ですが、実は近年、副業をOKとする企業が出てきているのも事実です。
大手の企業であるロート製薬は2016年から副業を認める試みを実施しています
。副業を認めることで様々な経験をしてほしいというのがロート製薬の狙いです。確かに副業をすることで得られるメリットはたくさんあります。

 

  • 他の薬局で働くことで知識が増える
  • 視野を広くすることができる
  • いろいろな職種の人と触れ合うことで人脈が広がる
  • やりたいことをやれるチャンスを掴める
  • 人生を充実させることができる

 

このように働いて得ることのできる収入以外にも、たくさんことを経験することができます。
一方で副業をするデメリットというのももちろん存在します。

 

  • 疲れが取れずに本業がおろそかになる
  • 社内の情報が漏れるおそれがある
  • 副業をしていることで、本業の会社の給料が少ないというイメージを持たせてしまう
  • 黙って副業していた場合のリスクが大きい

 

特に一番上の本業がおろそかになるという理由で副業を禁止している企業が多い傾向にあります。

 

「なんで日本は副業したらダメなの?僕の国ではちゃんと仕事をこなせるなら副業したって何の問題もないよ。」と知り合いの中国人に言われたことがありますが、そういう面では日本はまだまだ遅れているのかもしれません。

薬剤師ならではの副業と収入をご紹介

 

薬剤師の副業にはどのような種類のものがあるのでしょうか。
パッと思いつくのはパートなどのように外でお働くお仕事でしょう。

 

しかし、外に出ずに自宅でできる副業もあります。
ここでは、代表的な副業先について紹介していきます。

 

1.パートとして働く

 

薬剤師の知識を広げる最も手軽な副業としてパートで働くという方法があります。
本業の仕事が休みの日や、仕事を終えて夕方から働く形をとる場合が多いです。

 

この際、調剤薬局で働くのもありですがどこの薬局も営業時間が夕方頃までなので、仕事が終わってから行くのにはあまり向いていません。
そこでオススメなのがドラッグストアです

 

ほとんどのドラッグストアは年中無休ですし、営業時間も夜遅くまでやっているところが多くあります。それにドラッグストアの薬剤師不足は常に深刻なので求人も多く出ており、非常に副業先として選びやすい状況にあります。

 

本業で医療用医薬品に関する知識を付けて、副業でOTC医薬品について学ぶという働き方も可能です。
パートの時給は2000円前後が相場となっているので、一日に数時間の勤務でも月に数万円の収入増が見込めます。

 

2.医療文献の翻訳

 

自宅でできる副業の仲に医療文献の翻訳というものがあります。
外国から輸入された薬剤の添付文書や、医学や薬剤師に関する文献、企業の研究に関する情報などの翻訳を行うものです。

 

誤った情報を書くことはできませんし、翻訳するにあたり専門的な単語を知っている必要があるため、かなりの英語力が求められます。
文字数にもよりますが、1記事あたり5000円から1万円ほどの収入が期待できます。まとまった件数を引き受けられれば、自宅にいながら数万円得ることが可能です。

 

3.メディカルライター

 

メディカルライターも自宅でできる副業の一つです。
スマホが普及したことにより、ネットで情報を得る人はますます増えてきており、ホームページやブログ、まとめサイトなどに掲載する記事の執筆を依頼する人も増えてきているのです。記事の内容は様々で、医薬品や健康食品などの情報提供、健康管理など幅広く取り扱います。

 

簡単なサプリメントの選び方や日焼け止めの種類など割と簡単なものが多いのが特徴です。
文章を書くための特別な資格は必要なく、ライティングが得意な方であれば誰でもすぐに始めることがでるので、最も簡単に手をつけやすい副業であるとも言えます。

 

文字単価は1文字1円ほどで、1記事あたり2000円から3000円の収入となります。

 

4.講座を開く

 

今の時代、なんとネットを使って自分で講座を開くこともできます。
薬剤師という資格を活かした薬の勉強会から肌のお手入れ方法、疲れを取るマッサージなど内容は多岐にわたり、専用のサイトを使うことで誰でも簡単に始めることができます。

 

講座の所要時間も料金も自分で設定することができるので生徒数が多ければ多いほど収入に繋がります。
教えることが好きな人、得意な人、何か詳しい分野がある方におすすめです。

 

どうでしょうか。意外とたくさんの種類の副業があるものです。
薬剤師以外のスキルを活かしてできる副業もあるので、仕事の幅がとても広がります。

 

実はこんな特技や趣味があるんだ、という人はそれを活かした副業をすることでより、自分に磨きをかけることもできます。


副業が禁止されている薬剤師

会社の就業規則に副業禁止と書かれていなくても、副業が法律上で禁止されている人たちがいます。
それが公務員薬剤師管理薬剤師です。

 

厚生労働省が薬事法によって公務員薬剤師と調剤薬局に勤める管理薬剤師の兼業を禁止しているのです。(例外として都道府県知事の許可を受ければ兼業が可能となる場合もあります)。

 

そもそもなぜ、公務員薬剤師と管理薬剤師は副業をしてはいけないのでしょうか。
公務員薬剤師が兼業をしてはいけないのには、いくつか理由があります。

 

公務員というのは日本国民に奉仕をするというのが義務となっているのですが、兼業によりそれができなくなると危惧されているからです。
また、兼業をすることにより、本業である公務に支障をきたし、国民からの信頼を失くすおそれもあります。

 

そのため、公務員薬剤師の兼業は禁止されており、もしも兼業をしてしまった場合は法律で罰せられることになります。

 

一方で管理薬剤師の兼業が禁止である明確な理由はありません。
所属している調剤薬局の仕事に専念するためであると一説では言われているようです。

 

確かに管理薬剤師は責任の大きい業務をこなさなければならないので、兼業を禁止するのも分からないではありません。
しかし、公務員薬剤師や管理薬剤師であっても100%兼業が何もできないわけではありません。

 

みなさんは学校薬剤師という言葉を聞いたことがないでしょうか。
学校の水質調査や、照度などを測定し学校の環境を守る役割を果たしています。

 

普段は調剤薬局で働き、仕事の依頼を受けた時だけ学校薬剤師としても活動するという管理薬剤師は意外と多いものです。
公務人薬剤師や管理薬剤師は基本的には兼業できませんが、学校薬剤師のような公的な業務であれば、都道府県知事の許可を得ることで兼業することができるようになります。

 

そして実は薬局の管理や薬事に関する実務以外の仕事であれば公務員薬剤師でも管理薬剤師でも兼業は可能なのです。


副業がバレるとどうなるのか?

 

先ほども言ったように公務員薬剤師や管理薬剤師の兼業は薬事法という法律によって禁止されています。
副業するということはつまり、法律に違反するということです。

 

万が一、副業していることがバレた場合、管理薬剤師であれば管理を怠っているとされ管理薬剤師を他の人に交代させられることもあります。
また、最悪なパターンだと薬局が営業停止になることもあります。

 

そこまではいかなくとも、懲戒処分や懲戒解雇になる可能性は大いにあります。
大きな事態になる可能性が非常に大きいので公務員薬剤師と管理薬剤師の方は副業はしないに越したことはありません。

 

一方で兼業が禁止されている公務員薬剤師にも管理薬剤師にも該当しない一般の薬剤師の場合だと、どうなるのでしょうか。

 

就業規則で副業が禁止されている場合、「副業を今すぐ辞めろ。」と厳重に注意されるだけで済まされることもあれば、懲戒解雇される場合もあります。

 

はっきり言ってこのあたりの裁量は会社の判断によるのでケースバイケースとしか言いようがありません。

 

就業規定で副業が禁止されていない場合でも上司や会社人たちに一言も相談せずに副業を始めてしまうと何か言われてしまう可能性があります。

 

就業規定による副業禁止という決まりはあくまで会社が独自に決めたものであり法的拘束はありません。
そのため副業によって会社の機密情報を漏らしたとか、遅刻の回数が増えたとか、そのような会社の不利益になることをしない限りは懲戒処分をするのは難しいと考えられます。

 

何にせよ禁止されている副業がバレた場合は何かしらのお咎めがあることは覚悟しておかなければなりません。


副業でトラブルを起こさないために

 

副業でせっかく収入を増やしたのに会社にバレて本業がクビになったなんて、冗談でも笑えませんし本末転倒にも程があります。
そのため、副業を始める際にはいくつかの注意が必要です。

 

1.就業規定を必ず確認する

 

入社した際に就業規定には一度目を通すように促す会社も多いので、読んだことがない人はあまりいないでしょう。
しかし、副業を始める前には今一度、就業規定を確認して副業がOKなのかどうかを確認するようにしてください。

 

完全に副業がダメなのか、許可を取れば大丈夫なのか、会社によって規則はマチマチなので後から痛い目を見ないためにも事前にチェックしましょう。

 

2.上司に相談する

 

例え就業規定に副業禁止の旨が記載されていなくても、暗黙の了解で実は副業が禁止されていることもあります。
勝手に副業を始めて、それがバレた際にお咎めはないかもしれませんが周りからの冷たい視線は感じることになるでしょう。
こそこそと副業するのも精神衛生上良くはありませんので、一言相談してから始めるべきです。

 

3.本業の仕事仲間に迷惑をかけない心構え

 

副業がOKな場合でも、他の人に迷惑をかけるような働き方はしないようにしましょう。

 

副業先のシフトのせいで本業の仕事に来られないとか、休みなく働くことで疲労が蓄積して仕事でミスをするとか、そのようなことが続けば副業禁止に就業規定が変更されてしまう可能性もあります。

 

本業も副業も仕事は仕事です。給料を貰っている以上、それに対する対価は必ず労働として提供しなければなりません。

 

4.同業者で働くことはできるだけ避ける

 

例えば普段ドラッグストアで働いている人が副業として別の会社のドラッグストアで働いてしまうと、他の同業者には知られたくない情報が漏洩する確立がとても高くなります。

 

新商品や特売、会社の施策など働いているだけで私たちは知らず知らずのうちにたくさんの情報を得ています。
ついうっかり機密情報を口外してしまうこともないとは言えないですよね。

 

今働いている会社を守るためにも、信頼関係を壊さないためにも、できるだけ誰にも嫌な顔をされないところで働くことをオススメします。

 

この記事を書いた人


野村龍一(医師紹介会社研究所 所長)
某医療人材紹介会社にて、10年以上コンサルタントとして従事。これまで700名を超える医師の転職をエスコートしてきた。担当フィールドは医療現場から企業、医薬品開発、在宅ドクターなど多岐にわたる。現在は医療経営専門の大学院に通いながら、医師紹介支援会社に関する評論、経営コンサルタントとして活動中。40代・東京出身・目下の悩みは息子の進路。

【2018最新版】正社員登録高格付け企業 Best3

薬剤師と副業についての一考察

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