医師として最初の研修はどこで受ける?その1 =医師臨床研修マッチング結果より=

厚生労働省が行う“医師臨床研修マッチング”

医師として最初の研修はどこで受ける?その1 =医師臨床研修マッチング結果より=

■ 記事作成日 2015/10/24 ■ 最終更新日 2016/6/10

 

医師臨床研修マッチングとは、平成16年度に“医師の臨床研修が義務化”されたことに合わせ、導入されたシステムです。

 

医学生など、これから臨床研修を受けようとする者(以下、参加者)と、臨床研修を受け入れる病院側(以下、病院側)が公表している研修プログラムとを、お互いの希望を踏まえた上で、一定の規則(アルゴリズム)に則って組み合わせを決定するシステムです。

 

これには特定のコンピュータシステムが使われており、いわば「機械的に振り分けを行う」ことに近いのではないでしょうか。このコンピュータによるマッチングは、臨床研修を行う病院などの団体で構成される「医師臨床研修マッチング協議会」により、行われているそうです。


コンピュータでどのように“マッチング”を行うのか?

この制度は、「医師臨床研修マッチング協議会(http://www.jrmp.jp/index.html)」のサイトから利用することができる。おおよその流れはこうなっているようです。

 

  1. 参加者は、病院側が公表している研修プログラムを確認し、第1希望から第4希望までを登録する
  2. 病院側は、登録されている参加者の中から、希望する人員を登録する
  3. 参加者側の希望と、病院側の希望が合致するまでマッチングを行う(→ただし、一度「仮マッチ」となった参加者でも、病院側が登録した定員と優先順位により「アンマッチ」となってしまうことがあり、その場合は、第2希望、第3希望へとマッチング対象が変わる)
  4. 一通りのマッチングが行われると
  • マッチングができた参加者
  • 第4希望までマッチングしても出来なかった参加者
  • 定員まで参加者とのマッチングができた病院側
  • 結果的に定員割れとなる病院側  が存在することになります。

 

ここでマッチングできた参加者と、定員までマッチングができた病院側にとっては、非常に喜ばしい結果になったといえるかもしれません。しかし見方を変えれば、第4希望まで進んでも研修先が決まらなかった参加者と、結果的に定員割れになってしまう病院側にとっては、かなり厳しい結果になるといえるのではないでしょうか。

 

それでも全体としては、参加者9,216人のうち、研修先が内定したのは8,687人で、内定率は94.3%ですから、一定の効果は出ているとも読み取ることができます。

 

そのうち、80%以上は第一希望で決まっているとのことです。

 

  • 第1 希望マッチ者数:7,008 名(80.7%)
  • 第2 希望マッチ者数:1,063 名(12.2%)
  • 第3 希望マッチ者数: 381 名(4.4%)
  • 第4 希望以下のマッチ者数:235 名(2.7%)

※マッチングできた参加者に対する割合のため合計で100%になる

時代は“中央の大学病院”から、“地方の一般病院”へ?

ここ数年間の傾向を、地域性と病院のタイプ別にみてみましょう。

 

まず、地域性でいえば、ここ5年間は「6都府県以外の都道府県」の割合が伸びています。ここでいう6都府県とは、大都市のある、東京、神奈川、愛知、京都、大阪、福岡の合計であり、その他とはそれ以外の道府県のことです。つまり、都市集中型から地方への分散型になってきているように見えます。

 

医師として最初の研修はどこで受ける?その1 =医師臨床研修マッチング結果より=

 

しかし、ここにはちょっとしたカラクリがあります。

 

そもそもこの制度は、平成16年度に新たな医師臨床研修制度が導入されてから始まりました。それ以降、「研修医が特定の地域に集中しやすい」との指摘があり、平成22年以降、都道府県別の募集定員の上限を設けるなど、仕組み全体の見直しを行っているそうです。

 

その目的は、「研修医の地域的な適正配置を誘導する」ことです。

 

また、病院のタイプ別にみると、かつてのように「大学病院へ集中する」状況から、「臨床研修病院への振り分けが行われている」ように見えます。

 

医師として最初の研修はどこで受ける?その1 =医師臨床研修マッチング結果より=

 

ここにもカラクリはあります。この制度が発足した当初は、大学病院の方が研修医の受け入れが多いという状況でした。

 

これも徐々に解消され、平成21年ころまではほぼ同数に分かれていることが分かります。さらにここ5年ほどは、臨床研修病院が優位になっています。

 

平成27年度の研修より、「研修医の地域的な適正配置を誘導する」という観点で、都道府県別の募集定員の設定やその上限の決定の見直しが行われた結果のようです。

臨床研修先での“出会い”がその後の医師人生を決めることも

医師として最初の研修はどこで受ける?その1 =医師臨床研修マッチング結果より=

 

医師として社会人の1歩を踏み出す時、その時点で「将来は○○科の医師になる」と決まっている人は、どれくらいいるのでしょうか。例えば、「実家が眼科開業医だから眼科を選択」というケースはさておき、多くの場合は、臨床研修医時代を経て、進むべき道を決めるのではないでしょうか。

 

都内の某臨床研修病院で臨床研修を受けたA医師(女性)は、学生時代に「産科だけは無理」と考えていたそうです。その病院へやって来たばかりのA医師の希望は、まだ漠然としており、単に「外科系が良いかな?」というものでした。

 

その病院の研修方式は、幅広い診療能力が身に付けられる総合診療方式(スーパーローテイト)。本人の希望に関わらず、内科系も外科系も、A医師が「無理」と考えていた産科も、研修の対象となっていました。A医師は2年間のいわゆる前期臨床研修後、結果的に某大学病院の産科へ進みました。その臨床研修病院へ産婦人科医を送り込んでいる大学の、産婦人科の医局へ入局し、後期研修がスタートしたわけです。

 

A医師は心境の変化について「ここでお世話になった産婦人科の医師たちに教わったことを、もっと勉強してみたくなったから」とのこと。具体的にどのようなことなのかは、彼女だけが知ることですが、学生時代に「無理」と考えていた産科医を目指すことになった彼女の前期臨床研修は、とても有意義なものだったのではないでしょうか。数年後に合ったA医師は、「産科医になって良かった」と言っていました。

 

医師という職業も、働きかたは実に様々です。その中でも、もっとも多くのことを学ぶ「臨床研修をどこで受けるか」は、その後の医師人生に大きな影響を与えるものかもしれません。その第一歩をどこで踏み出すのか――医学生にとって人生最大の決断を、コンピュータがアシストする時代になった、ということでしょうか。

 

参考

 

厚生労働省 平成27年度の医師臨床研修マッチング結果をお知らせします
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10803000-Iseikyoku-Ijika/0000101968.pdf

 

同上 平成 27 年度 研修医マッチングの結果
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10803000-Iseikyoku-Ijika/0000062062_1.pdf

 

この記事を書いた人


野村龍一(医師紹介会社研究所 所長)

某医療人材紹介会社にて、10年以上コンサルタントとして従事。これまで700名を超える医師の転職をエスコートしてきた。担当フィールドは医療現場から企業、医薬品開発、在宅ドクターなど多岐にわたる。現在は医療経営専門の大学院に通いながら、医師紹介支援会社に関する評論、経営コンサルタントとして活動中。40代・東京出身・目下の悩みは息子の進路。

医師キャリア研究のプロが先生のお悩み・質問にお答えします


医師として最初の研修はどこで受ける?その1 =医師臨床研修マッチング結果より=


医師として最初の研修はどこで受ける?その1 =医師臨床研修マッチング結果より=


医師として最初の研修はどこで受ける?その1 =医師臨床研修マッチング結果より=


【お願い】この記事があなた様のお役に立ちましたら是非「いいね」「ツイート」をお願い致します。
 

【2017年11月常勤転職版 =初心者向け登録推奨3社=】 当研究所が成績優秀コンサルタントを先生のご担当へとブッキングします

医師として最初の研修はどこで受ける?その1 =医師臨床研修マッチング結果より=

数ある医師転職支援会社への登録に迷ったら・・・まずはこの3社だけまとめて登録すれば失敗の確率はグンと下がります常勤転職、非常勤アルバイト転職の2パターンでそれぞれの初心者にオススメ登録先(有力企業のみを厳選、且つ、成績優秀コンサルを担当につけるよう当方がアレンジできる企業)をパッケージングしてみました(2017年度最新データに基いて分析)。

 

医師紹介会社研究所所長・野村龍一

下記の推薦企業は、当研究所所長が先方企業を直接訪問した上で「誠実で親身に医師に寄り添う姿勢」「強引な転職などを誘因しない姿勢」「医療機関から高い信頼を得ている証左」を確認済みの紹介会社です。各企業上層部には、「当会社研究所サイト経由で登録した医師」に対し、「通常登録の方よりも手厚いサポート」「社内でも特に優秀なコンサルタントを担当につけていただくこと」をお約束頂いています
登録無料、すぐ転職しなくても情報収集目的のみで『お試し登録可能』、匿名転職サポート可能、ヘッドハント有り、6000ヶ所以上の医療機関や大学との取引あり、医局の退職事例多数、コンサルタントレベル高し

医師として最初の研修はどこで受ける?その1 =医師臨床研修マッチング結果より=

医師会員21万人を誇るソニーグループ運営の医師ポータルサイト「m3.com」グループ会社。一般人材紹介企業と異なり、医師に特化した上でこの事業規模の大きさを誇るため、好条件の求人情報の収集力がずば抜けている印象がある。当然、所属医師コンサルやエージェントの数も多く、個別の医師に対して「相性のあったパートナー」が探しやすいと言える。年収2500万以上、週4日で年収2200万といった高額条件の案件を多数保有しつつ、個別医師のライフスタイルや家族都合などを考慮した勤務条件を引き出す力にも非常に長けており、自ら医療機関と交渉して好条件求人を創り出すことが可能な企業。

医師として最初の研修はどこで受ける?その1 =医師臨床研修マッチング結果より=  医師として最初の研修はどこで受ける?その1 =医師臨床研修マッチング結果より=

対医療機関交渉力 高条件求人情報収集力 専門人材紹介業総合力
医師転職サイト比較ランキング調査 医師転職サイト比較ランキング調査 医師転職サイト比較ランキング調査

登録無料、匿名転職サポート可能、産業医に強み

新興勢力の医師紹介会社の中では最も勢いのある企業です。東京の常勤転職に非常に強みを持っており、同エリアで常勤転職希望に該当する医師は是非とも1度相談をする価値があるでしょう。また、年収1800万円以上の高収入求人や、産業医にも力を入れていることが調査でわかっております。組織規模はまだまだこれからといったところですが、実力派の個性あるコンサルタントが揃っているところから、属人的能力の強い医師紹介会社の1つです。

医師として最初の研修はどこで受ける?その1 =医師臨床研修マッチング結果より=  医師として最初の研修はどこで受ける?その1 =医師臨床研修マッチング結果より=

対医療機関交渉力 高条件求人情報収集力 専門人材紹介業総合力
医師転職サイト比較ランキング調査 医師転職サイト比較ランキング調査 医師転職サイト比較ランキング調査

業界トップレベルの圧倒的な求人数と非公開求人の充実が売り

医師として最初の研修はどこで受ける?その1 =医師臨床研修マッチング結果より=

医師転職ドットコムを運営する株式会社メディウェルは、医師紹介業界のリーディングカンパニー1角を占めている著名企業です。医師転職ドットコムの最も大きな売りは、他社を凌駕する圧倒的な求人情報数といえます。求人カバレッジエリアも日本全国に及んでおり、非常勤/スポット求人を求める医師のどのようなニーズにも一定以上の回答を用意することができる、数少ない企業の1つといえます。医師紹介会社にまよったら、まずとりあえずは同社に登録をしておくことが、好条件求人を見過ごさないためのポイントとなるでしょう。

医師として最初の研修はどこで受ける?その1 =医師臨床研修マッチング結果より=  医師として最初の研修はどこで受ける?その1 =医師臨床研修マッチング結果より=

対医療機関交渉力 高条件求人情報収集力 専門人材紹介業総合力
医師転職サイト比較ランキング調査 医師転職サイト比較ランキング調査 医師転職サイト比較ランキング調査

常勤オーダーメイド求人とアフターフォローに強み

医師として最初の研修はどこで受ける?その1 =医師臨床研修マッチング結果より=

2011年創業にも関わらず、一気に事業展開を加速させて業界を驚かせている新興企業の1社です。大手医師紹介会社のベテランコンサルタントが集結して立ち上がった企業であり、特徴としては常勤転職へのオーダーメイド求人クリエイト、転職後のアフターフォローの徹底等があげられます。新興企業ですが、担当となるスタッフはベテランが多いため、初めて転職をする医師でも安心して業務を委託できるのが心強いです。

医師として最初の研修はどこで受ける?その1 =医師臨床研修マッチング結果より=  医師として最初の研修はどこで受ける?その1 =医師臨床研修マッチング結果より=

対医療機関交渉力 高条件求人情報収集力 専門人材紹介業総合力
医師転職サイト比較ランキング調査 医師転職サイト比較ランキング調査 医師転職サイト比較ランキング調査

登録無料、情報収集目的のみでお試し登録可能、業歴10年

医師として最初の研修はどこで受ける?その1 =医師臨床研修マッチング結果より=

業界歴10年、全国10拠点展開の老舗企業メディカルステージでは、賞味期限の維持管理を徹底された保有求人数6000件以上を誇示する、常勤転職の「Dr.転職なび」に加えて、医師のニーズやご意向を中心に求人を組み立てて創りだすオーダーメイド型の求人サイト「AgentxMedicalStage」等を新たに展開。実際の業務量がわかる求人票の作成へのこだわりや、コンサルタント全員が医療経営士資格取得者として、能力担保を対外的に明示した転職サポーティング体制を打ち出している、高評価の医師転職支援会社です。

医師として最初の研修はどこで受ける?その1 =医師臨床研修マッチング結果より=  医師として最初の研修はどこで受ける?その1 =医師臨床研修マッチング結果より=

対医療機関交渉力 高条件求人情報収集力 専門人材紹介業総合力
医師転職サイト比較ランキング調査 医師転職サイト比較ランキング調査 医師転職サイト比較ランキング調査


尚、上記トップ3は常勤転職支援のみを考慮したランキングですので、アルバイト求人/非常勤求人に関するトップランキングは下記リンクからご参照下さい。

医師として最初の研修はどこで受ける?その1 =医師臨床研修マッチング結果より=

また、おすすめできる会社がある一方、おすすめできない会社があるのも当然です。当サイトが医師転職にあたって、あまり登録をおすすめできないC評価の医師求人転職支援会社はこちらから見ることができますので、是非、一緒に参考にしてみてください。

医師として最初の研修はどこで受ける?その1 =医師臨床研修マッチング結果より=


医師として最初の研修はどこで受ける?その1 =医師臨床研修マッチング結果より=

医師紹介会社への登録を考えているけれど、企業レビューや各ランキングだけでは不明な点がある、不安がある、登録の方法や特定の医師紹介会社の本当の姿(しつこい勧誘がされないか、騙されやしないか、誠実かどうか、具体的にどの担当コンサルがおすすめか)等を登録前にこっそり知りたい、このように個人的に当研究所所長の野村に相談をしたい方は、遠慮無くメールをしてください。

登録前相談用アドレス: ryuichinomura777@gmail.com


常に客観的な立場から、貴方の事情に合わせたご回答をさせていただきます。

※原則、24-48時間程度でお返事します。お気軽にどうぞ
※どのような内容でも問題ありません。是非、匿名で安心してご連絡下さい。

医師として最初の研修はどこで受ける?その1 =医師臨床研修マッチング結果より=|医師紹介会社研究所関連ページ

黒字経営の医療機関を見抜く方法
医療機関の財務状況を見抜く方法はあるのでしょうか?今回は就業先の経営状況を、勤務医が喝破するための手法について論じます。
マスコミの病院ランキングはアテになるか?
医師が転職先を考える際に、就労条件が良いことは勿論だが、専門資格が学べる、最新医療技術が取得できるなどの視点も欠かせない。昨今マスコミが病院をランク付けすることが多いが、医師にとってもそのランキングは転職時の参考になるのだろうか、検証してみます。
医師として最初の研修はどこで受ける?その2 =医師臨床研修マッチング結果より=
医師臨床研修マッチングとは、平成16年度に“医師の臨床研修が義務化”されたことに合わせ、導入されたシステムです。医学生など、これから臨床研修を受けようとする者(以下、参加者)と、臨床研修を受け入れる病院側(以下、病院側)が公表している研修プログラムとを、お互いの希望を踏まえた上で、一定の規則(アルゴリズム)に則って組み合わせを決定するシステムです。

個別レビュー高成績TOP3

お勧めコンテンツ

かなり得する医師転職TIPS


Site Top 常勤転職の推奨3社 非常勤・スポットの推奨3社 About Us Contact Us Dr.くめがわの転職体験談