20代薬剤師の転職…成功法則から年収まで

■作成日 2018/2/28 ■更新日 2018/5/9

 

薬剤師は他の職業と比べると比較的、転職しやすいという特徴があります。
そのため薬剤師の平均転職回数は実際に高い傾向にあります。
薬剤師として働く人のうち約70%が今までに転職したことがあるのです。

 

中でも20代の薬剤師は「就活の時に聞いた説明と違う。」「他にやりたいことが見つかった。」「今の職場が自分に合わない。」などの理由により転職について考える機会が多い年代です。

 

また、社会経験が少ないため職場環境の実態を周りから聞けるチャンスもあまりありません。他の20代の薬剤師がどのような理由で転職しているのか、転職する際には何に気をつければ良いのか、などこれから詳しく説明していきます。


20代薬剤師の転職理由って何?みんなの事情を暴露

薬剤師で20代というと大学を卒業したばかりの方や働き始めて数年目というような、まだまだ社会経験が少ない方が多いかと思います。
国家試験の勉強に追われる中で就活をしなければならず、あまり深く考えずに就職先を決めてしまった方もいるかもしれません。
そんな若手の薬剤師が転職に踏み切る理由とは一体何なのでしょうか。

 

1.思っていた仕事と違った

 

20代の薬剤師の転職理由で一番多いのが「思っていた仕事と違った」というものです。

 

「入社前に想像していた仕事と何か違う。」

 

「もっと患者さんに寄り添える仕事がしたかった。」

 

そんな理由で転職を考える20代の薬剤師が大勢います。
入社前に抱いていた、なりたい薬剤師像がほとんどの方にあると思いますが、この像と現実が大きくかけ離れてしまうと「思っていたのと違う。」となってしまいます。

 

やはり、これも初めて社会人になる20代特有の転職理由です。
実際に働き始めなければ分からないことはたくさんありますが、やりたいことが出来ない職場でずっと働く気にはどうしてもなりません。

 

2.職場の雰囲気が悪い

 

あなたの周りにもこんな人はいませんか?口を開けば常に誰かの悪口、まるで愚痴マシンのような人。そんな人が1人いるだけでも職場の雰囲気は悪くなってしまいます。

 

また明らかに顔がムスッとしていて、話しかけにくい人もいます。特に調剤薬局のような狭い空間で毎日働いている人は、とてもストレスを感じるでしょう。
例え仕事にやりがいがあったとしても職場の雰囲気が悪ければ仕事はただの苦痛にしかなりません。

 

3.勤務時間が不規則

 

今日は遅番だけど明日は早番、長く寝られても3時間、こんな事が続くと体力も限界に達し、転職したいと考えるようになってしまいます。
勤務時間は特に営業時間の長いドラッグストアで不規則になりやすい傾向にあります。
学生の頃は別に勤務時間なんて気にして就活をする人はあまりいません。

 

働き始めてようやく不規則な勤務時間のキツさに気づき、毎日決まった時間で働きたいと考え始めるようになります。

 

4.サービス残業が多い

 

「残業代はきちんと支給します!」就活の時に聞いたあの言葉は果たして嘘だったのでは?社会経験が浅い20代の薬剤師に良くある経験です。

 

薬歴が書き終わらない、大量の一包化がまだ残ってる、そういった理由で定刻になっても中々帰れません。
残業代が出るならまだしも「薬歴を書くスピードは人によって差がある」という理由で残業代が発生しないケースが意外と多くあります。
サービス残業が好きな人なんていません。
このような事が頻発するとだんだんと今の職場が嫌になってしまいます。

 

5.給料に不満がある

 

なんとなく今の会社に就職してみたは良いけど、周りの同級生と比べたら給料が少ないことに気づいてしまった。
実はこれも20代の薬剤師に多く見られる転職理由です。

 

学生の時は気にならなくても、いざ働き始めると周りの薬剤師がどれだけ稼いでいるのかがどうしても気になってしまいます。
久しぶりに会う同級生と話している中で自分の年収が低さが気になってきてしまいます。

解決方法は転職だけじゃない!転職の前に、まずは今の職場で出来る事を

今の職場が合わないなら転職してしまえばいいじゃないか。
確かにそうなんです。
嫌なら逃げてしまうのが一番手っ取り早い方法です。

 

しかし、だいたいの人はここである考えがある脳裏をよぎります。

 

「こんなに簡単に転職して逃げてしまっても良いのか。」

 

「転職癖がつかないか。」

 

すぐに転職に走ることにより、忍耐力がないだとか、心が弱いだとかそういうイメージを持たれる可能性もあります。
転職は良い意味でも悪い意味でも人生を大きく変えるきっかけになりますが、いくら薬剤師が転職しやすい環境にあるからと言って、頻繁に転職を繰り返すのは良くありません。

 

では、転職せずに今の職場でやり抜くにはどうしたら良いのでしょうか。

 

1.自分の立場を上げる

 

いわゆる出世です。
出世して自分が上に立つ事ができるようになれば、誰にも文句を言われない仕事環境を自分の手で作ることができます。

 

残業をつけられないのなら、きちんと残業代を貰える環境を作ることもできますし、業務内容を効率化することで、患者さんと向き合える時間を増やすことも出来るかも知れません。

 

2.薬局長や店長レベル以上の人に相談をする

 

出来るだけ偉い人、立場が上の人に店の現状について相談するという方法があります。
今すぐ実行できるので最も手を付けやすい方法です。

 

人間関係のことや労働環境のこと、思っていること悩んでいることを素直に話してみましょう。
なるべく複数人で相談を持ちかけるのがベストです。
相談人数が多ければ多いほど上層部もそれだけ深刻なことだと受け止めてくれ、職場環境が改善させる確立がぐっと上がります。

 

3.異動届けを出す

 

今の仕事内容や給料に不満がある訳ではないけど、環境に耐えられない、そんな思いをしている人に試してほしい方法が異動届けを出すというものです。

 

薬剤師の人数を確保しようとしている店舗が多いので辞められるくらいなら異動させる、と考える職場は多くあります。
異動することにより仕事内容は変らぬまま環境だけを変えることが出来ます。

 

チェーン展開している職場に限られた話になってはしまいますが、こちらも有効な手段の一つです。

どうしても転職する場合の注意点

今できることはやってみたけど、やっぱりこのまま仕事を続けていくのは難しい、もっと自分に合った仕事をしたいとなるとやはり、「転職」という言葉が嫌でも頭に浮かんできます。

 

でも、転職するには少し注意が必要なんです。
いきなり仕事を辞めてしまっては元いた職場に迷惑がかかってしまうことも。そのため転職するまでに、いくつかしておかなければならないことがあります。

 

1.仕事の引き継ぎ

 

いきなり仕事を辞められて周りが困ってしまうのが引き継ぎがきちんと出来ていないということです。

 

「あれ?この仕事はどうやるの?」

 

「この書類はどこにいつも置いてるんだっけ。」

 

あなたが主にこなしていた仕事を他の人に引き継ぎをしないまま転職してしまうと、残された人たちでは仕事のやり方が分からなくなってしまうこともあります。
転職後にわざわざ聞くわけにもいきませんし、かなり困った事態となるのです。

 

穏便に退職したのであればLINEなどで連絡もできるかもしれませんが、辞めた人に連絡を取るのは中々踏ん切りがつかないものです。
自分がいなくても仕事場に迷惑をかけないように、しっかりと業務の引き継ぎをしましょう。

 

2.人間関係を大きくこじらせない

 

職場の環境が嫌で転職したいと思っている方には「そんなこと言ったってもう遅いよ!」と憤慨される方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、立つ鳥跡を濁さずという、ことわざがあるように後味の悪い辞め方はオススメできません。

 

前職での話が転職先に届いてしまう可能性はいくらでもありますし、そこの職場の人ともしかしたらどこかで再び一緒に働く可能性だってゼロではありません。
あなたが思っているより世界は狭い、ということを忘れないでください。

 

3.辞めるということを、あまり周りに公言しない

 

「私、○月に辞めるんで。」ついそう言いたくなる気持ちはとっても分かります。
しかしここは、口に出すのはぐっとこらえましょう。

 

辞める発言をすることによって、周りからは「仕事に対するやる気がない人」というように見られてしまいます。

 

いつもと同じように仕事をこなしているのに、周りからそう見られてしまったらとても損です。また辞めると口に出して言ってしまうことで自分自身を無意識のうちにだらけさせてしまう原因にもなります。
仕事を辞める際はできるだけ悪い印象は残したくありません。

20代薬剤師の職種別年収比較

転職する時に気になるのが、年収です。
どうせ転職するなら年収が高い所に転職したいですよね。
また、同じ年代の年収を知ることで自分が貰っている給料が高いのか低いのかを見分けるポイントにもなります。

 

1.20代全体の平均年収

 

男女、職種関係なく20代の薬剤師の年収を平均は、厚生労働省の発表によると約375万円となります。
ちなみに男性では376万円、女性では375万円なので、20代では年収に大きな男女差はありません。
また、勤務期間が3年を超えた薬剤師の平均年収は500万円前後となっています。

 

2.職種別の年収

 

目安ではありますが、20代の薬剤師の職種別の年収は以下の通りです。

 

  • 病院…320万円~380万円
  • 調剤薬局…380万円~400万円
  • ドラッグストア…400万円~480万円
  • MR…500万円~600万円

 

やはりMRの年収は他とは大きな差をつけて高くなっています。
次いでドラッグストアが高い年収となっています。

 

ただし、ドラッグストアは他の職種よりも残業が多い傾向にあるので注意が必要です。
だいたい400万円前後のお給料を貰っている薬剤師が多いのではないでしょうか。

 

自分の給料と比べてどうでしょうか。
「もっと貰ってるよ!」という人もいれば「私の給料ってもしかして低い?」と不安になった方もいるでしょう。

 

転職は職場環境、仕事内容など様々な変化を伴います。

 

自分の希望する職場を探すついでに年収にもフォーカスを当ててより良い条件で働ける仕事先を見つけましょう。

20代薬剤師が転職に成功するポイント、失敗するポイント

 

目先の条件にだけ目を奪われていては良い転職はできません。
せっかく転職したのに仕事環境が改善されなかった、転職して後悔した、とならないようにするためにも、いくつかのコツを押さえておく必要があります。

 

1.転職に成功するポイント

 

人間関係や職場の雰囲気というのは、実際にその職場で働き始めないと中々分かりません。
しかし、実は転職前にそれを知る方法があるのです。
それが転職サイトのコンサルタントの方を利用するというものです。

 

コンサルタントの方は日々いろいろな情報を仕入れているため、職場の雰囲気なども知っていることがあります。

 

聞けば「ここの薬剤師はすぐに辞めていくよ。」「ここは居心地が良いみたいだよ。」と知っていることは教えてくれます。
職場環境というのは働く上でかなり大事なポイントとなるので、この手を使わない理由がありません。
職場の雰囲気以外にも残業のことだったり、勤務時間のことだったり、気になることは遠慮せずに何でも質問するのが転職成功の鍵です。

 

そして、実際に面接をする時にはできるだけ前向きな発言をするように心がけてください
嫌だから辞めた、ではなく「もっと○○したいから辞めた。」と言えば聞こえ方はかなり変ります。
20代というまだ若いうちの転職ですので「行動力のある人」と面接官に思ってもらえることもあります。

 

2.転職に失敗するポイント

 

どうしても高い年収の求人に惹かれてしまいます。
年収をアップさせるには転職は最も成功させやすい方法です。
しかし、年収だけ見て転職してしまうと後々「失敗した。」と思うことになるでしょう。

 

実は年収の高い求人にはそれなりの理由があることが多いのです。
立地もありますが、1人薬剤師だったり応需科目がメンタルメインだったりすることが多いのです。

 

年収はあくまでもオマケと考えて本当に自分がやりたいことができる職場なのかを見極めることが必要です。

 

また、あまりにも小規模な職場に転職してしまうと仕事量が極端に少なく、まったくスキルアップができないという事態に陥ってしまうこともあります。
1日の処方箋枚数や薬剤師の人数なども考慮して職場を選ばないと暇すぎたり、逆に忙しすぎたりで思うような仕事ができなくなります。

 

そして最後に一番気を付けるべき事があります。

 

それは嫌なことから逃げ、転職癖がつかないようにしなければならない、という事です。

 

転職を20代のうちに繰り返しすぎるといくら薬剤師であっても段々と転職先がなくなってきます。
転職歴が多いと面接の時にあまり良くない印象を与えてしまいます。逃げ道に頼らない方法も時には考えなければなりません。

 

この記事を書いた人


野村龍一(医師紹介会社研究所 所長)
某医療人材紹介会社にて、10年以上コンサルタントとして従事。これまで700名を超える医師の転職をエスコートしてきた。担当フィールドは医療現場から企業、医薬品開発、在宅ドクターなど多岐にわたる。現在は医療経営専門の大学院に通いながら、医師紹介支援会社に関する評論、経営コンサルタントとして活動中。40代・東京出身・目下の悩みは息子の進路。

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