総評:D-PLUS(株式会社Dプラス)
■ 記事作成日 2014/6/24 ■ 最終更新日 2016/6/5
現在の企業レビュー結果…「B評価」
総評:オーダーメイド型の医師紹介会社
D-PLUS(運営:株式会社Dプラス)ですが、医療コンサルティング会社が運営する医師紹介サービスです。往々にしてコンサルが運営する医師転職支援会社のサイトは求人募集が少なく、検索性にも難ありなパターンが多いが、ここもご多分にもれない様子です。
「オーダーメイド求人・転職」と標榜する医師紹介会社であり、他の医師紹介会社サイトであるような求人検索システムが存在していません。
代表取締役でもある勝又氏の意向なのかはわかりませんが、さまざまな医学学会を重視していて、その学会で得られた求人情報を掲載することで、そこから転職を希望する医師の募集をはかり、実際には医師の希望に即した転職を支援するというシステムのようです。
こうした「求人検索システムの存在しないオーダーメイド型医師紹介会社」サイトで一番大事なのは、所属の転職コンサルタントがどこまで信頼を寄せるに足る人物であるかということだと思うのですが、代表者でもある勝又氏の情報(代表者挨拶、会社理念等)がある程度掲載されているものの、その他にどれだけコンサルタントがいるかは不明です。
所属する他の転職コンサルタントの情報が一切つかめないままだと、結局、勝俣氏に担当になってもらわないと不安で登録が憚られてしまう事につながります。
また、求人案内という項目に記載されているのは、麻酔科、リハビリテーション科、脳神経科、内科だけで、なぜこれだけの科目に限っているのかは明言されておりません。まあ、あきらかに求人募集が集めやすい診療科に絞って(外科などの面倒な案件を避けつつ)営業展開しているのは間違いなさそうです。
別にこの事自体は悪いことではありません。転職しやすい診療科と転職が難しい診療科の線引きが事業戦略上しっかりできているということは、医師の転職事情そのものについての知己に長けている証左でもあると私は考えます。
ただし、ユーザー医師としてそれがいいかどうかは、当然、別問題です。比較的転職市場でハードルを超える必要がある診療科である外科医師のような方がこそ、本当に医師紹介会社の手腕が期待されるケースが多々あるからです。
求人募集の検索システムが無いということは、事前に地域指定や科目指定の絞込ができないのは勿論、全国展開をしているのか、あるいは本社のある東京近郊だけの求人紹介なのか、それすらよく事前に分かないという弊害を産みます。これでは他の医師紹介会社と相対比較することが難しいでしょう。一言で言えば、不便です。
会社概要:株式会社Dプラス
会社名 | 株式会社Dプラス |
---|---|
サービス名 | D-PLUS |
設立 | 2008年4月 |
代表者 | 代表取締役 勝又健一 |
資本金 | 500万円 |
年商 | 非公開 |
従業員数 | 不明 |
コンサルタント数 | 不明 |
所在地 | 〒105-0014 東京都港区芝2-30-11 |
連絡先 | 03-6459-4126 |
営業拠点 | 1 (東京) |
厚生大臣認可 | 不明 |
医療従事者会員数 | 不明 |
商業登記簿謄本(画像クリックで拡大)
商業登記簿謄本の公開について
商業登記簿謄本は、申請すれば全ての国民が閲覧することができるものであり、インターネット上に公開することに違法性がないことを、法務局・弁護士に確認済みです。ただし代表取締役の住所につきましては、プライバシー保護の観点から、自主的に非公開としています。
運営母体は医療法人
株式会社Dプラスのウェブサイトをみると、会社実績ページがあり、そこに記載されているのは、売上高や利益といったいわゆる経営状態を把握するための材料となる情報ではなく、同社が過去に取引(医師紹介、経営コンサルタント、人事コンサル等)した経験のある病院が羅列されています。首都圏近郊から北は北海道、南は沖縄まで30を超える病院の名前が掲載されています。
このほかにもメディア掲載情報、著書紹介、講演情報等記載されているのですが、正直、どれも最近のものはなく、2010年が最後の情報発信となっています。
これらの情報は企業(経営者)の信用をあげるものとして活用されるわけですが、例えば、メディア掲載例などは数年前に1、2度あった事例などはかえってマイナスの印象を与えるだけです(正直、パブリシティ実績としては低レベルです)。
講演情報も2010年以降掲載されていないということは、現在は講演をしていないのか、あるいは声がかからない状況なのかと勘ぐられてしまいます。どちらにしても、保有求人数ではなく、コンサルタントの属人的能力に依存したビジネスモデルをとっている限り、その方の直近の最新情報がなければ、信用度を増すよりもむしろ下げてしまう反作用に留意するべきかもしれません。
具体的な求人数は不明のまま
冒頭でも紹介したように登録してもらった医師に対して、「オーダーメイドの求人紹介」をしていることを売りにしているので、具体的にどの程度の求人情報を管理しているのかは全く不明です。ひょっとしてストックの求人情報は保有していない可能性もあります。
D-PLUSのサイトトップページに幾つか掲載されている求人情報ですが、ほとんどが学会に参加した病院が出している求人情報なのですが、なぜ、様々な学会と個別の医療機関の求人求職が結びつくのかが不明です。学会に参加するのは医師ですが、具体的な人材戦略を考えるのは医療機関の経営者および事務方であり、現場の医師ではないのですが・・・。謎です。
また、前述したように求人をしている科目も麻酔、リハビリ等わずか4科目に限定しているようですので、対象外となる医師については即利用価値無しとなってしまう医師紹介会社です。
医師求人数(2014年5月29日調査)
常勤医師 | 非常勤医師 | アルバイト(単発) |
---|---|---|
不明 | 不明 | 不明 |
※キャリアコンサルタント保有求人と病医院直接応募求人を足した合計数
業績について
D-PLUSを運営する株式会社Dプラスは業績を公開しておりません。
売上高(H25) | 利益高(H25) | 売上高(H24) | 利益高(H24) |
---|---|---|---|
非公開 |
非公開 |
非公開 |
非公開 |
サービスサイトへのアクセス推移
アクセス状況の全体分析
同社運営サイトへの直近アクセス推移は上記のようになっております(2014年11月17日 SimilarWebにて調査。全体のアクセスデータが不十分で調査結果がでませんでした。つまり、まとまった規模のアクセスが集まっていない医師紹介会社サイト(月間1万PV以下、1日訪問数200名以下)として認識してよいと思われます
アクセス参照元サイト
同社サイトのアクセス流入元サイトは、データ量不足のため解析ができませんでした。
アクセス検索キーワード
同社サイトへのアクセス検索キーワードはデータ量不足のため解析ができませんでした。
D-PLUS:企業トップの実像
代表取締役 勝又健一
D-PLUSを運営する株式会社Dプラス代表取締役である勝又健一氏の詳細プロフィールは見つかりませんでした。勝又健一社長はブログを所有しております。
プロフィール
- 大学卒業後、株式会社リクルートに就職。
- 11年間B-ingやとらばーゆ、GATNなどの中途採用、リクルートブックなど新卒採用の求人広告を中心に一般企業の求人を支援。
- 医師専門紹介の株式会社メディカル・プリンシプル社『民間医局』の創業メンバーとして転職。
- ドクターエージェントのキャリアを積みつつ『DOCTORS MAGAZINE』編集長、麻酔科プロジェクト立ち上げなど7年間勤務後退職。
- リクルートグループに復帰し医師紹介業老舗の株式会社日本医療情報センター(通称『JAMIC』:現株式会社リクルートドクターズキャリア)勤務後独立。
- 平成20年4月「医師採用の専門家」として採用手法の支援会社、株式会社Dプラス設立。
- 「麻酔科医師」に強みを持つ医師専門のエージェントとしても活動中。
勝俣氏ブログより
この企業の100社ランキング結果
当研究所が独自で毎年調査している「日本の医師紹介会社TOP100社ランキング調査」において、株式会社Dプラス提供の「D-PLUS」はトップ3ランキング入りできたでのしょうか?結果はこのようになっております。
=該当なし=
残念ながら、「D-PLUS」のトップランキング入りはどの分野でもありませんでした。また、その他項目を含めたランキング結果一覧は下記のようになっております。
ランキング外(不明) | |
ランキング外(不明) | |
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ランキング外(不明) |
=検索件数集計の注意事項=
- アクティブ求人数不明…これらの理由でランキング対象として集計できない
- 検索不可…条件自体がこの検索できない
- 0件…検索はできるが結果が0件
- ○○検索結果に含まれる…検索結果が別条件設定に含まれて表示されている
- 不明…サイト上に結果表示が存在せず
最終評価判定:個人事業に近い医師紹介会社か
勝又氏以外のコンサルの姿が見えない
株式会社Dプラス運営の「D-PLUS」ですが、具体的な医師求人数を明記せず、とりあえず登録させて転職支援はコンサルタントと面談してからという営業スタイルは、零細コンサルティング会社スタイルとして業界では定着しています。大手医師紹介会社に対向するやり方の一つとしては珍しくはありません。
ただし、この営業手法をとるのであれば、大前提としてコンサルタントの顔がみえ、あるいはコンサルタントの実績が明確にされていることだと思います。それが分からなければ、利用者が安心して登録することはありえず、当然、紹介サイトとしての評価も高くなることはありえません。
D-PLUS代表の勝又氏は日経メディカルオンラインにも連載を持っているようで、メディアからの転職依頼者の流入もあるかもしれません。懸念されるのは、勝又氏の担当案件が手一杯だった時に、どういった実績・能力を持つ他のスタッフが担当をしてくれるのかが見えてこない点です(D-PLUSが勝俣氏たった1人で運営されているわけではないという仮定に基づく)。
株式会社Dプラスのサイトにはコンサルタントに対する研修項目ページ(「教育・研修・採用」)」があるのですが、内容をみれば、「現場での経験」重視とするOJTに留まっているようで、それ以上のコンサルタント育成システムは不明です。
当研究所の重要調査項目に、「医師紹介会社所属コンサルタントの教育システムのレベル」があるのですが、余り内容が見えてこない上に、(勝又氏以外の)コンサルタントの顔と実績が見えてこない状態だと、おいそれと大事な医師キャリア決定の舵を任せることは難しいでしょう。というより、勝又氏以外の転職コンサルタントが在籍していない可能性は高そうです。
限りなく勝又氏の個人事業に近い医師紹介会社ではないでしょうか。
実際の株式会社Dプラスは看護師紹介や医院経営コンサルティング事業を行っており、こちらのほうがメインの業務である可能性が高そうです。特に、看護師紹介に関しては、同社Facebookのページがほぼ看護師紹介ビジネスに注力して構成されていることからも、医師紹介事業に対する力の入れ方に「軽さ」を感じてしまうのは致し方ないのかな、と残念でした。
市場規模からいって、医師紹介事業より看護師紹介事業の方が儲かりますからね。
その他ウェブサイト上から見られる特徴として、転職医師成功事例のコラムは良い企画だと思いますが、残念ながら2例しかありません。こうした事例は最低でも2桁数以上掲載されているとグッと信憑性が高まりそうです。
個人的には、学会特選求人情報という手法は面白いと当初は思ったのですが、転職する医師側視点としては、求職者のニーズに合っているのかどうかやはり不明だなあという感想です。「個人」としての医師にとって、転職先は必ずしも学会と強固なリレーションを持った医療機関でなければならないというわけではないと思うのです。
現状ではB評価と格付けできるの医師紹介会社です。
【登録前にお読み下さい】
この会社の登録者の多数は、こちらの会社を同時登録することで優良求人を複数獲得する確率が大幅に向上することが当研究所の調査結果でわかっています。
何故、3社同時登録で優良求人が見つかるのか?
エムスリーキャリアエージェント |
医師転職ドットコム |
【評価B(平均点)】の医師紹介会社
医師転職支援コンサルタント・野村龍一のアドバイス
「可もなく不可もない医師紹介会社です。企業規模にかかわらず、中身は特徴の見当たらない平均点の会社ですので、特に積極的に登録をする理由はあまり見当たりません。求人情報も古かったり内容がはっきりしないケースも目立ちます」