なりすまし医師(ニセ医者)と医師紹介会社の問題

■ 記事作成日 2013/8/17 ■ 最終更新日 2016/5/30

まん延する「なりすまし医師」についてNHKが特集

なりすまし医師(ニセ医者)と医師紹介会社の問題

※画像はNHKオンラインより引用

 

2012年11月1日のこと。NHK朝のニュース番組である「おはよう日本」にて、まん延する「なりすまし医師」問題の特集が組まれました。実際の特集では医師だけでなく、看護師、一級建築士といった、所謂「国家資格」に広く跋扈するニセ有資格者への追跡取材が行われ、大きな反響が得られました。

 

医師のなりすまし事件については、そのいくつかの背景に一部の医師紹介会社が絡んでいたことも発覚しております。本来、登録した医師の資格有無をはじめ、あらゆる面からヒアリングおよび反面調査をした上で医療機関への医師人材紹介を行っているはずの医師紹介会社が、なぜ社会的大事件につながるようなニセ医師を派遣してしまったのでしょうか。それは、杜撰な登録作業を行ってきた医師紹介会社が、過去に一部、確実に存在していた事を表しています

 

反面、真面目な努力でニセ医師を排除し、愚直に仕事に打ち込んでいる医師紹介会社も多数我々は知っております。なりすまし医師事件の報道が起きると、それら真面目な医師紹介会社までもが一方的にそしりを受けるケースもみられました。

 

医療業界、および、医師紹介会社業界の正しく健全な発展を望む当研究所では、今後同じような「なりすまし医師」「ニセ医者」を医師紹介会社が登録、医療機関に紹介してしまう事件を防ぐためにも、今あえて過去のなりすまし事件について振り返り、今後、医師紹介会社業界が取るべく対策を考えてみようとおもいます。


度々なりすまし医師(ニセ医者)が現れる背景

比較的最近に発覚した「なりすまし医師」「ニセ医者」事件についてのマスメディア記事を引用しておきましょう。これらをみれば分かるとおり、毎年必ずどこかで発覚すると言ってよいほど、かなりの頻度でなりすまし医師問題がみつかっていることとなります。

 


2002年発覚 診療所の女逮捕 東大卒と偽り10年

 

東大卒の医師と偽り無資格で診療行為をしていたとして、警視庁生活環境課と板橋署などは9日、東京都板橋区弥生町、医療法人延寿会「中板橋南診療所」勤務の中村涼子容疑者(52)=同区仲町=を医師法違反(無資格医業)容疑で逮捕。また、同容疑者に診療行為をさせていたとして内縁の夫で医師の同診療所院長、小出雅彦容疑者(52)=同=も同容疑で逮捕した。

 

調べでは、中村容疑者は医師資格がないのに、99年12月?今年7月までの間、高血圧などの治療で同診療所を訪れた同区の無職女性(37)ら患者11人に、血液検査などの診療行為をした疑い。

 

中村容疑者は92年の同病院の開業当時から、内科部門を担当。患者には「ドイツに留学していた」「東大で脳外科などの手術もした」などと話していた。約20人の同僚医師や看護師は、中村容疑者が偽医師であることに気づかなかったという。

 

(引用元:毎日新聞

 


2005年発覚 偽造医師免許コピーで8年半、容疑の33歳逮捕

 

1997年から約8年半、医師の免許がないのに医療行為を続けていたとして、警視庁生活環境課は6日、東京都目黒区南1、自称医師・山城英樹容疑者(33)を医師法違反(無資格医業)の疑いで逮捕した。

 

同課によると、山城容疑者はこの間、約20の医療機関で医療行為に従事していたが、事故を起こしたことはなかったという。調べによると、山城容疑者は今年9月、瑞江脳神経外科医院(江戸川区)で、医師の免許がないのに内科医として勤務し、女性患者(49)に問診や投薬などの医療行為を行った疑い。調べに対し、山城容疑者は「免許がないのに医療行為をした」と容疑を認めている。

 

山城容疑者は現在、同医院や佐々総合病院(西東京市)など4か所の医療機関で内科医や当直医として勤務。外科手術以外の大半の医療行為を扱っていたといい、昨年は計約2000万円もの収入があったという。

 

山城容疑者は、医療機関側などに「北京大学を卒業」「慶応大医学部を卒業」などと話していたが、実際は、定時制高校を中退。採用の際には、偽造した医師免許のコピーを提出していた。コピーには、各医師に割り当てられた「医籍番号」も記載されていたが、山城容疑者とは無関係の女医の番号だった。

 

都病院経営本部によると、山城容疑者は97年5月から約1年間、医師に付いて医療行為を学ぶ「見学生」として都立広尾病院(渋谷区)にも通っていたという。同本部では、「患者のプライバシーを侵害した可能性もあり、申し訳ない」と話している。

 

山城容疑者を医師として採用していた東芝ヒューマンアセットサービス(港区)の親会社、東芝の広報室は、「2001年6月から外科のアルバイト医として勤務している。免許のコピーが偽造とは、見た目では判断できなかった」と驚きを隠せない様子だった。

 

(引用元:Yomiuri Online

 


2008年発覚 無資格で30年間医療行為、無職65歳男を逮捕

 

医師免許がないのに医療行為を行ったとして、千葉県警環境犯罪課と千葉西署は20日、医師法違反(無資格医業)の疑いで市川市幸の無職、長谷川幸夫容疑者(65)を逮捕した。

 

長谷川容疑者は実在する男性医師の免許のコピーを所持。この医師の名前をかたるなどして約30年間にわたって都内と船橋市内の診療所で、医療行為を行っていた。これまでのところ、医療事故や健康被害などの報告はないという。

 

調べによると、非常勤の整形外科医として船橋市湊町の「医療法人社団青山会船橋診療所」に勤務していた長谷川容疑者は、昨年10月から今年10月にかけて、同所や船橋市医師会が設置した当番医制の「船橋市夜間休日急病診療所」で、4歳の男児2人を含む船橋市在住の男女10人に注射や薬の処方などを行った疑い。

 

平成16年4月ごろから、今年10月までに、少なくとも延べ約3100人の診察を行っていたとみられる。「金が必要だった」と容疑を認めており、県警はコピーされた医師免許の入手方法や余罪についても追及している。

 

長谷川容疑者は昭和53年ごろから、東京都墨田区の診療所(13年3月に閉鎖)にレントゲン車の運転手として勤務。医師らが次々と辞めていったため、身体測定などを手伝うようになり、昭和55年ごろから医療行為を行うようになったという。平成6年ごろ船橋診療所に採用され、10年4月に船橋市医師会に登録していた。

 


2010年発覚 ニセ医者、1府2県で健診 詐欺未遂容疑で無職男逮捕

 

医師免許がないのに診療所などで健康診断をし、診療報酬をだまし取ろうとしたとして、大阪府警枚方署は6日までに、詐欺未遂容疑で、同府交野市藤が尾1の4、無職加藤義勝容疑者(43)を逮捕した。

 

枚方署によると、加藤容疑者は「わたしは偽医者です。医師免許は持っていません」と供述。医師の人材紹介会社大手「リンクスタッフ」(東京)に医師として登録し、7月中に大阪、滋賀、鳥取の1府2県の計6カ所で健康診断をしていた。

 

逮捕容疑は7月27日、医師免許があると虚偽申告してリンクスタッフから紹介を受けた大阪府の民間診療所で、団体職員の問診や聴診をし、診療報酬約6万円を自分の銀行口座に振り込ませようとした疑い。この日はほかの医師と2人で約200人を診断していた。

 

枚方署によると、紹介先からの苦情や面接での受け答えに不審な点があったため、リンクスタッフが110番した。リンクスタッフは「捜査中なのでコメントできない」としている。

 

(引用元:47NEWS

 


2010年発覚 高校球児も常連、無免許治療容疑で女逮捕

 

医師免許がないのに整体院で電気治療して重傷を負わせたなどとして、千葉県警環境犯罪課は18日、医師法違反と業務上過失傷害の疑いで、同県船橋市の無職村田愛子容疑者(52)を逮捕した。

 

村田容疑者は高校野球の甲子園出場常連校に出張治療して評判になり、整体院には少なくとも10都府県以上の45校の野球関係者が訪れていた。

 

村田容疑者は「生活費を稼ぐためにやった。ケガをさせなければ良いと思っていた。申し訳ないことをしてしまった」などと供述している。逮捕容疑は08年11月〜昨年12月、同市内の整体院で、医師の免許がないのに茨城県の農業男性(58)ら4人に電気治療を実施。このうち船橋市の自営業男性(74)の首に約1カ月のやけどを負わせた疑い。

 

村田容疑者はあん摩マッサージ指圧師の資格もなかった。約15年前から整体院を1人で経営し、ひと月に延べ約120人が来院。施術を受けたことがある野球関係者は「信頼していた人なので残念としかいえない」と話した。

 

電気治療は1人当たり15分程度実施するのが一般的とされるが、村田容疑者は約7時間行い、約7000円の治療費を受け取っていた。

 

(引用元:スポニチアネックス

 


2011年発覚 自称医師の42歳男逮捕 宮城・石巻の被災地で活動

 

東日本大震災の被災地、宮城県石巻市で資格を持たずに医師の名称を使ったとして、宮城県警石巻署は19日未明、医師法違反(名称の使用制限)の疑いで住所不定、「米田きよし」こと職業不詳の米田吉誉容疑者(42)を逮捕した。

 

逮捕容疑は、今年6月下旬ごろ、石巻市で同市社会福祉協議会の職員に対し、医師の資格がないのに「医師国家資格認定証」などと記載されたカードのコピーを提出するなどして医師の名称を使った疑い。調べに対し「自分は医師だ」と容疑を否認しているという。

 

(引用元:47NEWS

 


2012年発覚 医師なりすまし男逮捕…病院事務3か月経験のみ

 

東京都板橋区の高島平中央総合病院で医師になりすました男が区民健康診断をしていた問題で、警視庁と長野県警の合同捜査本部は24日、世田谷区中町、自称医師、黒木雅(みやび)容疑者(43)を詐欺や医師法違反(医師の名称使用制限)などの疑いで逮捕した。黒木容疑者は健康診断などの医療行為のほか、長野県内の医療機関でも健診をしていた疑いが持たれており、同庁などで捜査を進めている。

 

発表によると、黒木容疑者は09年6月、都内の人材紹介派遣会社に「黒木良太」の偽名で登録し、「山梨医科大医学部卒」とウソをつき、偽の医師免許のコピーを提出。同社の紹介で10年6月〜11年11月、高島平中央総合病院に非常勤医師として勤務し、区民の健康診断を行い、病院から報酬計約260万円をだまし取った疑い。

 

黒木容疑者は山口大教育学部を中退後、横浜市内の病院の事務を3か月間していたが、医師や看護師の国家資格は持っていなかった。調べに対して容疑を認め、「生活費にあてたかった。健康診断ぐらいならできると思った」と供述しているという。

 

(引用元:Yomiuri Online

 


2013年発覚 医師装い診察した疑い、診療所経営者ら逮捕

 

診療所で医師免許を持たずに診察したとして、警視庁生活環境課などは14日、「高尾クリニック」(東京都八王子市)の元実質経営者で柔道整復師、城代明俊容疑者(45)と元事務職員、真下剣容疑者(45)を医師法違反(無資格医業)の疑いで逮捕した。

 

同課によると、城代容疑者は2010年12月以降、週1回、内科や皮膚科などを担当。実際に患者に注射を打ったり、巻き爪の手術をしたりしていた。同容疑者が診察した患者は約2年間で延べ約8180人。約2400万円の診療報酬を得ていたといい、同課などは詐欺の疑いでも調べを進める。

 

城代容疑者の不正は今年1月、「医師免許を持っていないのではないか」との看護師らの指摘を受けた内部調査で発覚。同容疑者が持っていた医師免許を調べたところ、本来施されているはずの「すかし」が入っておらず偽物と判明した。

 

2人の逮捕容疑は11年1月〜12年12月、医師の資格がないのに診察や薬の処方などをした疑い。高尾クリニックは今年2月から業務を停止。同課などによると、患者らに健康被害などの訴えはないという。

 

(引用元:日本経済新聞

 


2013年発覚 別人なりすまし診断の容疑で元医師を逮捕

 

別の医師になりすまし診断したとして、県警生活経済課と茅ケ崎署は29日、詐欺や医師法違反などの疑いで、さいたま市、元医師のアルバイト河村直樹容疑者(59)を逮捕。同容疑者を雇った病院から紹介料をだまし取ったとして、詐欺などの疑いで、東京都世田谷区、会社社長山形精隆容疑者(48)(※注:医師紹介会社「ドクタープラネット」代表取締役)を逮捕した。

 

逮捕容疑は、河村容疑者を非常勤医として茅ケ崎市内の病院に雇用させようと共謀し、昨年11月16日、愛知県に住む男性医師の医師免許証のコピーを同病院に提出。同容疑者は給与5万円を、山形容疑者は紹介料1万500円をだまし取った、としている。また河村容疑者は同日、同病院で亡くなった女性患者の死亡診断書を作成するなどした、としている。

 

県警によると、2人は容疑を認め、河村容疑者は「免許を取り消され、金に困っていた」、山形容疑者は「(河村容疑者が)生活に困っていたので紹介した」と供述。河村容疑者は昨年3月に免許を取り消されていた。山形容疑者の会社は当直の非常勤医などを病院に紹介しており、過去に仲介したことのある医師の免許を悪用したという。

 

県警の調べでは、河村容疑者は昨年9月以降、ほかに千葉県や都内の3病院に勤務。「(風邪やインフルエンザなどの)患者50人ぐらいを診察した」と供述している。

 


2014年発覚 ニセ医者の人気講演、つかみは「佐村河内ネタ」…工学博士騙る“余罪”も

 

医師免許を持たない神戸市西区の男性(55)が医学博士や医師と偽り、約10年間にわたって講演活動やラジオ出演をしていた問題は、男性が依頼を受けて講演していた兵庫県三木市に講演料109万円を返還し、「もう講演活動はしない」と反省の弁を述べて一応の終息をみた。だが、男性のことを信じて講演会に足を運び、出演するラジオに耳を傾けていた市民や関係者の間では、怒りと落胆が今も収まらないままだ。一方、この問題の発覚後、男性の過去を知る人物からは、20年以上前に“工学博士”として活動していたという驚きの証言も寄せられた。

 

(引用元:msn産経ニュース

 

また、2012年に「米ハーバード大研究員も務める東京大特任教授」の肩書で現れ、「iPS細胞を使った世界初の心筋移植手術の実施」を主張して世間を大いに騒がせた、医科学研究者の森口尚史氏による騒動も記憶に新しいでしょう。

 

最終的には森口氏が医師免許を保有していない「なりすまし医師」の疑惑が取り沙汰され(看護師資格のみ保有している事が確認されました)、当人の嘘に読売新聞医療班がばっちり騙されてしまい、2012年10月11日の朝刊で大々的に誤報を打つという顛末を見せています。

 


森口氏、医師資格なし…米大関連病院在籍1か月

 

森口尚史(ひさし)氏(48)は、東京医科歯科大大学院修了。 1993年に看護師資格を取得したが、日本の医師国家資格は持っていなかった。しかし読売新聞の取材に 対しては、iPS細胞から心筋の細胞を作り、自身が注射を用いるなどの医療行為を行い、患者の心臓に 移植したかのような説明をしていた。

 

また森口氏は今回の取材に対し、ハーバード大の「客員講師」だと名乗ったが、同大関連のマサチューセッツ総合病院によると、森口氏が病院に在籍したのは99年11月末〜翌年1月の1か月余りで、胃腸科で研究員をしていた。同大によると、それ以降は病院とも大学とも何の関係もなくなったという。

 

森口氏は今年7月にも、本紙記者にがん患者への体外受精法を開発したと伝えてきたが、この時は「東京大学医学部iPS細胞バンク研究室室長」とメールに記載していた。今回の事態を受け改めて調べたところ、東大にはその組織自体が存在しないことも分かった。

 

森口氏を巡っては、今回問題となった以外にも、研究実態が不明な論文が見つかった。

 

10年に米国肝臓病学会誌で発表した論文は、森口氏と東京医科歯科大のグループが、iPS細胞を使いC型肝炎の効果的な治療法を発見したとして、読売新聞が報じた。しかし、東京医科歯科大は12日、「(同大で)このような実験や研究が行われた事実はない」とするコメントを発表した。

 

東大先端科学技術研究センター(先端研)や東大病院によると、森口氏は99年8月から10年まで先端研で客員助教授や特任教授などを務め、知的財産や医療経済などの研究に従事、10年3月から東大病院に移り、現在も同病院の特任研究員を務めている。細胞や臓器の凍結保存技術の開発補助の担当だという。

 

事態を重く見た東大病院や東京医科歯科大は、森口氏が関係する共著も含む論文や研究そのものの再検証に乗り出した。

 

(引用元:Yomiuri Online

 

なりすまし医師(ニセ医者)と医師紹介会社の問題

森口尚史氏のiPS細胞臨床治療を報じる読売新聞引用元

 

なりすまし医師(ニセ医者)と医師紹介会社の問題

殺到するマスコミの囲み取材に応じる森口氏

 

このように、事例に上げるのがきりないほど「なりすまし医師」「ニセ医者」に纏わる事件は多く、その度に世間を騒がせています。しかし、これほどまでになりすまし事件が起きる背景には、どのような原因があるのでしょうか。

 

あなたはかつて「ニセ医者」と揶揄されることも多かった「医介補」という職業を知っていますか?

 

戦後、日本では戦時中に従軍医師の助手として任務にあたっていた「元衛生兵」が、資格を持たないニセ医者として医院を開業していることは珍しくなかったといいます。また、米軍統治下の沖縄のように極度の医師不足に陥った地域は、GHQにより臨時的に医療行為を行うことを許された元衛生兵などを「医介補」という代用医師として認めていた事実があります。

 

医介補については、実際に2008年までに最後の医介輔として宮里善昌(みやざと ぜんしょう)さんという方がおり、彼の生涯をモデルとしたドラマ「ニセ医者と呼ばれて 〜沖縄・最後の医介輔〜」は、日本テレビ系列で2010年にテレビ放送され、現在でもDVDで購入する事が可能です。

 

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このドラマは私もじっくり見させて頂きましたが、当時の医介補職についていた方々の苦悩が痛いほど伝わってきました。制度上認められた存在でありながら、医師資格がないことから差別を受け、それでも地域医療に情熱を燃やす「ニセ医者」と呼ばれた人々は確かに存在したのです。

 

しかし、今回取り上げるのはそういった「医介輔」の方々とは全く異なる背景、悪意と自己利益目的のみに突き動かされて医師になりすました「ニセ医者」のケースですので、お間違えないようにお願い致します。

 

昭和40年代から摘発が増える

 

先の理由で戦後増加したと言われるニセ医者ですが、昭和40年代に入り次々と摘発が始まったと言います。一節によると、昭和50年代までに、毎年100件程度のニセ医者、なりすまし医師が検挙されたと言われています(※数字の裏付けソースはみつかりませんでした)。
平成26年警察白書によると、平成21年度からの医師法違反による検挙者数が増え続けていることがわかりますが、これら発表数の中の何割が「無視各医師による医行為での検挙」かは発表されていません。

 

 

なりすまし医師のパターン

 

なりすまし医師、ニセ医者の素性には下記のパターンがみられます。

 

  1. これまで全く医療と関係がなかった人物
  2. 元々医療関係の職に従事していた人物(医師の配偶者、看護師、技師等)
  3. 事件事故を起こして免許を剥奪された「元」医師

 

やはり医師という職業は、一般人にとっては未知なる難しい職業であると認知されているので、過去に医療と全く無関係だった人物がニセ医者として活動するのは難しい側面があるようです。大多数のなりすまし事件で摘発された人物は、過去に何らかの形で医療現場に関わっていた人物であることがわかっています。

 

iPS細胞騒動の森口尚史氏などは、東京医科歯科大学を卒業(看護学科ですが)した上、常勤ではないにせよ、経歴の上では財団法人医療経済研究機構調査部長、ハーバード大学メディカルスクール・マサチューセッツ総合病院客員研究員、東京大学先端科学技術研究センター特任教授、東京大学医学部附属病院特任研究員等を歴任と謳っておりますので、その本人が「私は医師であり、(iPS細胞を使って)世界初の心筋移植手術をした」言い張れば、確かに初見では誰もが信じたくなる話です。

 

一方、整体師などの医療関連業務についている人物が、自らの業務範囲を拡大する目的で医師を語理始めるケースも目立ちます。2010年の千葉県で起きたニセ医者事件では、無免許整体師の村田愛子容疑者(52)が患者に無資格で電気治療を行い怪我を負わせています。

 

このように、医療および周辺業務に何かしら関与した人物が犯人となるケースが多いのですが、2011年に東日本大震災被災地の石巻市で医師を語って、無資格医療行為を行っていた米田吉誉容疑者(42)などは、前職が専業デイトレーダーだったというからその大胆さには驚きです。

 

ニセ医者、なりすまし医師が現れる直接的な背景

 

世間にバレれば即座に逮捕されることがわかりきっている「ニセ医者」「なりすまし医師」稼業は非常にリスクが高い生業であるといえます。それにもかかわらず、何故、かくも多くのなりすまし事件が発生するのでしょうか。ニセ医者として世間の目を欺く目的、メリットは下記のように分類されます。

 

  1. 金銭目的
  2. 医師不足に着目した就業(?)の容易さ
  3. 他の仕事に就業することが難しい(元医師など)ケース

 

1の「金銭目的」ですが、「なりすまし医師」「ニセ医者」の多くが開業医、もしくは、複数の職場を高給与で渡り歩く非常勤医師(常勤医師より総給与を多く得られるケースが多い)であることから、ストレートに金銭を比較的楽に稼げる誘惑に溺れたケースです。

 

2005年に東京で発覚したなりすまし医師事件の犯人 山城英樹容疑者は、8年もの長きにわたって医師を語ることで年収2000万円を得て、高級外車を乗り回し、モデルのような美女と同棲生活を送っていたと報道されています。2012年に東京都板橋区の高島平中央総合病院でニセ医者であることが発覚した黒木雅容疑者も、3000万円以上を荒稼ぎしていた報道がされています。どうもニセ医者は元手が少なく儲かる仕事であることは間違いなさそうです。

 

2の「医師不足に着目した就業の容易さ」は、2011年石巻市で無資格医療行為が露見した米田吉誉容疑者などが該当します。混乱する震災被災地にて、医師を自称する人物の素性についていちいち調べる人がどれだけいるのでしょうか?ということですね。恐らく、吉田容疑者もその旨当初から予測して詐欺活動を開始したのではないかと思われます。

 

3の「元医師」が就業先に困って無資格医療行為を行うケースは、2013年に東京で別人医師になりすましていたことが発覚した河村直樹容疑者のケースがあてはまります。この事件では、医師紹介会社のドクタープラネット社長が同じく逮捕されており、一部の医師紹介会社がなりすまし医師事件に関与するケースが露見した、看過できない事件です。

 

他には少数派ですが「医師としてもてはやされるのが気持ちいい」ので辞められなかったという人物もいました。

 

時々メディアに出てくる医療関係者では、医師資格が曖昧だったり、学歴が実際とは異なったりする人物がいるので驚かされます(※マスメディアの医療番組には当研究所も係るケースがあり、こういったなりすまし事案については常に番組関係者に警鐘をならしております。それでもダマされてしまうケースがあるようですが・・・)。

 

なりすまし医師(ニセ医者)と医師紹介会社の問題

ラジオ局で「医学博士」として番組MCを8年務めていた金華洙容疑者(画像引用:FMみっきい

なりすまし医師らの手口

なりすまし医師達も、如何に就業時に医療機関の人事的観察を突破するかが「食べていくための肝」になります。実際に起こったなりすまし医師事件での手口はほとんどがパターン化されているようです。

 

  1. 医師免許証の偽造
  2. 個人情報保護を隠れ蓑にして経歴調査を免れる
  3. 創作された華麗な経歴と人当たりの良さ

 

多くの「なりすまし医師」「ニセ医者」事件で、医師免許証の偽造が行われています。医師が就業する際に、厚生労働省では透かしの入った医師免許証の原本確認を医療機関(実務上、医師紹介会社も含まれます)に強く薦めていますが、再発行がほとんどできない医師免許証はとても大切なもの。よく医院や医師自宅の額縁に飾られているケースがありますが、医師によっては貸し金庫に保管している人がいるくらいです。

 

そのような重要証書であり、しかも、まるで症状のように物理的に大きなものをホイホイと持ち歩いて就業面接に出かけることを、普通の医師はとても億劫に感じるでしょう。ましてや、複数の職場をかけもちしている非常勤医師や、短期で多数の医療現場と係るフリーランスの医師(アルバイト医師)にとっては尚更です。

 

医療機関側もそういった医師の事情を知っているものですから、とりあえず医師免許証のコピーさえ持参してもらって、1日でも早く現場に出てもらいたいという本音を隠しません。

 

結果、偽造医師免許証での就業が容易となり、2008年に千葉で発覚した長谷川幸夫容疑者などは、偽造された医師免許証を使って30年間も無資格医療行為を行っていました。ちなみに、この長谷川容疑者は元レントゲン車の運転手です。

 

韓国で謎の証明書「医師国家資格認定書」を作成して朝日新聞記者を信用させた男

 

なりすまし医師(ニセ医者)と医師紹介会社の問題

画像はJNNニュースより

 

このように、医師免許証の偽造は「なりすまし医師」「ニセ医者」の稼業にとって、周囲を騙すためのとても大きなキーアイテムとなります。偽造の仕方もそれぞれで、インターネットから画像を拾ってきて自分の名前に書き換えたり、実在する医師の名前を語ったりというパターンが多いです。

 

中には、外部の業者に2万円を支払って「医師国家資格認定証 小児科 米田きよし」と書いたカードをを作成してもらい、周囲の人々を信用させていた男までいます。

 

尚、朝日新聞は米田被告について、記事にまでしてしまっています。大手マスメディアですら、本物の医師と偽物の医師の区別がつかず、すっかり騙されてしまうという醜態を晒す結果となってしまいました。

 

後に朝日新聞は「全文を削除する」とのおわび記事を朝刊社会面に掲載する事態に陥りますが、米田被告は週刊ポストの取材にて「(医師資格を)確認もせず自分をとりあげる朝日新聞はアホ」と熱弁をふるいました。

 

iPS細胞の森口氏を大スクープとして取り上げた読売新聞といい、このケースの朝日新聞といい、天下の大新聞による取材先身元調査・考査がこの程度ではたかが知れると揶揄されても仕方ない結果となっています。

 

なりすまし医師(ニセ医者)と医師紹介会社の問題

 

2011年8月10日の朝日新聞「ひと」

 

被災地で「ボランティアの専属医」を努める米田きよしさん(42)。宮城県最大のボランティア拠点・石巻市。震災後、のべ約8万7千人が訪れた。ここで「ボランティアの専属医」を務めている。泥出し作業中に釘やガラスを踏む人、家財道具の運搬中に手足を挟む人、ぎっくり腰になる人、持病の薬を飲み忘れて重体になる人もいる。

 

「ボランティアの基本は自己責任」が口癖だが、善意で集う人を放っておけず、彼らが生活する石巻専修大学のテント村に3月半はから住み着いた。

 

「ボランティアのボランティアや」。救護所では、破傷風の予防や熱中症の患者をはじめ、250人余りを診察してきた。

 

本来はカナダにある大学病院に所属する小児救命救急医。1999年に国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の派遣医になり、ルワンダの診療所で働く。

 

休暇で日本へ帰国中に東日本大震災と遭遇、NGO「カナダ医療支援チーム(CMAT)」のメンバーとして被災地に入った。震災直後、生存者の捜索を手伝ったが、大半は遺体だった。

 

「日本だから薬が手に入って助かった命がある。便利さに慣れ、ガソリンや電気がないからと柔軟に対応できなかった悔しさもある」自らの故郷で大量のボランティアを診ることになるとは考えもしなかった。いまだに受け止められない気もする。少なくとも年内は石巻に腰を据えるつもりだ。

 

文・藤森かもめ 写真・飯塚晋一

 

ネットとPCを駆使して自分で偽造するケースも現れた

 

2012年に東京都板橋区高島平中央総合病院にてなりすまし医師行為を行っていた犯人の黒木雅被告は、医師免許証画像をインターネットより入手。自身で名前を書き換えて偽造した医師免許証を作成し、それを医療機関に提出して信用させていました。

 

このケースにおいても「透かし」の入ったはずの医師免許証の確認を医療機関側が怠ったようです。また、健康診断時期の医師不足が要因で、医師免許原本の提出を現場で徹底していなかった事実についても報道されています。残念ながら黒木雅被告も都内の医師紹介会社を通じて就業先を探していましたが、この医師紹介会社も医師免許証の真贋を見抜けていなかった事がわかっています(※具体的にどの医師紹介会社なのかは調べても名前がでてきませんでした)。

 

尚、黒木容疑者の裁判模様はこちらで詳細を見ることが出来るのですが、(この人の結婚生活には)少々同情を禁じ得ない部分も無きにしもあらずでした・・・かといって、無資格医行為は行って良いものではありませんが。

 

何故、なりすましを見抜けないのか?

 

さて、何故ここまでなりすまし医師、ニセ医者のまやかしを見ぬくことができないのか不思議に思われます。その理由についても、個別事件ケースの背景とそれぞれに共通する事情などを洗い出すとわかってくることが有ります。

 

  1. 意図的に専門性の低い業務(健診等)のみを行っていた
  2.  

  3. 周囲とグルになり、なりすましを続けていた(複数のニセ医者が勤務する医院、内縁・血縁関係を巧みに利用など)
  4.  

  5. 医師免許を確認する者が周囲にいなかった、機会がなかった
  6.  

  7. 医師不足により医師への「遠慮」があった(※医療機関が聞きたいことを聞けない環境だった)
  8.  

  9. 医師免許を確認しても、それがニセモノであることに気が付かなかった
  10.  

  11. 個人情報保護を盾にされ、なりすまし医師の過去職歴を調べることが事実上困難だった
  12.  

  13. 本人がバレないように同僚に優しく、常日頃から控えめ謙虚な態度を取ることに衷心し、周囲から「好かれて」いた
  14.  

  15. 高スペックの虚偽経歴に反し、医学用語を使わず(使えず)、平易な言葉で話すために、返って患者から好かれるケースが多かった。
  16.  

  17. 上記の結果、医療機関としても「患者に評判のよい先生」ということで雇用価値を見出すケースが多い(専門性や腕を買われるケースはまずみうけられない)。

 

過度な個人情報保護の弊害

 

こういった「なりすましを見抜けない理由」が存在していたことがわかります。私共が特に気になったのが、近年の過度な個人情報保護に対する神経質なまでの環境変化です。

 

個人情報保護意識の高まりによって、医療機関が就業希望者(医師)の過去職歴を徹底的に調べることができない現状はとても憂慮すべきものであると思います。過去の在籍確認電話については、ほとんどの医療機関が「回答をお断り」している現状があるなか、就業希望医師の職歴を別途ルートで調べるのは並大抵のことでは務まりません。現実的には不可能といってよいでしょう。

 

医局崩壊による人的ネットワーク外の医師は「面が割れない」現実がある

 

また、以前は医局という狭い顔の割れた世界ですべての医師が研修を行っていたので、事実上、外部の人間が紛れ込むのは非常に難しい状況がありました(○○大学医学部出身という詐称が「顔」で見破ることができました)。

 

ところが医局制度の崩壊により、大学病院と地域関連病院を繋いでいる医局人的ネットワーク外から偽物が紛れ込んできても、それに誰もが気づきづらくなくなってしまいました(もしくは、気づくまでに時間が要するようになってしまった)。

 

医師紹介会社の功罪

 

「なりすまし医師」「ニセ医者」事件には、医師紹介会社の怠慢な本人確認業務も1つの原因として上げられています。実際、過去複数の無資格医療行為事件の背景には、医師紹介会社から紹介されて就業してきたニセ医者が確認されています。

 

実際に医師紹介会社業界を応援する立場から言うと、意図的になりすまし医師を医療機関に紹介したのはドクタープラネット社のみしか確認されておりません(この事件は医師紹介会社のトップも逮捕されています)。

 

例えば、同じくニセ医師を医療機関に紹介してしまった医師紹介会社としてリンクスタッフ社がありますが、同社では自らが登録者が「ニセ医師であると疑わしい」として、警察に自発的に連絡をして、それがきっかけで犯人検挙につながっています

 

このことから、決してリンクスタッフ社が「なりすまし医師」の登録を意図的に認めタわけではないことがはっきりしていますが、結果として、同社の杜撰な本人確認業務の怠慢により、なりすまし医師の跋扈を一定期間許してしまう結果につながったのは残念ですが間違いありません。

 

他の例でも、春や秋といった健康診断ニーズが集中する時期に、短期労働者的立場であるアルバイト医師の本人確認を綿密に行う意識と業務付加的余裕が医療機関、医師紹介会社共に希薄だったという話は耳にします。

 

また、保健診療と比べて、保健登録のない自由診療は、行政監視の目が行き届きにくく、なりすまし医師が入り込む余地が生じました加えて、特別な診療技術、治療技術を必要としない健康診断分野だと、その傾向がなおさら顕著であったことがよくわかります。

対策を取り始めた医療業界と周辺業界

こういったことから、行政、医療機関をはじめ、医師紹介会社においても具体的な「なりすまし医師」「ニセ医者」排除対策が強く求められるように成りました。具体的にはそれぞれ下記のような対策を行い始めました。

 

行政や医師会も対策に乗り出す

 

まず厚生労働省ですが、医療機関向けに、医師・歯科医師を確認する「医師等資格確認検索システム」の改修を行い、2013年8月27日から新しい検索システムの稼働を始めました。今回のシステムでは、氏名と生年月日、性別、医籍登録番号、医籍登録年月日の全てを入力して検索することで、登録有資格者の真贋確認が可能となっています。

 

ただし検索対象が「2年に1度の医師調査に自ら調査票と出した人物のみ」とされており、万が一「私は調査票を出していない(出し忘れた)」となりすまし医師が言い張った場合にどうするかは不明のままですが、以前の物故者まで検索結果に出てくるデータベースよりはずっとマシかもしれません。

 

「医師等資格確認検索システム」 http://licenseif.mhlw.go.jp/search/index.jsp

プレスリリース

 

また、日本医師会では医師資格証(ICカード)の発行(日本医師会電子認証センター)を行い始めました。ただし、このICカードを医師が所有するには、自ら毎年5000円(日本医師非会員は1万円)を負担しなければならず、全ての医師がICカードを所有するわけではないために、なりすまし医師防止の実効性は薄いように思われます。

 

医師紹介会社の具体的な対策一覧

 

ただ、医師紹介会社それぞれの対策といっても、基本的にこれまでの本人確認業務と大差がない努力目標に近いものであり、何かしら決定的に効果のあるような、なりすまし医師防止策を独自に導入している様子までは伺えません。今後も一貫して、医師紹介業界の課題で在り続ける可能性が高そうです。

 

株式会社メディウェル
  • 医師免許証の受領確認
  • 身分証明証の受領確認
  • 医療機関への医師本人確認の推奨

プレスリリース2012年9月13日

株式会社リンクスタッフ
  • 【経歴書】氏名・現住所・生年月日・緊急時の連絡先・卒業大学・職歴など 一般的に必要とされる項目を必ず開示頂きます。
  • 【医師免許証】基本、面談を実施し原本の開示を求めております。 遠方や勤務の関係上、直ぐに面談の設定が出来ない場合は、求職の意向を頂いた時点で「医師免許証の写し」を提出頂き弊社にて保管致しております。

引用元ウェブサイト

株式会社Vメディックコンサルティング
  • 医師免許証の原本確認の推奨
  • 医師免許証と身分証明書(運転免許証、パスポートなど)の照合確認

引用元ウェブサイト

株式会社マーキュリー
  • 弊社におきましては今後とも、「医師免許証」と「本人確認書類」の受領・確認を徹底し、事業に取り組んで参ります。また医療機関ならびに関係するみなさまとの連携を強化し、就業時の医師本人確認を推奨して参ります。

プレスリリース2012年9月20日

株式会社マイナビ
  • ご入職前に、弊社へ医師免許証及び保険医登録票のコピーをご送付いただくこと。
  • 医師免許証の原本を勤務日当日または別日に医療機関様にご確認いただくこと。
  • 医療機関及び弊社へ身分証明書のご提出いただくこと。(身分証明書:運転免許証、パスポート等の写し)
  • 金融機関のご本人名義の口座番号をお知らせいただくこと。(医療機関様側からのお給与振込み及び本人確認の為)

引用元ウェブサイト

期待する今後の「なりすまし医師対策」

目先の利益にめがくらまないように

 

なりすまし医師、ニセ医者を紹介するということは、その医師紹介会社にとっては死を意味するケースがあります。実際に2013年発覚のなりすまし医師紹介事件に絡んだ医師紹介会社「メディカル・プラネット」は、社長が起訴され、法人も瞬時に解体されています。

 

加担した医師紹介会社への評価は厳しく

 

ここは私事になってしまいますが、当研究所では、過去に「なりすまし医師」「ニセ医者」を紹介した事実が確認されている医師紹介会社に対しては、他にどんなに優れた業績、システム、コンサル人材を保有していようが、最低評価(C評価)とさせて頂くように一貫しております。

 

医師の仕事は人間の命に直結するケースがあるわけで、医師紹介会社にとってニセモノの有資格者を見抜けなかった社会的責任は大変に重いものがあると、当研究所は判断しているからです。

 

現状、それぞれの医師紹介会社のなりすまし医師登録防止策を見てみると、正直、ほとんどが単なる本人確認の努力目標程度であって、これまでと対して相違のない確認作業に留まっています。この程度では、今後も医師紹介会社を通じたなりすまし医師の紹介事件が起こる可能性は高そうです。これは、医師紹介会社全体が協力をして、早々に解決していくべき課題であることは間違いなさそうです。

 

 

(文責・医師紹介会社研究所 所長 野村龍一)

 

この記事を書いた人


野村龍一(医師紹介会社研究所 所長)

某医療人材紹介会社にて、10年以上コンサルタントとして従事。これまで700名を超える医師の転職をエスコートしてきた。担当フィールドは医療現場から企業、医薬品開発、在宅ドクターなど多岐にわたる。現在は医療経営専門の大学院に通いながら、医師紹介支援会社に関する評論、経営コンサルタントとして活動中。40代・東京出身・目下の悩みは息子の進路。

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