総評:メディキャリア/ドクターズパートナー(株式会社マーキュリー)
■ 記事作成日 2014/6/25 ■ 最終更新日 2016/6/5
現在の企業レビュー結果…「B評価」
総評:豊富に見える保有求人数に疑問が…
株式会社マーキュリーは医療関連人材ビジネスフィールドにて多数のサービスを運営しています。「メディキャリア」、「ドクターズパートナー」はそれらサービスのなかの一部ですが、「メディキャリア」はアルバイト求人が中心、「ドクターズパートナー」は常勤転職が中心のサービスと考えて良さそうです。ただし、「メディキャリア」内でも常勤求人は取り扱っています。
「メディキャリア」、「ドクターズパートナー」双方を調査すると、株式会社マーキュリーは求人件数だけをみたら業界トップクラスといっても過言ではありません。
運営会社である株式会社マーキュリーは、この業界で10年以上の歴史を持っていて、大阪の本社を含め全国に4箇所の営業拠点を設けているので、広範囲な営業活動が可能と見てよいでしょう。
ちょっとよくわからないのが、同じ医師紹介会社で2つの運営サイトを持ち、その役割というか、違いが明白ではないことです(「メディキャリア」、「ドクターズパートナー」それぞれが「常勤」、「アルバイト」と分かれているのならばわかりますが、両者ともに常勤を取り扱っています)。単なるSEO対策上、複数サイトを立ち上げているのでしょうか…?。
運営会社である株式会社マーキュリーの企業概要によれば、先行していたのは「メディキャリア」のほうになります。
とすると、「ドクターズパートナー」は「メディキャリア」の補完する役割を持つか、あるいは「メディキャリア」でできないもっと専門色の強いものを扱うことが通常だとは思うのですが…。サイトアピアランスも違うので、一見したら全く別の会社が運営しているサイトのように見えます(それが狙いかもしれません)。
常勤医師求人の保有数では、「メディキャリア」が約9000件に対して、「ドクターズパートナー」は約14000件と5000件近く差があります。同じ会社が運営するサイトなのに差数の8,000件は何なのだろうか?大いに疑問を感じるのは自然だと思います。
さて、双方サイトの掲げる保有求人数は「リアル」な数字なのでしょうか?
それとも単なる宣伝上の根拠が薄い数字なのでしょうか。
会社概要:株式会社マーキュリー
会社名 | 株式会社マーキュリー |
---|---|
サービス名 | メディキャリア/ドクターズパートナー |
設立 | 2003年5月 |
代表者 | 代表取締役 岩本祐司 |
資本金 | 5000万円 |
年商 | 180百万円(2013年2月期) |
従業員数 | 20名 |
コンサルタント数 | 不明 |
所在地 | 〒541-0057 大阪府大阪市中央区北久宝寺町2―5―9 |
連絡先 | 06-6282-1136 |
営業拠点 | 4 (東京、大阪、名古屋、福岡) |
厚生大臣認可 | 27-ユ-300336 |
医療従事者会員数 | 不明 |
商業登記簿謄本(画像クリックで拡大)
商業登記簿謄本の公開について
商業登記簿謄本は、申請すれば全ての国民が閲覧することができるものであり、インターネット上に公開することに違法性がないことを、法務局・弁護士に確認済みです。ただし代表取締役の住所につきましては、プライバシー保護の観点から、自主的に非公開としています。
売上高と保有求人数のバランスから見える事
某企業調査会社の調べによれば、株式会社マーキュリーのここ2年の売上高はいずれも1億8000万円とのことです。
同企業調査会社によると、株式会社マーキュリーの従業員は20名です。一般的に医師紹介会社を経営維持するためには、従業員一人あたり2000万円程度のの売り上げが必要とされています。同社の場合、大阪本社のほかに東京本社、東海支店、九州支店と4箇所の営業拠点があり、それぞれ固定地代家賃が定期で必要となります(医師紹介会社の経営にとって、地代家賃の固定費はとても重要な経営圧迫要因になり得ます)。
そうしたことから考えると、単年度の売上が1億8000万円というのは少ない。もしくは従業員に非正規雇用者を含んでいるなどの事情があるならば・・・ですが、1億8000万円の売上規模ですと、従業員は8~9名程度が適正です。
株式会社マーキュリーは売上額は公表しているものの、営業利益額は公開していないので、私共としては、実は同社の営業利益について非常に興味が向いてしまう次第です(常々医師紹介会社の経営分析を行っている当研究所の「悪い癖」ですね)。
さて、この売上規模の医師紹介会社が、17,000件を超える常勤求人募集を保有している。実はコレ、大変に「快挙(?)」なのです。株式会社マーキュリーよりも売上規模で10倍以上を上回り、全国に10箇所前後の営業所を保有している医師紹介会社の大手企業を見回してみても(例「エムスリーキャリア」や「メディウェル」等)、このような大規模なボリュームの常勤求人を「アクティブ求人」として抱えているところはありません。
ですので、我々のような者にとって、「売上2億弱で常勤求人17000件」と聞くと、大変驚愕してしまうのです。と同時に、瞬時に頭に浮かんでしまうのが「本当にその求人、全てアクティブなの?」といういつもの懸念です。
そこで、掲載求人を調査してみると・・・募集求人募集に「詳しいことはお問い合わせを」との形で、求人検索のアウトプットでは詳細がほとんど不明の求人募集が出てきてしまいます。これらは所謂「非公開求人」なのか、それとも懸念している「囮求人募集」なのかまでは調べることができませんでした。
ただ、ここまで多数の「詳細不明案件」がズラズラと検索結果にでてしまうと、同然、当研究所としてはランキング調査対象などに入れるわけにはいかなくなります。残念な限りですが・・・。
ちなみに、メディキャリアのウェブサイトには、「延べ7000人以上の紹介実績」とあります(ドクターズパートナーでは年間7000件となっています)。創業10年で7000件ということは、アベレージでも年間700件、最初の数年はそれほどの実績を積めないことを考慮すれば、ここ数年は年間1000件近くの紹介実績があるものと単純概算ができます。
だとすると、1件当たりの手数料が20万円弱となってしまいます。あくまで雑把な概算でしかないのですが、このアベレージが多いと見るか少ないと見るか(我々は少ないと見ています)。たしかに、メディキャリアではスポット求人を行なっているので、平均報酬額が下がるとは思いますが…。
そして更にちなみに・・・なのですが、業界大手で売上13億円の株式会社メディウェルの場合、年間実績が6000件程と言われています。この数字を相対比較して、どうお考えになるでしょうかということです。
医師求人数(2014年6月3日調査・メディキャリア)
常勤医師 | 非常勤医師 | アルバイト(単発) |
---|---|---|
9,039 | 3,728 | 1,351 |
※キャリアコンサルタント保有求人と病医院直接応募求人を足した合計数
医師求人数(2014年6月3日調査・ドクターズパートナー)
常勤医師 | 非常勤医師 | アルバイト(単発) |
---|---|---|
17,849 | 0 | 0 |
※キャリアコンサルタント保有求人と病医院直接応募求人を足した合計数
業績について
D-PLUSを運営する株式会社Dプラスは業績を公開しておりません。
売上高(H25) | 利益高(H25) | 売上高(H24) | 利益高(H24) |
---|---|---|---|
180百万円 |
非公開 |
180百万円 |
非公開 |
サービスサイトへのアクセス推移
アクセス状況の全体分析
同社運営サイトへの直近アクセス推移は上記のようになっております(2014年11月17日 SimilarWebにて調査。全体のアクセスデータが不十分で調査結果がでませんでした。つまり、まとまった規模のアクセスが集まっていない医師紹介会社サイト(月間1万PV以下、1日訪問数200名以下)として認識してよいと思われます
アクセス参照元サイト
同社サイトのアクセス流入元サイトは、株式会社マーキュリーコーポレートサイト(http://www.mercury21.jp/)が最も多く、次いで求人キュレーションサイトのキャリアジェット(http://www.careerjet.jp/)となっています。
アクセス検索キーワード
同社サイトへのアクセス検索キーワードはデータ量不足のため解析ができませんでした。
株式会社マーキュリー:企業トップの実像
代表取締役 岩本祐司氏
「メディキャリア「ドクターズパートナー」」を運営する株式会社マーキュリー代表取締役である岩本祐司氏の詳細プロフィールは見つかりませんでした。
この企業の100社ランキング結果
当研究所が独自で毎年調査している「日本の医師紹介会社TOP100社ランキング調査」において、株式会社マーキュリー提供の「メディキャリア」「ドクターズパートナー」はトップ3ランキング入りできたでのしょうか?結果はこのようになっております。
=該当なし=
残念ながら、「メディキャリア」「ドクターズパートナー」のトップランキング入りはどの分野でもありませんでした。また、その他項目を含めたランキング結果一覧は下記のようになっております(※その理由はこちら)。
ランキング外(アクティブ求人数不明) | |
ランキング外(アクティブ求人数不明) | |
ランキング外(アクティブ求人数不明) | |
ランキング外(アクティブ求人数不明) | |
ランキング外(アクティブ求人数不明) | |
ランキング外(アクティブ求人数不明) | |
ランキング外(アクティブ求人数不明) | |
ランキング外(アクティブ求人数不明) | |
ランキング外(アクティブ求人数不明) | |
ランキング外(アクティブ求人数不明) | |
ランキング外(アクティブ求人数不明) | |
ランキング外(アクティブ求人数不明) | |
ランキング外(アクティブ求人数不明) | |
ランキング外(アクティブ求人数不明) | |
ランキング外(アクティブ求人数不明) | |
ランキング外(アクティブ求人数不明) | |
ランキング外(アクティブ求人数不明) | |
ランキング外(アクティブ求人数不明) | |
ランキング外(アクティブ求人数不明) | |
ランキング外(アクティブ求人数不明) | |
ランキング外(アクティブ求人数不明) | |
ランキング外(アクティブ求人数不明) | |
ランキング外(アクティブ求人数不明) | |
ランキング外(アクティブ求人数不明) |
=検索件数集計の注意事項=
- アクティブ求人数不明…これらの理由でランキング対象として集計できない
- 検索不可…条件自体がこの検索できない
- 0件…検索はできるが結果が0件
- ○○検索結果に含まれる…検索結果が別条件設定に含まれて表示されている
- 不明…サイト上に結果表示が存在せず
最終評価判定:求人数の裏付け情報がない
「詳しくはお問い合わせを」に意味があるのか?
当研究所が様々な医師紹介会社を調査する中で、高評価とする企業の特徴の1つに「アクティブ保有求人数の多さ」があります。アクティブというのは、文字通り「今直ぐ応募することができる求人」でして、既に募集を閉めきった賞味期限切れ求人や、内容がよくわからず「結局、詳細は問い合わせなければわからない」=「存在するかどうか不明の求人」については評価をしておりません。
株式会社マーキュリー運営の「メディキャリア」「ドクターズパートナー」ですが、現状では後者の範疇に入れざるを得ないと判断しています。求人数は多いものの、よくよく見てみると「非常に存在の真偽が判断つかない案件」が結構アウトプットされてしまうのです。そして「詳しいことは問い合わせろ」と。
この求人検索システム、真剣に求人情報を探している医師にとって、なんの意味もないのでは?というより、ほとんどがブライドかかってしまっている極小詳細しか公開されていない求人情報をみて、問い合わせをしてくる医師が果たしてどれだけいるのかと思います。そうなると「これは求人ボリュームを多く見せる囮求人?」と疑ってしまう可能性はさけられないかと・・・。
個別求人情報の透明性強化を
単純に求人数だけをみれば、メディキャリアの常勤9000件超えでもかなり優秀ですが、ドクターズパートナーの17000件超えは業界最高クラスと言っても問題ありません。しかし、前述したようにこの数字が「全て透明性の高いアクティブ求人」であることが条件であり、残念ながら現状では疑問符のつく求人が嵩上げのようにアウトプットされてしまう。これは私共だけでなく、医師の皆様の中にも「気付く人は気付いている」はずです。
だったら、今後、株式会社マーキュリーが業界大手に食い込んでいくためには、こういった疑いを一切もたれないように、保有求人ボリュームを維持しながらも、それぞれの情報公開性をたかめて、「アクティブな生き求人」であることに疑念を持たれないレベルを保つことでしょう。
例えば、求人募集の掲載日、更新日をマメに記載し、賞味期限がきれた案件は即時にデータベースから取り除きつつ、情報が公開できない案件は「非公開案件」として、公開求人検索上のアウトプットからは除外して別個表示にするなどの工夫が簡単に実施できます。
これだけでも求人情報の透明性とアクティブ可否の視認が用意になります。
一方、株式会社マーキュリーでは転職に成功した医師に、転職祝い金制度(10万円)を実施していたり、フリーダイヤルを活用していたり、転職成功事例を存分に記載していたりと悪いことばかりではありません。今後は是非、求人募集個別の透明性を高めていただいた上で、保有求人数の大きさを売りにして、業界大手にのし上がっていって欲しい会社です。
以上、今のところはB評価と格付けできるの医師紹介会社です。
【登録前にお読み下さい】
この会社の登録者の多数は、こちらの会社を同時登録することで優良求人を複数獲得する確率が大幅に向上することが当研究所の調査結果でわかっています。
何故、3社同時登録で優良求人が見つかるのか?
エムスリーキャリアエージェント |
医師転職ドットコム |
【評価B(平均点)】の医師紹介会社
医師転職支援コンサルタント・野村龍一のアドバイス
「可もなく不可もない医師紹介会社です。企業規模にかかわらず、中身は特徴の見当たらない平均点の会社ですので、特に積極的に登録をする理由はあまり見当たりません。求人情報も古かったり内容がはっきりしないケースも目立ちます」