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セカンド転職の持つ意味

医師のセカンド転職を考える

■ 記事作成日 2015/9/12 ■ 最終更新日 2017/12/6

 

医局を辞めて初めて転職アクションを起こす「ファースト転職」事情は、様々な転職サイトで取り上げられ、“退局が難しい医局をいかにしてスムーズに辞め切るか?”…などについて、多くのアドバイスが掲載されています。

 

ファースト転職市場の難しさは、ドクター本人の心の所在や、医局との折り合いに尽きています。注がれるエネルギーの多くは、巣立つ医局や医療機関に向いていると言っても良いでしょう。 “転職先医療機関”よりも、“医局”や“内なる自分”に対する調整に尽力し、極めて内向きの発想によるアクションに終始し、外向きの発想によるアクションには、さほど注力していません。しかしそれが、最もスムーズに転職できる方法でもあるのです。

 

しかし実は、転職市場において、「ファースト転職」ほど簡単なものはありません。ファースト転職の理由は、医師の誰もが通ると言っても過言では無い、「医局の激務や給与や人事の理不尽さ」・「様々な医局の辞め時」…といった、転職先医療機関が理解し易い理由であり、特別なプレゼンテーションはさほど要求されないからです。

 

ところが、「セカンド転職」の場合、そういう訳にはいきません。ファースト転職のような「誰にでも理解できる、大義名分となるような転職理由」が存在しないからです。それ故に、転職理由を明快にし、将来のビジョンを上手に語る事ができなければ、易々と転職する事は難しいのです。

 

ファースト転職とは随分と勝手の違う「セカンド転職」は、転職でステップアップを果たし続けるための正念場です。それらの事情を、多角的に考えてみる事にしましょう。


医局ブランドは、もう使えない?

医師のセカンド転職を考える

 

ファースト転職で “面倒の種”であった「医局」が、転職のアシストをしていたとしたらどうでしょう?セカンド転職には、医局というバックグラウンドが無い分、ドクター自らしっかりと自己分析し、PRする事が求められるのです。

 

セカンド転職で「医局ブランド」はもう使えない

 

ファースト転職では、ドクターが医局にいる事によって、一定の信用・信頼・期待を、自らPRせずとも得られます。いわゆる「医局ブランド」がまかり通っている状態です。

 

しかしセカンド転職の場合、その「医局ブランド」はもう使えません。ドクターが名門医局出身だという事は履歴書で把握するでしょうが、最も注目されるのは、直近の医療機関での成果です。

 

ファースト転職では、自身の成果を述べる際にも、医局が掲げていた方針等をそのままなぞれば説得力のあるPRができたでしょうが、セカンド転職ではそうはいきません。

 

「どのような目標や志を持って臨床にあたっていたのか?」
「どのような疾病に対する症例数を積んできたのか?」
「どの分野のスペシャリティを確立してきたのか?」
「現在の医療市場において、どのような見識を持っているか?」

 

…などなどを織り成し、自らの言葉で信用・信頼・期待を勝ち取る必要があります。医局ブランドではなく、自分をブランド化する事が求められると言えるでしょう。

 

転職クルーザーと見なされないように

 

セカンド転職以降は、転職理由にも説得性が必要です。

 

「現在の病医院で成果が出せなかったのではないか?」
「成果も残さずに、待遇面にだけ煩いタイプではないか?」
「また直ぐに転職を考えるタイプではないか?」

 

セカンド転職の面接官は、少なからず猜疑心も持っています。転職には理由が付き物ですが、その理由が前向きなものであるのかどうか?…は、重要な問題としてジャッジされます。

 

さらに、“転職クルーザー”の疑惑をかけられる事もあるでしょう。転職クルーザーとは、大義名分が無い転職を何度も繰り返しているドクターの事を指します。

 

「こんなに忙しい職場は嫌だ」
「少しでも収入アップを図りたい」
「自分に裁量権の無い職場は嫌だ」
「人間関係の悪い職場は嫌だ」

 

何かがうまくいかない原因を、総て環境のせいだけにする人材は少なくありません。そのような人材は、どんなに転職を重ねて環境を変えても、ドクターとして成功するには至らないでしょう。

 

転職が珍しくはない医業においても、“転職クルーザー”は、非常に嫌われます。受入れ側の病医院では、ドクターを一人採用するにあたって数百万円ものコストがかかっていますが、それが無駄になってしまうからです。病医院内の他の医療スタッフも、ドクターの受け入れに神経を使った挙句に無駄な労力になってしまっては、現場が混乱するだけです。

 

ドクターを採用するに当たっては、人事担当者の稼働も非常に大きなものですので、“転職クルーザー”は病医院にデメリットしかもたらしません。
Web上の転職エージェントが一般化して十数年、多くの医療機関では、“転職クルーザー”を採用した事による苦い経験値を持っています。従って、採用の面接時には、その人材が単なる転職クルーザーで無い事をリトマス紙で確認し、慎重な採用手順を踏む段取りとなるでしょう。

 

「医局ブランド」が通用するファースト転職では、転職クルーザー疑惑をかけられずに事は運びます。しかし、そうはいかないセカンド転職には、ファースト転職には無い難しさがあるという事を、覚悟する必要があるのです。


セカンド転職に必要な戦略的視点

医師のセカンド転職を考える


セカンド転
職以降の成功には、必ずや戦略的視点が要求されます。それらを簡単にチェックする方法として、鳥の目・虫の目・魚の目の視点を持つ事が挙げられます。

 

「鳥の目」とは…物事を俯瞰で見る力の事を指します。高所や大所から全体を連結して把握し、大局観を得る視点です。よく「木を見て森を見ず」と言われますが、この、森を見るという大切な視点が鳥の目です。マクロ視点とも言い替えられ、医療市場全体の状況や、応募先医療法人全体のビジョンなどを鑑みるものです。

 

「虫の目」とは…物事の現実を細かに見る事を指します。実際の現場事情を把握したり、専門性や個性などを深堀りしていき、狭所細部にまで目を配る視点です。鳥の目と真逆の“逆も真なり”の視点で、「森を見て木を見ず」と言われる、木を見るという大切な視点が虫の目です。ミクロ視点とも言い替えられ、ドクター自身のスペシャリティや、応募先の臨床現場での課題に沿う対策などを鑑みるものです。

 

「魚の目」とは…物事の方向性や流れを見る事を指します。時代の流れというトレンドや、プロジェクト全体の動き方などを掴みとり、チャンスを逃すことなくアクションを起こすための視点です。鳥の目と虫の目を持っていても、目には見えない潮流を見逃さない魚の目がなければ、時機に切り込み大成する事はできません。

 

鳥の目での戦略視点~業界や法人の全体像を把握~

 

いきなり細かいポイントから注力しても、今、自分がどのポジションにいるのか全体像が分からなければ、明確な戦略は示せません。先ずはドクターが医師としてどうありたいのか?応募先医療機関はどのようなビジョンを持っているのか?…などについて、答えを出せるようにしましょう。

 

・国や行政のマスタープランを把握しよう

 

例えば、医療に関する国の施策や、応募先医療法人が所在する市町村の施策などを確認します。厚生労働省や各市町村など行政のWebサイトには、必ず基本構想や基本計画の資料がアップされていますので、ドクター自ら望みさえすれば、それらを確認する事は容易です。

 

・応募先医療法人の経営方針や計画を把握しよう

 

そして、その全体施策に対し、当該法人がどのような策を講じているかを把握しましょう。医療法人等のWebサイトなどに経営方針や経営計画が掲げられている事もありますが、市井のクリニックや小規模医療法人の場合、そのような情報がアップされていない事も多々あります。そんな時は、転職エージェントのコンサルタントに依頼し、応募先医療法人の経営方針や経営計画などについて、ヒアリングしてもらいましょう。

 

・上位構想や上位計画にドクター自身を照会しよう

 

国や市町村、そして、応募先医療法人のマスタープランを把握したあとは、それらの指針に対して、ドクター自身がどんな知見を持っているか?直接的に役立つと考えられる経験を持っているか?…などを顕かにするために、ドクター自身のスキルやキャリアを照会して下さい。そして、顕在化された項目を、リストアップしてみましょう。

 

医療市場や地域医療市場、そして応募先医療法人の状況を把握し、それらとドクター自身を照会する事で、具体的なセールスポイントが見えてきます。それらのキーワードを、応募書類や面接時コミュニケーションの材料としたならば、セカンド転職以降の転職活動にもマッチする、充分なPRの糸口となるでしょう。

 

虫の目での戦略視点~専門性や個別性に焦点を~

 

どんなに全体を把握しても、全てのアクションは小さな一歩から始まります。小さな一歩を正しく踏み出すには、専門性や個別性といった狭義の視点が必要です。自らの視点を投げかけるターゲットを細かく設定し、とにかく現実を直視し、その現実に五感をフル稼働して使って向き合ってみて下さい。

 

・自分の専門分野で特異性を見出す

 

ドクターがある分野で専門医資格を持っていたとしても、同じような年齢やスキルで、同じ資格を持っているドクターは大勢います。その中で、「良い人材だ」と応募先医療機関に思ってもらうためには、その専門分野の中で、どんなスペシャリティがあるのかを突き詰めていく視点が必要です。

 

たとえば、特定の疾病に関する症例数をどのくらい持っているか?…を、個別に数値化してみましょう。その中で特異なケースであった症例などを、さらにピックアップしてみましょう。もしも特定の疾病に対して症例数が多い場合は、その疾病のスペシャリストとしてPRできます。

 

一つの疾病ではそう多くの症例はない場合でも、たとえば肝臓疾患・腎臓疾患・心臓疾患などと括って行けば、それはそれでスペシャリティです。もしも特定の疾病や特定分野の疾患などで特筆する実績が無い場合は、多様な分野の症例を経験したという、ゼネラリストとしてのスペシャリティをPRする事ができます。

 

また、ドクター自身が注力してきた研究分野や、興味のある医療分野についての知見も重要なポイントですので、できるだけ狭い視点で突き詰めて、説明ができるように準備をしましょう。

 

狭い視点が複数個ある分には構いませんが、広い視点のみで括ってしまうのはNGです。できるだけ狭い視点で突き詰めるという虫の目の意味を、しっかりとなぞっていきましょう。

 

・パーソナリティーを客観視してみる

 

ドクター自身の性格や性分などを、客観視のうえ突き詰めてみましょう。たとえば医療スキルが平均的なドクターでも、患者とのコミュニケーション能力に長けていたり、チーム医療でリーダーシップを発揮できるタイプならば、たちまち重要なセールスポイントとなります。

 

・応募先の臨床現場等に入ってみる

 

虫の目を発揮するには、現場と向き合う事が重要です。そのためには、応募先医療機関の現場を知る事も大切です。ドクターが希望をすれば、面接日程前に現場の見学をセッティングする事は可能でしょう。

 

また、積極的に状況把握したいならば、当該医療機関で当直などのスポットアルバイトに従事してみると良いでしょう。転職エージェントのコンサルタントに依頼をすれば、現場を把握する手立てはいくらでも段取りしてくれる筈です。

 

もしも転職エージェントがそれを拒んだら、それは信頼のおけない劣悪なエージェントだと見なし、別の優良エージェントに鞍替えする事をお勧めします。

 

魚の目での戦略視点~時代の潮流を読む~

 

目には見えない流れを読む力は、転職活動の必須事項です。

 

・応募先が求めている背景やポジションを鑑みる

 

ドクターが転職を希望する応募先医療機関は、何らかの背景があって求人を出している訳です。その事情を逸早く汲み取り、ドクター自らのマッチング性をPRする事が大切です。

 

たとえば、急に欠員が出てその穴を埋めて欲しいだけならば、その診療科における一般的なスキルを余すところなく持っている事が望まれるでしょうし、とにかく早く入職できる人材が不可欠です。

 

たとえば、新設部門の立ち上げスタッフとして求人を出しているならば、プロジェクトの立ち上げ経験や、スタートアップ時の繁忙への覚悟、新設部門への見識も必要です。(ex.新たなクリニック開設などに加え、最近では、在宅医療や地域包括医療などの推進のための部門新設や、保険外診療部門の開設などによる求人が増えています。)

 

たとえば、管理職を兼ねるような上級医師のポジションに欠員が出た場合、マネージメント経験やスキルを持った医師へのニーズが高まります。

 

応募先の当該医療機関が、どのような意図を持って求人をかけているのか?…を知らずして、戦略的なPRは出来ません。これらの情報が、求人票に委細記載されている事は稀ですから、個別具体的にリサーチする事が望まれます。

 

必ずや事前に、転職エージェントのコンサルタントに状況を確認しましょう。もしも転職エージェントが状況把握をしていない場合は、当該医療機関へのヒアリングを充分に行ってもらうように、働きかけて下さい。

 

・トレンド医療などを調べて提案してみる

 

もしもドクターの専門分野で、新たな診療方法などが始まりつつある疾病などがあれば、その資料などを集めて読み込み、トレンドに明るい状況を作っておくことも必要です。

 

新たな医療機器や薬剤などに対する一般知識を把握しているだけでも、面接時の印象は随分と変わってきます。そして、入職後のビジョンの一つとして、将来的にこれらトレンド医療にも着手したい旨の話ができると、前向きな発想を持つ医師として、評価されるでしょう。

 

また、各学会と関連する製薬会社などで、時折「キャンペーン」的な広告を打つ事がありますが、その情報もキャッチしておくのです。ドクターが学会員であるならば、事前に情報は入ってくるはずです。

 

たとえば「禁煙外来」や「爪の水虫」などのCMなどを、よく目にするでしょう。このようなキャンペーンは、時代のトレンド=ニーズとマッチしているものであるため、そのような疾病への対処実績や展望などを語れるように準備しておくと、直ぐに現場で活躍できるライブ感のある医師として、評価されるでしょう。


セカンド転職ケーススタディ

医師のセカンド転職を考える

 

ファースト転職とは全く異なる展開が求められるセカンド転職以降のケーススタディーは、成功と失敗の差が極端に開いてきます。成功するドクターは、どんどん高みに上って行くのに対し、失敗するドクターは、果てしなく落ちていってしまうのです。

 

ファースト転職では、殆どのケースで年収アップが図れます。また、殆どのケースで仕事内容や勤務時間などにおいても、ドクターの意向と合致する条件の医療機関を紹介してもらう事ができるでしょう。

 

しかしセカンド転職以降では、年収ダウンの条件を呑まなければ、転職先を見つけられないケースもしばしば見受けられます。そしてそれは、環境やマッチングのせいではなく、ドクター自身の転職に向き合う姿勢が原因である事が多いようです。

 

転職市場で嫌われる、「問題ありの使えない人材」と見なされてしまっては、何度転職を繰り返そうと、同じ結果の繰り返しです。転職エージェントのサービス案内では、「転職は夢を掴むための切り札」…の様に表現されている事が多いですが、それは誰もが使える魔法などではありません。価値のある人材が真摯に自己分析のうえ適合する市場にPRする事で成功が生まれる、実に市場の法則に則った世界です。

 

しかし、ファースト転職だけは、やや魔法のような感じを受けるものかもしれません。ドクター自身に無条件で信頼と市場価値が認められ易いですし、医局と言う特異な環境からの脱出は、様々な勤務条件が一変します。ファースト転職で魔法にかけられたと誤認したドクターが、「転職したら一発解決」と安易に考え、転職を繰り返してしまっている訳です。

 

それでは、転職ケーススタディの成功例・失敗例を、見てみる事にしましょう。

 

役職ゲットで年収とキャリアアップを果たしたA医師

 

32歳で医局からのファースト転職を経験したA医師は、六年後の38歳で、セカンド転職の道を模索している消化器系を専門とする外科医です。政令指定都市の国立大学を出て、そのまま医局に入局し、転職後は同市の私立病院で働いていました。

 

ファースト転職の理由は、なかなか思うように特定の執刀症例数が積めなかったからでした。縦社会の医局で、上級医師たちがやりたい手術を全て担当していく毎日に、自身の医療スキルのアップに問題が生じると感じたからです。

 

医局勤務中に外科医の認定医資格を最短で取得する事ができていたので、認定医としてのキャリアも数年ありました。ここは時機を逃さず医局を出る事で、自らの価値を高める経験を積めると認識したのです。

 

ファースト転職は成功し、市中の病院の外科にて、一つのチームのリーダーとして、裁量権のある稼働ができました。初めて部下のような存在を持ち、上長とかけあいながら、執刀症例数と共にキャリアを積む事が出来ました。

 

そして、ふと考えたのです。「自らのキャリアをデザインした場合、この病院でやるべき事は終わったのではないか?」…と。幸い、執刀症例数は充分に積めていて、自らの専門分野を自負できるようにもなっていました。40歳を過ぎると転職事情も変わってくると聞いていた事もあり、セカンド転職のタイミングを「今」だと図ったのです。

 

セカンド転職において、A医師のキャリアは光るものになっていました。誰もが納得できる執刀症例数と共に、チームリーダーとしてのマネジメント実績、そしてまだ「若手」と呼べる年齢。

 

三拍子揃ったA医師のケースでは、名門医局出身という医局ブランドが後光として差し込みます。セカンド転職では無条件で医局ブランドが使える訳ではありませんが、直近のキャリアが売り手市場に適うもので有る場合、医局ブランドが思わぬ形で援護射撃をしてくれるのです。

 

A医師は、転職の理由を「将来、外科部長に就任するためのステップ」として位置付け、現職の同県隣市の病院の、外科副部長の役職を得、キャリアアップ・年収アップを果たした上、医業とマネジメント力のスキルアップを図るためのステージに立つことができたのです。

 

※評価コメント※

 

A医師の場合、自らの描くキャリア像がしっかりしており、ファースト転職の延長線上にセカンド転職を描けた事が成功の秘訣でしょう。自身の市場ポジションを把握していた事も、功を奏しました。病医院内の役職に就こうとする場合、たとえば外科部長よりも年齢が上がってしまっては、チームの序列に不均衡が生じる可能性がある事から、専門性を追求した分野での転職は、40代前半くらいまでに終える方がベターなのです。

引く手数多の状況ではなくなり、途方に暮れたB医師

 

36歳でファースト転職をしたB医師は、現在42歳で、セカンド転職を考えている内科医です。

 

B医師本人曰く、「所属していた医局の大学医学部出身ではなかったため、医局内で思うようにチャンスを得られなかった」事を不満に思い、ファースト転職を試みたそうです。ファースト転職時は退局を伴うものでしたが、比較的スムーズに事を運ぶことができたそうで、「転職がこんなに簡単なものだったなら、もっと早くすれば良かった」…と、感じたそうです。

 

B医師のファースト転職活動は順風満帆でした。転職エージェントに登録し、市中の病院でいくつか面接を受けたところ、全ての病院から内定をもらいました。引く手数多の売り手市場で、最も良い条件の病院を選び、数百万単位の大幅な年収アップと、医局時代よりも楽な勤務条件を手にする事ができたといいます。

 

今回、B医師がセカンド転職を試みた訳は、さらなる年収アップを目指すためでした。そして、現職の人間関係に嫌気が差したという理由もありました。B医師本人曰く、「B医師より年下の医師が、上から目をかけられている」事を不満に思い、「自分を高く買ってくれる所に転職してやる」と考え、辞表を叩きつけて退職し、転職エージェントの門戸を叩いたというのです。

 

しかし、セカンド転職事情は少々勝手が違っていました。ファースト転職ではあれだけ面接機会が舞い込んできたのに、そのチャンスがなかなか回ってきません。現職よりも年収アップができる、年齢に応じた高額年収を条件にしていたB医師に、なかなかマッチングする求人が無いと言うのです。

 

実は、転職エージェントサイドには、B医師が望む水準の求人は沢山ありました。しかし、特に専門性も無く、具体的なビジョンも語れないB医師は、エグゼクティブ求人の人材水準に達していないと見なされていたのです。その後、B医師の強い要求により、複数のエグゼクティブ求人の面接機会を得られましたが、軒並み不合格となったのです。

 

結局B医師は、老健施設の施設長という求人で採用され、年収が150万円ほどダウンした状態で、医業の最前線とは異なる場所で、医師として勤務する事になったそうです。

 

※評価コメント※

 

B医師は、自身の不満を環境に起因させる性分のようで、医療市場における自身のドクターとしてのポジショニングを理解する事が出来ず、望む転職ができなかったようです。ファースト転職での成功体験は特別で、セカンド転職以降は、医師としての評価が極めてシビアに下されると考えた方が良いでしょう。

 

特に専門性もなく(具体的に磨いてこなかった)、チーム稼働に不向きなコミュニケーションスキルと見受けられるB医師は、一般的な求人にしかマッチングしない、ごく一般的な医師に過ぎなかったという訳です。


セカンド転職は、客観的な市場価値評価に基づく

医師のセカンド転職を考える

 

セカンド転職以降が、ファースト転職と最も異なる点は、ドクターの市場価値を客観的に外形評価され、その評価に基づいた求人案内が行われると言う点でしょう。

 

ファースト転職では、言わば医局の下駄をはいている状態での評価が下され、一定の期待値を標準に転職活動を進められます。しかしセカンド転職では、ドクターの身の丈そのままで評価されるため、市場価値の高いドクターはよりステップアップに繋がりますが、低いドクターは、ステップアウトやステップダウンに繋がりかねないのです。

 

もちろん、ドクター自身がきちんと未来を見据え、自分自身の可能性を上手にプレゼンテーションできればいいのですが、何も持っておらず、さらに何も語れないドクターは、八方塞がりとなってしまうでしょう。

 

そんな時に頼りになるのが転職エージェント。ドクターのキャリアや方向性を吟味し、上手にプレゼンテーションしてくれるパートナーではありますが、転職エージェントも無い袖はふれず、市場価値が低いドクターを、高いものとして売り込むには限界がある事を知っておいて下さい。

 

転職エージェント選びはパートナー選びとして重要で、良い転職は、転職エージェント選択時に決まっている…という事実も真理ではありますが、同時に、ドクター自身が自分の市場価値を見つめ、高い市場価値に適う人材であるための努力とキャリアを積み、将来のビジョンを描く事も重要だという真理もあるのです。

 

この記事を書いた人


野村龍一(医師紹介会社研究所 所長)

某医療人材紹介会社にて、10年以上コンサルタントとして従事。これまで700名を超える医師の転職をエスコートしてきた。担当フィールドは医療現場から企業、医薬品開発、在宅ドクターなど多岐にわたる。現在は医療経営専門の大学院に通いながら、医師紹介支援会社に関する評論、経営コンサルタントとして活動中。40代・東京出身・目下の悩みは息子の進路。

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