仕事ができる派遣医師とダメな派遣医師の判断ポイント

第22回:仕事ができる派遣医師、ダメな派遣医師の判断ポイント

仕事ができる派遣医師とダメな派遣医師の判断ポイント

■ 記事作成日 2017/10/6 ■ 最終更新日 2017/10/6


仕事ができる派遣医師、ダメな派遣医師の判断ポイント

仕事ができる派遣医師、ダメな派遣医師の判断ポイント

 

元看護師のフリーライター元看護師のフリーライター紅花子です。
このコラムでは、私の約10年の看護師経験の中で感じた“医師として活躍するために必要な素質”について考えてみたいと思います。

 

今回は、派遣医師が「デキる!」「デキない!」と判断されてしまうポイントについて考えてみたいと思います。

 

「派遣医師」は、周りからこう見られている

 

整った環境働き、周りには普段から顔を合わせている看護師、困ったときにアドバイスをもらえる先輩医師などがいて、物理的にも人的にも環境が整っている常勤医師と異なり、毎回よく知らない医療機関で、初めて会う人物と共に、仕事をしなければならない派遣医師。

 

彼らは、常勤医師のように人柄や愛嬌などが加味されず、実力一本勝負となることが多いのではないでしょうか。
そこにはやはり、医師として「ウデ」が重要であることは、間違いありません。

 

しかし、派遣医師のデキる、デキないは、実力(=医師としてのウデ)のみでは、一概に決められないのではないか、と考えます。

 

仮に、週に1回、同じ病院へ派遣されてくる医師だったとしても、看護師をはじめとするコメディカルは、医師の言動をよく見ています。
医師としてのウデ、例えば、さまざまな処置に対する技量、患者さんとのコミュニケーション力、周りのスタッフとの人間関係の築き方や距離感、他部門・他部署への指示の出し方など、一挙手一投足が観察されています。

 

その中で、意外とよく「見られている」のは、「(その医療機関での)細かい取り決めを守れるかどうか」という点なのです。

 

仕事はできるが細かい取り決めを守らない医師

 

A医師は某有名大学病院医学部を卒業し、そのままその大学の医局へ進みました。
現在も所属は変わっていないのですが、中規模程度の地域密着型病院に勤務し、さらに派遣医師として週に1日程度、小規模病院に勤務しています。
有名大学病院の出身であることからか、その知識や技術は、現在でも「かなり高い」と評価されています。

 

しかし、医師としての実力がある一方で、A医師には苦手とすることがあります。書類を始めとした、様々な「手続き」です。

 

病院にはカルテ以外にも、さまざまな「書類」が存在します。
さらに書類には、作成する理由、記録する内容、記録の方法など、細かい取り決めがあります。
これをきちんと守ることは、医師として以前に、社会人として必要なスキルと言えるでしょう。

 

ところがA医師は、書類の提出方法や書き方など細かい取り決めを守らず、自分のやりたいようにやる、例えば「書きたいように書き」「提出期限を守らない」などといった点が、多く見受けられました。

 

その結果、書類を始めとした手続き上のミスが多くなります。
当然ながら病院の上層部には、A医師をはじめとする、病院スタッフからの書類が届きます。
書類だけ見ると書き方がなっていない=書類のミスが多いと捉えられるようになってしまいました。

 

 

せっかく、医師としての素晴らしい技量を持っているにもかかわらず、これらのことが積み重なり、「ミスが多い医師」と思われるようになりました。

結果的に「デキない医師」という印象を、周りに与えるようになってしまいました、勿体ないお話です。

 

仕事ぶりは普通だが決まりを守る医師

 

B医師は、現在は臨床現場をややはなれており、メインとなる勤務先は、介護老人保健施設です。月に数回、近隣のクリニックでの外来診療を受け持っています。

 

B医師は、現在は臨床を離れているということもあり、医師のウデという視点でみれば、あくまでも「可もなく不可もなく、必要最低限なことをしてくれる医師」と評価されてしまうタイプです。元々が控えめな性格であり、医師以外のスタッフに対しても腰が低いという姿勢も、関係しているかもしれません。

 

しかしB医師は、例え派遣先であっても、その医療機関での取り決めをしっかりと守る医師です。
書類の提出期限だけではなく、提出方法から書き方、あるいは物品の置き場所まで、事細かな「約束事」を周りの看護師などのスタッフに確認し、一度伝えたことは忠実に守る医師でした。

 

そのため、書類などのミスが少なく、これらを目にする上層部からは「仕事ができる医師」という評価をされていたのです。
患者さんからも、丁寧な説明や、柔らかな物腰が評判をよび、一時期はそのクリニックの院長外来よりも患者さんが多い、ということもありました。

 

 

当然ながら、看護師や医療事務、その他のコメディカルからの評判も良く、B医師の出勤日は「(クリニック全体が)おだやかな空気になる」とまで言われたほどです。

 

「医療技術が長けている=周りからデキると見られる」とは限らない

 

一般的に、出身大学あるいは出身病院、その医師が持つ肩書等を見て、人はこの医師「デキる医師」か「デキない医師」かを、判断することも多いでしょう。

 

しかし、医師として普段とは違うところで勤務する場合、医療技術が長けているからと言って、デキる医師と評価されるとは限りません。
医療技術がいくら長けていても、それぞれの医療機関における「システム上」のミスが多ければ、自然と「デキない医師」という烙印を押されてしまうことがあるのです。

 

中には、こういったことを超越するほど、医療技術に長けた医師もいますが、一般的には、常勤で働いている環境とは違い、一度のミスがその医師の評価に直結します。

 

日本には、郷に入っては郷に従えということわざがあります。
一時的な勤務とはいえ、勤務先の取り決めに従い、細かいミス、つまらないミスをしないということが、「あの先生、良い先生だよね」という評価に結びつくことがあるのです。
「医師として」も当然、必要なスキルではありますが、それ以前に「勤め人として」「社会人として」必要なことが、医師にも求められているのだと思います。

 

 

この記事をかいた人


紅 花子

正看護師歴10年、IT技術者歴10年という少し変わった経歴をもつ。現在はフリーライターとして、保健医療福祉分野におけるライティング業を生業としている。この分野であれば、ニュース記事の執筆・疾患啓発・取材・書籍執筆・コンテンツ企画など、とりあえずは何でも受ける。東京都在住の40代、2児の母でもある。好きなマンガは「ブラック・ジャック」。

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