医師の「外来のみ勤務」への転職は可能か?

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野村龍一

野村龍一

某医師紹介会社にて、10年以上コンサルタントとして従事。これまで700名を超える医師の転職をエスコートしてきた。担当フィールドは医療現場から企業、医薬品開発、在宅ドクターなど多岐にわたる。現在は医療経営専門の大学院に通いながら、医師紹介支援会社に関する評論、経営コンサルタントとして活動中。40代・東京出身・目下の悩みは息子の進路。

外来のみ勤務への転職可能性を探る

医師が働く現場としてもっとも多いのが医療機関です。しかし、入院施設のある病院では、夜間勤務や当直、オンコールなどの対応がつきもので、そういった夜間の対応に負担を感じる医師も多いのではないのでしょうか。

では、医師にとって、“夜間の勤務”から解放され、日勤だけとなる転職は、現実的なのかどうか。今回は“外来のみ勤務”という、医師の働き方に注目してみます。

外来とは

当たり前のことですが、外来とは「外から来る」と書くわけですから、入院診療に対し、病院に通って診察を受ける診療スタイルのことをいいます。

入院施設を持たない診療所(クリニック)では、外来診療しか行わないのは当然ですが、病院では外来と入院病棟の両方を備えています。

一般的に、病院の外来は複数名の医師が担当し、曜日ごとの当番制になっています。外来診療に当たらない日や、外来診療が終わった午後の時間帯には、病棟での仕事を行ったり、外科系の診療科では手術を行ったりします。

基本的に、経験の浅い若手の医師は病棟に配属されることが多く、カンファレンス等で情報を共有しながら、中堅医師やベテラン医師の指導の下、診療経験を積んでいきますよね。

外来で患者さんの訴えを聞き、的確な診断をつけ必要な検査や治療を行うようになるには、数年以上のキャリアが必要であるといわれています。ですから、よほど人手不足の病院でなければ、若手の医師がいきなり外来を任されることは少ないでしょう。

最近の外来事情

近年では、いったいどれくらいの患者さんが外来で診察を受けているのでしょうか?入院と外来の患者の割合や、患者の年齢層はどのようになっているのでしょうか?平成26年に厚生労働省が行った患者調査の結果を見てみましょう。

入院では圧倒的に病院の方が多く、外来では診療所の方が多くなっていることが読み取れます。具体的に平成26年の部分の数字を見てみると、以下のようになっています。

  • 外来7 238.4 千人(病院:1 641.9千人、診療所: 4 233.0千人)※歯科診療所は省略
  • 入院1 318.8 千人(病院:1 273.0千人、診療所: 45.8千人)

外来患者数は入院患者数の約5.5倍になっており、外来患者の数がとても多いことが分かります。また、医科を受診する外来患者さんのうち、診療所を受診するのが約6割、病院を受診するのが約4割ですから、外来患者の多くは診療所を受診していることが分かります。

次に、年齢階級ごとの患者数を考えてみます。
前出の調査結果から、年齢階級別の患者数をみると、次のような傾向があります。

入院
  • 「0~14 歳」「15~34 歳」「35~64 歳」は減少傾向
  • 「65 歳以上」は増加傾向
外来
  • 「0~14 歳」「15~34 歳」「35~64 歳」は若干の減少傾向
  • 「65 歳以上」は増加傾向

つまり、小児科や産科などの一部を除けば、入院・外来共に、診療の対象は成人及び高齢者が大半を占めると考えられますね。

外来で勤務する場合は、一日に何人診察するのかによって仕事の大変さは変わってきます。

転職を考えるときは、その病院の来院患者数や外来を分担する医師の数などもよく調べ、どれくらいの負担が自分に課せられるのか、事前に知っておくことも重要です。

専門外来とは

最近では、外来の中でも特定の病気や症状についての専門外来を設置する病院が、増えてきました。患者さんにとって、自身の症状に対する専門的な治療が受けやすくなることから、受診者も増えています。

病院規模としては大~中規模の病院にあることが多いですが、クリニックでも専門外来を設置しているところもあります。

また、専門外来は、名称のつけ方に対する規定が無く、病院が自由に設置することができますので、同じ内容の診療を目的としていても、名称が違うことがあります。(例:「痴呆外来」と「もの忘れ外来」等)

以下に、主な専門外来の例を挙げてみます。

この他にもさまざまな専門外来があり、これまでに培った専門的な診療経験を活かしたり、専門分野に特化した診療を行うのには、適した環境と言えるのではないでしょうか。

外来診療のみの求人とは

外来のみの求人には、大きく2つあります。1つは病院の外来診療のみの求人、もう1つはクリニックの外来の求人です。それぞれ常勤採用の場合と非常勤採用の場合があります。

  • 常勤:毎日決まった労働条件や時間で勤務し、固定給で賃金契約が結ばれる
  • 非常勤:毎日ではなく、不規則な短時間労働となり、時給や日給のようなかたちで給与が支払われる

常勤は固定給があり、さらに社会保険料などを勤務先が負担してくれるなど、一定の福利厚生の恩恵を受けることができますし、確定申告も個人で行わなくて済みます。

一方、非常勤の場合は、かなり好待遇な時給や日給が期待できますが、一般的に、退職金や福利厚生がありません。ただ、非常勤の一番のメリットは、時間に融通が利くというところです。

子育てや家事などと仕事を両立したい場合や、その他プライベートな事情によりフルタイムでは働きにくい場合には、ニーズのある勤務スタイルです。

外来のみの求人例

外来のみの求人を探すときにはどのようにしたらよいのでしょうか?最も手軽で確実に求人を探すには、医師転職支援サイト等に掲載される、求人情報をくまなくチェックすることです。

実際、弊社のサイトでTOP3に入る転職支援サイトにて公開されている、求人の一例をご紹介します。

【常勤の求人例】

【非常勤の求人例】

以上、一例をあげてみましたが、公開情報でもこれだけ好条件のものがあるので、非公開求人も含めると、待遇のよい求人に巡り合える可能性は高いですよね。

特に、非常勤の外来のみの求人は、たくさん存在しています。看護師でいえば、「外来勤務のパート職員募集」と同様の立ち位置になるのでしょうか。

病院経営の面からも、非常勤の医師をうまく活用する方が、人件費の部分で経費削減につなげることができます。1か月あたり数時間~数日分の外来勤務医が欲しい、入院を必要としない専門外来を開設したいなど、その需要はとても大きいのです。

つまり、非常勤の医師を積極的に活用している病院は、実はかなりたくさんある、ということになります。

まとめ

医師としての転職を考える上で、「外来のみの勤務」を必要とするケースも多々あると思います。特にここ数年、自分自身が乳幼児の母である女性医師や、医局等に属さずフリーで活躍する医師も増えてきました。また、将来的に自ら開業するための資金獲得に向け、数年間のフリー医師を志す医師もいるでしょう。

外来勤務は、医療機関の数だけ需要がある働き方です。自らの人生設計とともに、そのメリットを考えてみてはいかがでしょうか。


参考資料

厚生労働省 平成26年患者調査
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/14/

厚生労働省 医療施設動態調査(平成 28 年 9 月末概数)
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/m16/dl/is1609_01.pdf

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