医師の需要が最も高い県はどこか?= 医師確保対策と医師必要数から考える

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

医師の需要が最も高い県はどこか?

平成29年現在ではまだまだ医師不足が謳われているものの、平成36年ころには医師の「需要と供給」バランスが取れるとされています。今後は、医師も自分を積極的に売り込まなければならない時代がやってくるかもしれません。

しかし、見方を変えれば、「医師の需要が高い県やエリアであれば、自分を過度に売り込むことなく転職できる」という可能性も秘めています。今回は、いくつかの都道府県の医師確保対策と、必要医師数調査結果から、医師の需要が高い県やエリアはどこなのかを考えていきます。

病院側からみた「医師確保のための取り組み」

まずは、病院側が医師確保のためにどのような取り組みをしているのか、2015年に日本医師会総合政策研究機構が公表している「病院における必要医師数調査結果」のデータを元に考えてみます。

これによると、一番の「医師確保対策」として挙げられるのは、「勤務手当等の処遇の改善」です。多忙な医師という職業に対してそれ相当の報酬を準備することで、必要な医師を確保しようとしています。

次に挙げられるのが、医師事務補助の配置です。「医療事務補助」の主な役割としては、これまで医師が行ってきた書類の作成など、事務的な仕事を代行することで、これにより医師の業務負担軽減を図ります。

そして三番目に挙げられるのが、看護師等との業務分担の見直しによる業務負担軽減です。平成27年10月には、看護師の特定行為が認められるようになり、一部の医療行為を看護師が医師の指示なく行えるようになりました。この制度を積極的に取り入れよう、ということです。

また、これらの他にも、院内保育所の設置や短時間正規雇用等、勤務形態の導入も挙げられており、男性医師だけでなく、女性医師でも働きやすい環境づくりを目指していることが伺えます。

二次医療圏ごとにみた、必要医師数が多いエリアでの、“医師確保対策”は?

次に、都道府県を二次医療圏毎に区切り、必要求人医師数倍率が高いところを見ていきます。

秋田県 能代・山本医療圏

最も必要求人医師数倍率が高い二次医療圏は、秋田県の能代・山本医療圏です。このエリアは、秋田県内でも病床利用率や受療率は共に平均以下となる医療圏で、人口も秋田県内の1割未満となるエリアです。

秋田県では医師確保対策として、県内の若手医師の定着、県外からの医師の確保、女性医師の確保、医師を志す者への支援を行っています。

特に若手医師に対しては、地域循環型のキャリアシステムを導入し、大学病院と地域の病院の循環によりキャリア形成を支援し、若手医師にとって魅力ある労働環境を作り、県内への定着を目指しています。

岩手 二戸医療圏

ここは、医療提供施設数が県内の平均を下回り、医療圏内での医療完結率も県内の平均を下回っているエリアです。また、呼吸器内科医が不在、かつ、診療所への勤務医も少ない医療圏となります。

医師確保対策としては、県や大学の医局等と協力し、養成医師の配置や就学金制度の貸付、医療現場体験会等を実施しています。また、病院規模の医療機関が3施設しかない二戸医療圏では、県立二戸病院が中心となって研修医の確保を図っています。

このエリアに転職を考えるならば、常勤医師が不在である「呼吸器内科医」には、有利な転職が期待できるかもしれません。

静岡県志太榛原医療圏

このエリアは、入院患者の約57%が、他医療圏に頼っている圏域です。また診療医の相次ぐ退職により、診療体制の縮小が続いています。

医師の確保対策としては、地域医療再生臨時特例交付金を基に設置された地域医療支援センターを活用し、若手医師の養成などに力を入れています。また、子育て世代の中堅医師の離職防止や職場復帰を支援しています。

和歌山県 御坊医療圏および新宮医療圏

まずは御坊医療圏です。ここは県の人口のうち約6.7%が居住するエリアで、高齢化率も県の平均以上の圏域です。次は新宮医療圏ですが、こちらは県全体の約7.4%が居住するエリアですが、地理的にハンデのある土地でもあるため、医師の確保が全国的に見ても困難な地域となるようです。

この2つの医療圏が含まれる和歌山県の医師確保対策は主に、女性医師の支援、地域医療を担う医師の確保です。また、臨床研修指定病院が一体となって臨床研修体制の充実を図っています。

さらに新宮医療圏では、小児科医や産婦人科医が徐々に増えつつあるものの、医師の高齢化や若手医師の都市部への流出に伴い、医師の全体数は減少傾向が続いています。特に救急医療は

  • 初期(一次)救急は、休日・夜間の在宅当番医制が整備されているが、医師の高齢化により将来的には難しくなる可能性がある
  • 二次救急の指定病院は3病院あるもの、うち2病院は専門的な医療を展開することが難しく、1病院に負担が集中している

などの課題があるようです。

地域における、医師の偏在が浮き彫りに?

前述の内容を踏まえて、都道府県別の必要求人医師数を見ていきます。下記のグラフでは、上位5位は福井、秋田、静岡、岡山、新潟となります。しかし、二次医療圏別では、秋田、静岡は含まれるものの、福井、岡山、新潟はありません。その代わりに、二次医療圏別では、岩手、和歌山などが含まれていました。

これはなぜなのか。今回は和歌山県を例にとって考えていきます。

和歌山県は、県の北部に人口が集中し、県庁所在地を含む和歌山医療圏が県全体の人口の約43%を占め、医療機能も和歌山医療圏に集中しています。また和歌山県には、山村過疎地域を中心に無医地区が15か所、準無医地区が10か所あります。

和歌山県の保健医療計画によると「医療施設に従事する医師のうち、病院で働く医師の割合が60%程度、全国平均よりも低い。つまり、『病院勤務医の確保』が、大きな課題」となっています。和歌山県はへき地と呼ばれる地域が多く、その地域でこれまで医療を担ってきた医師は高齢化が進み、年齢や業務負担を鑑み、診療所での勤務医が多くなる傾向にあります。

若い医師は都市部へ流出してしまうことから、医師数が少ない上に病院で働ける医師が少ない、へき地医療を担う医師がいないなどの理由から、医療の偏在が大きな地域といえそうです。

和歌山県には「わかやまドクターバンク」のほかに、県が運営する「青洲医師ネット」もあり、県を挙げて常に医師募集中という状況です。

このように、県内都市部に人口や医療機能が集中する都道府県では、都市部に医師が集中してしまうため、県全体で見れば医師が充足しているように見えるのですが、二次医療圏毎に見ると、へき地の医師不足や病院勤務医の不足、医師の高齢化が浮き彫りになってくることがあるのです。

まとめ

都市部を構えつつ、へき地が存在している都道府県では、今後を見据えて特に若手の医師の需要が高くなります。へき地に近いとはいえ、救急医療を展開している医療施設が存在するエリアもあります。

こういった地域への転職は、医師の需要が高い環境であり、様々な分野の医療を学ぶことができるため、医師としてのスキルアップも期待できるのかもしれません。


参考資料

日本医師会 病院における必要医師数調査結果
http://www.jmari.med.or.jp/download/WP346.pdf

秋田県地域医療連携計画(その1)
http://www.pref.akita.lg.jp/uploads/public/archive_0000003120_00/tiikikeikaku1.pdf

秋田県医療保健福祉計画
http://www.pref.akita.lg.jp/uploads/public/archive_0000003120_00/kenkeikaku.pdf

岩手県保健医療計画
https://www.pref.iwate.jp/dbps_data/_material_/_files/000/000/002/229/iryo_plan_2013_2017.pdf

静岡県保健医療計画
https://www.pref.shizuoka.jp/kousei/ko-410/documents/11syou.pdf

和歌山県保健医療計画
http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/050100/iryokeikaku/documents/keikaku7.pdf

青州医師ネット
http://www.seishuishinet.com/

The following two tabs change content below.
野村龍一

野村龍一

某医師紹介会社にて、10年以上コンサルタントとして従事。これまで700名を超える医師の転職をエスコートしてきた。担当フィールドは医療現場から企業、医薬品開発、在宅ドクターなど多岐にわたる。現在は医療経営専門の大学院に通いながら、医師紹介支援会社に関する評論、経営コンサルタントとして活動中。40代・東京出身・目下の悩みは息子の進路。
当研究所が成績優秀コンサルタントを先生のご担当へとブッキング

2017年5月常勤転職 初心者向け登録推奨Top3社=当研究所が成績優秀コンサルタントを先生のご担当へとブッキング

数ある医師転職支援会社への登録に迷ったら…まずはこのTop3社だけまとめて登録すれば失敗の確率はグンと下がります。常勤転職、非常勤アルバイト転職の2パターンでそれぞれの初心者にオススメ登録先(有力企業のみを厳選、且つ、成績優秀コンサルを担当につけるよう当方がアレンジできる企業)をパッケージングしてみました(2016年度最新データに基いて分析)。

野村龍一

医師紹介会社研究所 所長 野村龍一のアドバイス

下記の推薦企業は、当研究所所長が先方企業を直接訪問した上で「誠実で親身に医師に寄り添う姿勢」「強引な転職などを誘因しない姿勢」「医療機関から高い信頼を得ている証左」を確認済みの紹介会社です。 各企業上層部には、「当会社研究所サイト経由で登録した医師」に対し、「通常登録の方よりも手厚いサポート」と「社内でも特に優秀なコンサルタントを担当につけていただくこと」をお約束頂いております。 



 ★登録無料、すぐ転職しなくても情報収集目的のみで『お試し登録可能』、匿名転職サポート可能、ヘッドハント有り、6000ヶ所以上の医療機関や大学との取引あり、医局の退職事例多数、コンサルタントレベル高し★ 

医師会員21万人を誇るソニーグループ運営の医師ポータルサイト「m3.com」グループ会社。一般人材紹介企業と異なり、医師に特化した上でこの事業規模の大きさを誇るため、好条件の求人情報の収集力がずば抜けている印象がある。当然、所属医師コンサルやエージェントの数も多く、個別の医師に対して「相性のあったパートナー」が探しやすいと言える。年収2500万以上、週4日で年収2200万といった高額条件の案件を多数保有しつつ、個別医師のライフスタイルや家族都合などを考慮した勤務条件を引き出す力にも非常に長けており、自ら医療機関と交渉して好条件求人を創り出すことが可能な企業。

企業格付け評価を見る企業サイトを直接見る

対医療機関交渉力 高条件求人情報収集力 専門人材紹介業総合力




 ★登録無料、匿名転職サポート可能、産業医に強み★ 

新興勢力の医師紹介会社の中では最も勢いのある企業です。東京の常勤転職に非常に強みを持っており、同エリアで常勤転職希望に該当する医師は是非とも1度相談をする価値があるでしょう。また、年収1800万円以上の高収入求人や、産業医にも力を入れていることが調査でわかっております。組織規模はまだまだこれからといったところですが、実力派の個性あるコンサルタントが揃っているところから、属人的能力の強い医師紹介会社の1つです。

企業格付け評価を見る企業サイトを直接見る

対医療機関交渉力 高条件求人情報収集力 専門人材紹介業総合力




 ★業界トップレベルの圧倒的な求人数と非公開求人の充実が売り★ 

医師転職ドットコムを運営する株式会社メディウェルは、医師紹介業界のリーディングカンパニー1角を占めている著名企業です。医師転職ドットコムの最も大きな売りは、他社を凌駕する圧倒的な求人情報数といえます。求人カバレッジエリアも日本全国に及んでおり、非常勤/スポット求人を求める医師のどのようなニーズにも一定以上の回答を用意することができる、数少ない企業の1つといえます。医師紹介会社にまよったら、まずとりあえずは同社に登録をしておくことが、好条件求人を見過ごさないためのポイントとなるでしょう。

企業格付け評価を見る企業サイトを直接見る

対医療機関交渉力 高条件求人情報収集力 専門人材紹介業総合力




 ★登録無料、常勤オーダーメイドとアフターケア重視★ 

2011年創業にも関わらず、一気に事業展開を加速させて業界を驚かせている新興企業の1社です。大手医師紹介会社のベテランコンサルタントが集結して立ち上がった企業であり、特徴としては常勤転職へのオーダーメイド求人クリエイト、転職後のアフターフォローの徹底等があげられます。新興企業ですが、担当となるスタッフはベテランが多いため、初めて転職をする医師でも安心して業務を委託できるのが心強いです。

企業格付け評価を見る企業サイトを直接見る

対医療機関交渉力 高条件求人情報収集力 専門人材紹介業総合力



 ★登録無料、情報収集目的のみでお試し登録可能、業歴10年以上★ 

業界歴10年、全国10拠点展開の老舗企業エムステージ(旧メディカルステージ)では、賞味期限の維持管理を徹底された保有求人数6000件以上を誇示する、常勤転職の「Dr.転職なび」に加えて、医師のニーズやご意向を中心に求人を組み立てて創りだすオーダーメイド型の求人サイト「AgentxMedicalStage」等を新たに展開。実際の業務量がわかる求人票の作成へのこだわりや、コンサルタント全員が医療経営士資格取得者として、能力担保を対外的に明示した転職サポーティング体制を打ち出している、高評価の医師転職支援会社です。

企業格付け評価を見る企業サイトを直接見る

対医療機関交渉力 高条件求人情報収集力 専門人材紹介業総合力

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

2017年5月版 常勤転職 =初心者向け登録推奨TOP3社

2017年5月版 非常勤/スポット =初心者向け登録推奨TOP3社

無料レポート「医師紹介会社 こんな担当者に注意せよ」配布中

当サイトの「登録」リンクから医師求人転職支援会社にご登録を頂いた方に、私、野村龍一がこっそりご登録者様だけに教える秘密レポート「医師紹介会社、こんなコンサル担当者に注意せよ!」(PDFファイル、約50頁、9,800円相当)を無料でご提供しております。